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第10話 冒険者エリザ
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「ありがとうございます。それでは…………えええっ?」
受付の女性はわたしの用紙を何度も確認した。そして何かの本を取り出した。困惑しているようだった。しばらくして私に尋ねてきた。
「このスキルは聖痕スキル、まさか、あなたはあの、四天王の中でも最弱を倒した銀の聖女候補の方で間違いないでしょうか?」
名無しの四天王でも、四天王の中でも最弱というネームキャラは少し可哀そうだと思う。運営も酷いことするよね。
「倒した記憶はありませんけど、クラスはそれになってるんです、ほんとーに嫌なんですけど、それなんです、かわってほしいぐらいなんです。消せる消しゴムがあればゴシゴシしちゃいます」
「あははは、ご冗談を、あの聖女候補様がなぜ、ここに? 冒険者以外のお仕事ならいくらでもあるはずですけど、教会や王城に向かわれたらどうですか?」
だが、断る、ヒロインポジ(仮)の私がそっち系のメインイベントに入ったらどうなると思う? ビッチに近づいちゃうんだよ? 枕営業なんてしたくないの、わたしはそれが嫌なんです。まだ間に合う、ヒロイン様になすりつけてやるんだから。
「わたしは、冒険者になりたいんです。絶対になりたいんです!! 聖女じゃなくて、冒険者になるんです!! もう決めたんです!!」
「本気なんですかぁ!!」
受付の女性は慌てふためきながら、見つめていたけど、ため息をついて首を振ると、
「ううっ、仕方がありません。登録は自由ですから……、これも仕事として割り切って説明させていただきますね」
受付の女性は、残念そうな顔をしながら説明をはじめた。
「冒険者は年齢制限がありますが、今のエリザ様の年齢は18歳ですので登録可能になります。ランクによってですが、魔物の出没エリアに入る許可が得られます。現在ダニアの森は調査中のため、侵入不可とさせていただきます。また犯罪者の討伐、潜入、偵察などスカウト系の仕事もありますが、危険のリスクが高いため、命を失うこともありますので、聖女候補のエリザ様にはあまりおすすめしたくはありません。冒険者は常に命の危険がある仕事ですので、ご理解のほどは宜しいでしょうか。やはり、わたしは教会をお勧めしたいのですけど」
「はい、教会はパスで、冒険者最高、もうどんとこいです!!」
もちろん、私は納得して頷く。
このゲームは逆ハーレム展開が多い。聖女候補は、聖なる王子様のイベントが発生すると、わたしは彼らとヤる可能性が高い。
こっちの世界の人間じゃないわたしには、その倫理観が到底受け入れられない。ゲームとしてなら、イケメンたち全員に愛されるってご褒美なのかもしれないけど、だが、私は断る。そもそも考えてみてよ。朝昼晩、常に学園や街を歩くたびに彼らに代わる代わるヤられるとか、身体がもたない、きっと、聖女になる前にわたしの精神が崩壊してしまうだろう。
「あとギルドランクというものがありまして、ランクS、A~Eの5種類ですね。Sは国から認められたものになりますから、特例におけるランクになります。A~Eまでが実績や能力の評価によって上がるランクと言っていいです。まずはギルド規約通りに最初はEランクから初めてもらうことになりますが、でも聖女候補のエリザさんなら国から特別措置でSランクが可能かと思いますよ。是非、聖女候補としてお城へ」
受付の女性は、是非に是非にと言う。わたしは受付の女性に笑顔で対応する。
「わたしは、お城に行かないからね。ランクEでお願いします」
「どうしてですか、本当にもったいないですよ、そうそうエリザさんなら王子様に見初められて王妃様になれちゃうかもしれませんよ、玉の輿ですよ」
玉の輿どころか、王子の玉についてるアレでわたしの腰が激しく振られちゃうから、絶対に無理です、ごめんなさい。
「Eランクで~♪」
受付の女性はため息をついた。
「はぁ~わかりました。いつでも変更できますから、その時はすぐにギルドに来てくださいね」
「ない、ないから」
そう言って、受付の女性は魔法のペンでわたしの情報を書き写していく、それから自分のサインをしたあと、わたしに白色のギルドカードを差し出した。
「では、ギルドカードになります、どうぞ」
「ありがとう、おねぇさん」
わたしは、聖女候補ではなく、冒険者としての道を歩きはじめることになった。
受付の女性はわたしの用紙を何度も確認した。そして何かの本を取り出した。困惑しているようだった。しばらくして私に尋ねてきた。
「このスキルは聖痕スキル、まさか、あなたはあの、四天王の中でも最弱を倒した銀の聖女候補の方で間違いないでしょうか?」
名無しの四天王でも、四天王の中でも最弱というネームキャラは少し可哀そうだと思う。運営も酷いことするよね。
「倒した記憶はありませんけど、クラスはそれになってるんです、ほんとーに嫌なんですけど、それなんです、かわってほしいぐらいなんです。消せる消しゴムがあればゴシゴシしちゃいます」
「あははは、ご冗談を、あの聖女候補様がなぜ、ここに? 冒険者以外のお仕事ならいくらでもあるはずですけど、教会や王城に向かわれたらどうですか?」
だが、断る、ヒロインポジ(仮)の私がそっち系のメインイベントに入ったらどうなると思う? ビッチに近づいちゃうんだよ? 枕営業なんてしたくないの、わたしはそれが嫌なんです。まだ間に合う、ヒロイン様になすりつけてやるんだから。
「わたしは、冒険者になりたいんです。絶対になりたいんです!! 聖女じゃなくて、冒険者になるんです!! もう決めたんです!!」
「本気なんですかぁ!!」
受付の女性は慌てふためきながら、見つめていたけど、ため息をついて首を振ると、
「ううっ、仕方がありません。登録は自由ですから……、これも仕事として割り切って説明させていただきますね」
受付の女性は、残念そうな顔をしながら説明をはじめた。
「冒険者は年齢制限がありますが、今のエリザ様の年齢は18歳ですので登録可能になります。ランクによってですが、魔物の出没エリアに入る許可が得られます。現在ダニアの森は調査中のため、侵入不可とさせていただきます。また犯罪者の討伐、潜入、偵察などスカウト系の仕事もありますが、危険のリスクが高いため、命を失うこともありますので、聖女候補のエリザ様にはあまりおすすめしたくはありません。冒険者は常に命の危険がある仕事ですので、ご理解のほどは宜しいでしょうか。やはり、わたしは教会をお勧めしたいのですけど」
「はい、教会はパスで、冒険者最高、もうどんとこいです!!」
もちろん、私は納得して頷く。
このゲームは逆ハーレム展開が多い。聖女候補は、聖なる王子様のイベントが発生すると、わたしは彼らとヤる可能性が高い。
こっちの世界の人間じゃないわたしには、その倫理観が到底受け入れられない。ゲームとしてなら、イケメンたち全員に愛されるってご褒美なのかもしれないけど、だが、私は断る。そもそも考えてみてよ。朝昼晩、常に学園や街を歩くたびに彼らに代わる代わるヤられるとか、身体がもたない、きっと、聖女になる前にわたしの精神が崩壊してしまうだろう。
「あとギルドランクというものがありまして、ランクS、A~Eの5種類ですね。Sは国から認められたものになりますから、特例におけるランクになります。A~Eまでが実績や能力の評価によって上がるランクと言っていいです。まずはギルド規約通りに最初はEランクから初めてもらうことになりますが、でも聖女候補のエリザさんなら国から特別措置でSランクが可能かと思いますよ。是非、聖女候補としてお城へ」
受付の女性は、是非に是非にと言う。わたしは受付の女性に笑顔で対応する。
「わたしは、お城に行かないからね。ランクEでお願いします」
「どうしてですか、本当にもったいないですよ、そうそうエリザさんなら王子様に見初められて王妃様になれちゃうかもしれませんよ、玉の輿ですよ」
玉の輿どころか、王子の玉についてるアレでわたしの腰が激しく振られちゃうから、絶対に無理です、ごめんなさい。
「Eランクで~♪」
受付の女性はため息をついた。
「はぁ~わかりました。いつでも変更できますから、その時はすぐにギルドに来てくださいね」
「ない、ないから」
そう言って、受付の女性は魔法のペンでわたしの情報を書き写していく、それから自分のサインをしたあと、わたしに白色のギルドカードを差し出した。
「では、ギルドカードになります、どうぞ」
「ありがとう、おねぇさん」
わたしは、聖女候補ではなく、冒険者としての道を歩きはじめることになった。
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