えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。

揚惇命

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5章 天下統一

蜀漢の動きを察知

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 再び、華北一帯を治める秦国の本拠地遼東にて。

 伝令「報告します。蜀漢軍と魏軍は和解!双方揃って160万の大軍で、鄴に詰めているものと思われます!」

 嬴政「こんなことなら全ての民を連れてくるのでは無かったな。そのお陰で160万もの兵が詰められる都市となっていたのだからな」

 昌平君「秦王様、それはあくまで結果論かと。我らにとって900万に及ぶ兵には代えられませんから」

 嬴政「わかっているさ。皮肉だとでも思ってくれ。さて、蜀漢はここからどう動くと思う?」

 李牧「僭越ながら、一つずつ攻め取るつもりなら、次は巨大都市の一つである上党を狙うかと。蜀漢のことです。鄴の備えも万全にするでしょう。ここはこちらも兵を上党と鄴攻略部隊に分けるのが宜しいかと」

 王翦「流石、趙国の神童と呼ばれた李牧殿だ。それなら上手くいけば上党を攻める奴らの背後も脅かせられるだろう」

 李信「なら鄴攻略は俺に任せな。桓騎のオッサンの仇は俺がとってやるぜ」

 桓騎「おいおい、李信君。俺はこの通りピンピンしてるぜ」

 楊端和「それに鄴を攻めるのならかつての再来と行こうじゃないか。いや、これはフラグだったかな」

 桓騎「うっせぇよ!確かに俺が死んだのは鄴攻略から3年経ったぐらいだけどよ!って言わせんじゃねぇよ!」

 王翦「では、我ら三将軍で再び鄴を攻め取るとしようか」

 李牧「では、私はかつての仲間たちと共に上党を固めましょう」

 李信「えっ?俺は?」

 王賁「お前は留守番だ」

 王翦「賁よ。李信だけでなくお前も留守番だ」

 王賁「父上、何のご冗談です?俺は父上の末端に加わり」

 王翦「いや、留守番だ」

 王賁「、、、。」

 蒙恬「そこで言葉を無くさないでくれよ。この遼東の備えも必要なんだからさ。それに爺ちゃんと父さんも居るし。俺たちは手柄を立てられただけまだマシだって。父さんなんて、戦はまだかーって、家の中で筋トレしまくってるし」

 王賁「、、、。」

 蒙恬「こりゃダメだ。ショックで石のように硬くなってしまってる」

 昌平君「ゴホン。鄴も簡単には落ちないでしょう。皆々様の出番は必ずきますからここは御三方にお任せし、上党も趙の皆様にお任せしましょう」

 嬴政「話はまとまったな。だが1人気になる男がいる。毒矢を受けたそうだが死んだという確証はない。この男が生きていた場合、真っ先に殺せ。奴は、余の計画をずっと狂わせてきた男だ。生きていればどんな奇策を打ち立てるかわからん」

 昌平君「だそうです桓騎将軍・王翦将軍・楊端和将軍」

 王翦「秦王様がそんなに警戒する程、危険な男なのか?」

 嬴政「かつて秦国が辛酸を舐めた李牧に匹敵すると余は考えている」

 李牧「僕に匹敵ですか。それは実に面白そうな御仁です。攻め手に加わりたくなりますよ」

 王翦「なら軍師として付いてくるか?」

 李牧「ハハハ。それは良いですね。司馬尚が居れば、上党に間違いはないでしょうし。お供しても構いませんか?」

 昌平君「確かに安否がわからない以上、徹底的に叩いておくべきでしょう。李牧殿、お願い致します」

 李牧「かしこまりました」

 楊端和「それにしても、毒矢で死なぬ人などいるのか?」

 嬴政「余も無いと思いたいがいつも規格外の生命力を発揮する男だ。確証が無い以上生きてると思っていた方が良い。寧ろ、下手に毒矢を受けて、視線の外に出ようとしてる気がして気味が悪いのだ」

 楊端和「そこまで秦王様が気になされるのなら、確実にここで殺すと約束しよう」

 嬴政「あぁ、頼む。あの男がいる限り余の天下が近付く気がしない。まるで、天の意思。アイツが神であるかのようだ。解せん」

 桓騎「かつて、天下を統一した覚悟の持った男の言葉と思えないほどの怯えっぷりだな」

 嬴政「何とでも言ってくれ。アイツが確実に死なない限り、枕を高くして眠ることすら敵わぬのだ(ここに来て、霊体から定着する身体を手に入れてしまったことも問題だ。限りある命、死ぬわけにはいかん。コイツらは何度でも蘇らせてやれるが。肝心の余は。曹丕、聞いてるのか曹丕!)」

 曹丕『、、、。』

 嬴政「クソッ」

 昌平君「どうされたのです秦王様?」

 嬴政「す、すまない。アイツが生きてることがわかった場合、鄴の攻略など最悪どうでも良い。まず真っ先に追い詰めて、切り刻んで、肉一つ残らないように殺せ!良いな?」

 桓騎「わーったよ。顔は俺が知ってるし生きてたらきっちり殺してやるから。それで良いだろ?」

 嬴政「頼んだぞ」

 解散した面々は、鄴攻略の会議を始める。

 王翦「秦王様のあの怯えよう。相当厄介な相手と言えよう。かつて無いほど怯えておられた」

 李牧「ハハッ。僕よりも怯える相手か。ますますお会いするのが楽しみになってきたよ。生きていればだけどね」

 楊端和「幸いにもこちらにもかつて無いほどの心強い味方がいる。此度は逃げることはできないだろう。それにしても桓騎。お前が2度も逃すからでは無いか?」

 桓騎「わかってるっての!でも1度目は仕方ねぇだろ。ぱっと見、なんていうのかなそういう感じしねぇからよ。追い返すだけで良いと思ったんだよ」

 王翦「その驕りが鄴の陥落と」

 桓騎「驕ってねぇよ!というか俺たちも知らない鄴へのルートを持ってたってのを褒めるべきだろ」

 楊端和「やれやれ、あの時、周りの村々を制圧しただけで満足して、歩みを止めたからいろんな可能性を見誤ったのでは無いか?」

 桓騎「ヘイヘイ。俺が悪うございました。こへで、満足かよ」

 李牧「まぁ、二度あることは三度あるなんてこともあるからね。気を引き締めて、鄴を攻略するとしようか」

 皆がそれぞれ兵を率いて進軍を開始する。
 その数400万。
 向こうが兵を二手に分けたとして、残る守備兵力が100万にも満たないだろうと考えての力攻めで落とせる3倍の兵を用意したのであった。
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