魔族に転生したので魔族の頂点を目指したいと思います!

揚惇命

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最終章 第二幕

第44話 人魔戦争(魔頂村編)

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 各方面へと援軍を送り2万程度しか居ない魔頂村に魔王軍20万が侵攻を開始する。圧倒的兵数を前に浮き足立つ面々を前にクレオは笑みを浮かべる。
「クレオ様、笑っている場合ではありませんぞ」
「ロッキー、何を慌てる必要があるんだい。シーザーにシュテンそれにロッキーとここには守りに長けた者しかいないのに。僕たちは防衛すれば良いだけだよ。この準備した完全な要塞でね」
「ハピネス、各拠点への輸送は定期的にね」
「かしこまりました」
「ゴブリット、高台拠点はお前に任せる。ガンガン石をお見舞いしてやってよ」
「心得ましたぞ」
「フレイム、火の魔法で燃やし尽くして良いからね」
「了解したボン」
「メデイア、シリウスが居ないからって落ち込まない。魔法での援護頼りにしてるからね」
「だって、私よりあの女を選ぶなんて、悔しいですわ」
「大丈夫、大丈夫、シリウスはメディアのことしか見てないから」
「じゃあ、残って私を守るのが務めではありませんことブーブー」
「はい、頬を膨らませない。そういうのはシリウスに見せてあげようね」
「あんな奴、もう知らないんだから。プンプン」
「もうほっとこう。フルート、ベジタリア、連弩の使い方マスターしたからって無茶したらダメだよ」
「まだまだ若いもんには負けませんぞ」
「か弱い女だからって舐めてると痛い目見せちゃうんだから」
「気合十分って感じだなありゃ。ロッキー、シーザー、城門の死守だよ。大変な仕事だけど踏ん張ってね」
「了解しました」
「心得ましたぞ」
「シュテンは」
「ワシは、殿の護衛ですな。殿の御身に何かあれば奥方様たちから何を言われるか」
「ハハハ。了解」
「安心して、私も側にいるニャン」
「ニャーコ、ありがと。皆、ミミから渡されている薬は持ったかい?」
「クレオ様、勿論でさぁ」
「うんうん、じゃあ総員配置に付け。対空砲もガンガン打って良いぞ」
「あの新型兵器ですな。腕がなりやすぜ」
 迎え撃つ姿勢の魔頂村の面々に対して、魔王軍は進軍してくる気配がない。魔王軍では兵を率いる男女が揉めていた。
「馬鹿な魔王様は、俺に挽回の機会を与えてくださったのだぞ。何故、お前は動かぬのだ」
「あら、私は貴方のお目付役。わかってるのかしら。もう失敗できないのよ。あの要塞を見て、攻めるつもりなんて貴方馬鹿なのかしら」
「アンドレ様から気に入られてるからと調子に乗るなよ。相手はたったの2万、この数で攻めれば確実に殺せるであろうが。わかったぞ。お前、俺に挽回させるつもりがないな。兵だけ寄越せ」
「あらあら、これだから甘ちゃんは嫌なのよ。相手はね。迎え撃つ姿勢なの。わかる。ここに来るまでは私も貴方に賛成だったわよ。でもねあの要塞を前に無策に突撃なんて無駄死にさせるだけよ。やりたいなら貴方だけでやりなさい」
「そちらこそ、馬鹿を申すな。城攻めには10倍の兵がいるのだ。兵だけ寄越せ。貴様の手助けなど要らん」
「なんでアンタに私の貴重な兵を貸さないといけないのよ。嫌よ」
「もう良いわ。馬鹿め。俺だけで手柄を上げてやる。お前が来なくても5倍の戦力差だ。構わん」
「そうして頂戴(あのクレオが無策な訳がない。私のスレイブシティを奪って、あの女将軍を魔王様の奴隷として献上するのを阻んだ。私はスレイブシティから逃げ出し自分を磨いた。そして今はアンドレ様の娼婦であり幹部。一度失敗したザイガスの馬鹿に付き合わされて兵を失って、私までアンドレ様に怒られるなんてごめんだわ)」
 ザイガス率いる10万の軍が攻め寄せる。その光景を見たクレオは訝しがる。その表情を見たシュテンがクレオに話しかける。
「殿、浮かない顔をしておられますな」
「わかっちゃう?」
「うむ。殿とも長い付き合いとなりましたからな」
「そうか。僕はね。魔王軍20万を殲滅するつもりだったんだ。でも、相手にもどうやら慎重な将軍がいるみたいだ。後方の動かない10万は最悪魔王国への撤退を許すことになるかな」
「10万を散らせるのなら良いのでは無いですかな」
「うん。そうだね」
 クレオは合図をするとゴブリット率いるゴブリンたちが高台拠点から投石の雨を降らし始めた。正確無比な投石により、潰される魔族たち。
「おい、なんか飛んでくるぞ」
「あんな遠くから当たるかってんだ馬鹿がよ」
「魔頂村には美人な女がたくさんいるらしいぞ」
「ウホウホ。略奪祭りじゃ」
 次の瞬間、そんな話をしていた奴らは跡形もなく潰れてしまっていた。その光景を見たザイールの目には焦りの目が出始める。そうかなり距離のあるところから的確に狙い澄ました投石が飛んでくるのだ。それも避けようとしたところにも。こんな怖いことはない。かろうじて、投石の雨を掻い潜り、城門へと辿り着いた魔族たち。
「ハァハァ。ここまで来れば大丈夫だぜ」
「よし一息に攻め落としてやるぜ」
「女は何処だ~」
「略奪じゃ~」
 そんなことを言うそいつらに今度は大型の矢が刺さる。フルートたちとベジタリアたちによる連弩攻撃である。
「お前たち、ワシらトレントを年寄りの果物しか作れぬ非戦闘員だと思っとる子供達に良いところを見せる機会ぞ。練習してきたことを活かすのじゃ。矢を無駄にするでないぞ」
「やってやりましょうぞフルート様」
「私たちのことを野菜だけしか作れないって思ってる子供達に見せつけてやりましょう。私たちも戦えるんだってね」
「キャー流石ベジタリア様」
 ザイールにはどんどん焦りの色が見える。全く近づけない要塞を前に魔王軍の死者は膨れていくばかりであった。
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