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2章 オダ郡を一つにまとめる
79話 ショバタ城の戦い
モンテロ・ハルトは、突如後方のフジヤマサンに現れた城を見て、奪い取ったショバタ城にて、籠城することを選んだ。
しかし、食べ物も本日分しか無く、残りは持ってきたもので、1週間持つかどうかであった。
「こんなことになるとは。短期決戦を想定していたため。この数の兵を養うための兵糧が僅か1週間分しかないとは」
「やはり、籠城は辞めて、あの山城を落とすであります」
「いや、領民もいないことを考えると計画的移動だ。ここは癪だが。やはり、明日を待って、ガロリング卿に援軍を求めるしか無い」
「了解であります」
「全軍夜襲に警戒せよ!」
モンテロ・ハルトが率いた兵は、正規兵1万である。
対するサブロー・ハインリッヒの兵は、各々が祭りの護衛として連れてきていた兵が合わせて2千と新兵1500の合わせて、3500である。
普通に戦えば、1人で2~3人を打ち倒さないといけない。
こう聞くと現実的な数字に見えるかもしれないが戦とは数が多い方が有利なのは、明らかである。
だからサブロー・ハインリッヒは、策を練り、ルイス・ヴェルトハイムの大胆不敵とも思えるショバタ城囮作戦を遂行し、見事モンテロ・ハルトの1万を初戦で葬る好機に恵まれたのである。
「良し。行動を開始する。頼んだぞウマスキ。お前の働きにかかっている」
「はい。必ずやこの御役目を真っ当し、迅速に戻って参ります」
ウマスキは、レースを戦った5人のうち2人を選び、門に火を付ける役をサブロー・ハインリッヒより賜る。
「マリー様には、本当に驚かされます。馬の駆ける音を無音にしてしまう魔法とやらがあるなんて」
「ウマスキ隊長が驚いてるのって、そこなの!?まぁ、ワタクシは、栄えある白馬の王女様の一歩を踏み出せるのですから良いのですけど」
「名前もホワイト・プリンセスにする程とはな」
「そう言うあなたの名前もトルー・ナイトでしたっけ」
「トゥルーだ!真の騎士を目指す私に相応しかろう」
「まぁ、ウマスキ隊長よりはマシですわね。トゥルー副隊長殿。それにしても、ウマスキ・ダイスキってなんですの!ナルシストですの?」
「どんな名前でも良いってサブロー様が言ってたし、ウマが大好きなんだもん」
ウマスキ・ダイスキは、セシトーバに乗っていたサブロー様に物怖じせず何度も提案をした女性である。
トゥルー・ナイトは、ソウコウヒデーンに乗るサブロー・ハインリッヒを守る真の騎士となることを願う女性だ。
ホワイト・プリンセスは、パイローンに乗る白馬の王子様ならぬ白馬の王女様を目指す夢見がちな女性である。
この3人で、南門以外の門の側に認識阻害で隠していた燃えやすいものに火を付けて回る。
その煙を見て、サブロー・ハインリッヒは、左右に兵を散らして、炎に混乱して中から飛び出してくる敵を待つ。
その頃、城内では。
「モンテロ様、北門・西門・東門で突如として火の手が上がったであります」
「夜襲に警戒しろと言ったであろう!見張りの兵は何をして」
見張り台の兵を的確に狙い撃つ男は、弓兵隊に自信を付けさせるために、訓練も兼ねていた。
「おい。右に角度がズレてんぞ。修正して、よーく狙って撃て」
「はっはいスナイプ隊長!」
「弓櫓の方は、どうなってる?」
「だっダニエル副隊長、間も無く制圧できるかと」
「遅れを取るな。中の奴らは、混乱してるが外の奴らはそうじゃ無い。我らが外の奴らを減らすことで、味方の被害を減らし、敵の損害を増やせるのだ。制圧次第、弓櫓を奪取。そこから更に援護に移る」
「了解しましたダニエル副隊長!」
「スナイプ様、ここはお任せします。俺は弓櫓の方から南門の部隊の支援に」
「ダニエル、そちらは任せたぞ」
「はっ」
見えない位置から狙い撃たれる南門の城壁の弓兵たちは、パニックに陥っていた。
「敵のスナイパーは化け物か。何処だ何処にいる。燃えていない門はここだけだ。何としてもモンテロ様が逃げるまでの時間稼ぎをするのだ。カハッ」
「たっ隊長ーーーーーー!?!?隊長が射抜かれた。もうおしまいだーーーー」
左右の弓櫓からも城壁に矢が降り注ぐ。
「外の弓櫓が制圧されたのか。ど、どうしたら」
「副隊長、早く指示を。今のここの責任者は。カハッ」
「ひぃぃぃぃぃ。全軍この場から逃げるのだ。逃げるのだ」
城壁の兵が動いたのを見たスナイプ・ハンターは、ポンチョ・ヨコヅナに聞こえるように弓鳴りの矢で、合図を送る。
「ポンチョ隊長、合図です」
「セル、了解でごわす。皆ば、ここは間も無く死地となるでごわす。足がすくむこともあるでごわす。おいどんの背を見て、仲間を信じて戦い抜くでごわす」
「ヨコヅナ隊、戦闘体制に移行!辛い時は師匠の背を見て、付いてきてください。行くぞ」
最初に飛び出してきたのは、城壁にいた弓兵たちである。
しかし、腰の剣以外、メイン武器も持たず裸足で逃げ出したような奴らである。
腰の剣を抜く前に、次々と槍で貫かれる。
「俺だって、俺だって、モンテロ様の正規兵何だぞ。オラァ!剣が剣が抜けねぇ。タンマタンマタンマだって、言ってんだろうガハッ」
「ハァハァハァ。やってやったぞコラァ!何が正規兵だ!俺たちはサブロー様の親衛隊だオラァ!」
戦場において、最初の1人を殺せるかという問題はよく聞く。
それは何故か。
誰だろうと好き好んで、人を殺したい人間なんていないからである。
だが、戦場において躊躇すれば、それは己に突き刺す剣となって返ってくる。
だから最初の1人を殺せるかが大事なのである。
全員がこの課題を達成した。
その上で、誰も死体を漁ったりという浅ましい行為は行わなかった。
それをすれば、サブロー・ハインリッヒに対する世間の見方に影響すると全員が理解していたのである。
しかし、食べ物も本日分しか無く、残りは持ってきたもので、1週間持つかどうかであった。
「こんなことになるとは。短期決戦を想定していたため。この数の兵を養うための兵糧が僅か1週間分しかないとは」
「やはり、籠城は辞めて、あの山城を落とすであります」
「いや、領民もいないことを考えると計画的移動だ。ここは癪だが。やはり、明日を待って、ガロリング卿に援軍を求めるしか無い」
「了解であります」
「全軍夜襲に警戒せよ!」
モンテロ・ハルトが率いた兵は、正規兵1万である。
対するサブロー・ハインリッヒの兵は、各々が祭りの護衛として連れてきていた兵が合わせて2千と新兵1500の合わせて、3500である。
普通に戦えば、1人で2~3人を打ち倒さないといけない。
こう聞くと現実的な数字に見えるかもしれないが戦とは数が多い方が有利なのは、明らかである。
だからサブロー・ハインリッヒは、策を練り、ルイス・ヴェルトハイムの大胆不敵とも思えるショバタ城囮作戦を遂行し、見事モンテロ・ハルトの1万を初戦で葬る好機に恵まれたのである。
「良し。行動を開始する。頼んだぞウマスキ。お前の働きにかかっている」
「はい。必ずやこの御役目を真っ当し、迅速に戻って参ります」
ウマスキは、レースを戦った5人のうち2人を選び、門に火を付ける役をサブロー・ハインリッヒより賜る。
「マリー様には、本当に驚かされます。馬の駆ける音を無音にしてしまう魔法とやらがあるなんて」
「ウマスキ隊長が驚いてるのって、そこなの!?まぁ、ワタクシは、栄えある白馬の王女様の一歩を踏み出せるのですから良いのですけど」
「名前もホワイト・プリンセスにする程とはな」
「そう言うあなたの名前もトルー・ナイトでしたっけ」
「トゥルーだ!真の騎士を目指す私に相応しかろう」
「まぁ、ウマスキ隊長よりはマシですわね。トゥルー副隊長殿。それにしても、ウマスキ・ダイスキってなんですの!ナルシストですの?」
「どんな名前でも良いってサブロー様が言ってたし、ウマが大好きなんだもん」
ウマスキ・ダイスキは、セシトーバに乗っていたサブロー様に物怖じせず何度も提案をした女性である。
トゥルー・ナイトは、ソウコウヒデーンに乗るサブロー・ハインリッヒを守る真の騎士となることを願う女性だ。
ホワイト・プリンセスは、パイローンに乗る白馬の王子様ならぬ白馬の王女様を目指す夢見がちな女性である。
この3人で、南門以外の門の側に認識阻害で隠していた燃えやすいものに火を付けて回る。
その煙を見て、サブロー・ハインリッヒは、左右に兵を散らして、炎に混乱して中から飛び出してくる敵を待つ。
その頃、城内では。
「モンテロ様、北門・西門・東門で突如として火の手が上がったであります」
「夜襲に警戒しろと言ったであろう!見張りの兵は何をして」
見張り台の兵を的確に狙い撃つ男は、弓兵隊に自信を付けさせるために、訓練も兼ねていた。
「おい。右に角度がズレてんぞ。修正して、よーく狙って撃て」
「はっはいスナイプ隊長!」
「弓櫓の方は、どうなってる?」
「だっダニエル副隊長、間も無く制圧できるかと」
「遅れを取るな。中の奴らは、混乱してるが外の奴らはそうじゃ無い。我らが外の奴らを減らすことで、味方の被害を減らし、敵の損害を増やせるのだ。制圧次第、弓櫓を奪取。そこから更に援護に移る」
「了解しましたダニエル副隊長!」
「スナイプ様、ここはお任せします。俺は弓櫓の方から南門の部隊の支援に」
「ダニエル、そちらは任せたぞ」
「はっ」
見えない位置から狙い撃たれる南門の城壁の弓兵たちは、パニックに陥っていた。
「敵のスナイパーは化け物か。何処だ何処にいる。燃えていない門はここだけだ。何としてもモンテロ様が逃げるまでの時間稼ぎをするのだ。カハッ」
「たっ隊長ーーーーーー!?!?隊長が射抜かれた。もうおしまいだーーーー」
左右の弓櫓からも城壁に矢が降り注ぐ。
「外の弓櫓が制圧されたのか。ど、どうしたら」
「副隊長、早く指示を。今のここの責任者は。カハッ」
「ひぃぃぃぃぃ。全軍この場から逃げるのだ。逃げるのだ」
城壁の兵が動いたのを見たスナイプ・ハンターは、ポンチョ・ヨコヅナに聞こえるように弓鳴りの矢で、合図を送る。
「ポンチョ隊長、合図です」
「セル、了解でごわす。皆ば、ここは間も無く死地となるでごわす。足がすくむこともあるでごわす。おいどんの背を見て、仲間を信じて戦い抜くでごわす」
「ヨコヅナ隊、戦闘体制に移行!辛い時は師匠の背を見て、付いてきてください。行くぞ」
最初に飛び出してきたのは、城壁にいた弓兵たちである。
しかし、腰の剣以外、メイン武器も持たず裸足で逃げ出したような奴らである。
腰の剣を抜く前に、次々と槍で貫かれる。
「俺だって、俺だって、モンテロ様の正規兵何だぞ。オラァ!剣が剣が抜けねぇ。タンマタンマタンマだって、言ってんだろうガハッ」
「ハァハァハァ。やってやったぞコラァ!何が正規兵だ!俺たちはサブロー様の親衛隊だオラァ!」
戦場において、最初の1人を殺せるかという問題はよく聞く。
それは何故か。
誰だろうと好き好んで、人を殺したい人間なんていないからである。
だが、戦場において躊躇すれば、それは己に突き刺す剣となって返ってくる。
だから最初の1人を殺せるかが大事なのである。
全員がこの課題を達成した。
その上で、誰も死体を漁ったりという浅ましい行為は行わなかった。
それをすれば、サブロー・ハインリッヒに対する世間の見方に影響すると全員が理解していたのである。
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