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第二部

AIロボ

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向井が休憩室に入ると、

牧野がポテチを食べながら、

テレビを見ていた。

源じいも休憩中で本を読んでいる。

その下をロボット掃除機がゴミを吸い取って、

動き回っていた。

『マキノ コボスナ』

AIには牧野が食い散らかすと、

インプットされているようだ。

『マキノチラカス。シゴトフエル』

「うるさいな」

牧野が足元のロボットに文句を言いながら、

ソファーに寝そべった。

「ボンはおやつをこぼすからな。

私でも口から食べ物は落とさないぞ」

源じいはそういうと、

「そろそろ焼却も終わるかな」と、

笑いながら仕事に戻っていった。

「そういえば、

牧野君は発表会の演目決めたんですか? 

皆さん申し込みされてますよ」

掲示板にエントリーする人は、

死神課までと張り紙がされていた。

催し物が少ないという事で、

今回、

第一回発表会が行われることになり、

冥界ではみんな楽しみにしているようだった。

「冥王が審査員をされるそうです。

見に来てくれた者たちからアンケートを取って、

上位三チームには、

有名店の美味しいもの詰め合わせがもえらますよ」

「えっ? ホント? 」

牧野が振り返った。

「誰がエントリーしてるの? 」

「ティンくんとセイくんはダンスを披露するそうです。

あと早紀ちゃんは一輪車。

佐久間さんは紙切り。

真紀子さんと弥生ちゃんは、

源じいのピアノ演奏で歌うそうです」

「源じいピアノ弾くの? 」

牧野が驚きの声を上げた。

「他にもチビ達はオクトさんと一緒に影絵をするとか……

そうそう虎獅狼と千乃も、

変化の術を見せてくれるそうですよ」

「なに? 妖怪どもも参加するのか? 

だったら俺も何か……何か……」

牧野が腕組みして考え込む。

「何でもいいんですよ。

発表会なんですから、

自分の好きなことで」

「向井は出ないのかよ」

「俺は運営側なので、楽しませてもらいます」

向井は静かに笑った。

「ん~……!! 思いついた。

俺、ヨーヨーにする。

じいちゃん先生が、

ヨーヨーで悪をやっつけるドラマの話をしてて、

俺もずっとヨーヨーやってたんだよね。

おかげで特技の一つになった」

「ヨーヨー凄いですよね。

世界大会を見たことありますけど、

もう何がどうなっているのか分からないくらいに、

くるくる回してました」

「そんな神業トリックなんかできねえよ。

だけど、基本のトリックは得意なんだよ。

ブレイン・ツイスターとか、

シュート・ザ・ムーンくらいは披露できる。

あとヨーヨーで物を倒すのも自信あるんだ~」

牧野はそういうと、

エントリーしに出て行った。
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