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第四部
ゾンビゲーム
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河川エリアに比べると、
小さな会社が多い。
マンションも立ち並ぶ区域という事もあり、
お昼時には多くの人が列を作っていた。
「あら~混んでますな~」
トリアが立ち止まって見ていると、
黒谷が二人の姿に気が付き手を振った。
「向井さん~!! 」
二人は車に近づくと、
「あんた、新しい弁当販売したんだって? 」
トリアが言った。
「そうなんだよ~河伯じいさんの許可貰って、
新作出したのよ」
そういって看板を指さした。
「今、赤姫・閻魔・水神の三点のお弁当で、
うちのお店やってるの。
それ以外はやめた」
「勝負に出たね~」
トリアが腕組みして言った。
「この三つがダントツ売り上げいいんだよね。
値段はこの付近のランチより高いんだけど、
内容はお値段以上だと自負してるからね」
「大体、ディオ&ディオなんて、
最初から神の弁当を売る気で、
始めたんじゃないかって思うよ」
「へへへ。
はじめは違う店名の予定だったんだけどさ。
向井さん達と話してて、
神様と話せる自分て凄くない? って思って。
で、お弁当も神様をモチーフにしたら、
大当たり」
黒谷は腰に手を当て笑った。
「玲子さんも楽しそうですね」
客と楽しそうに話している玲子を見て、
向井も笑顔になった。
「玲子ばぁも皆から、
おばあちゃん、おかあさんなんて言われて、
嬉しそうだから、
ばあちゃん孝行出来てるかなって思ってさ」
「いいじゃん。こんな世の中なんだから、
人生楽しんだもん勝ちよ」
トリアはそういってから、
「そうそう。新作の玉手箱予約しに来た」
と、個数を書いた紙を渡した。
「毎度どうも。冥界の大量注文は、
大変だけど儲かるから嬉しい~」
黒谷は嬉しそうに満面笑顔になった。
「明後日のお昼に間に合いますか? 」
向井が聞くと、
「大丈夫。この個数なら十分」
「じゃあ、調理場の方に取りに行きますね」
「分かった」
「玲子さん、また来ますね」
向井達は玲子に声をかけてから、
冥界に戻った。
――――――――
冥界に戻ると、
休憩室がいつも以上に賑やかで、
その声は廊下にまで響いていた。
「なにやってんだろ? 」
トリアが部屋に入っていくと、
TVゲームで対戦をしているようだ。
空間ディスプレイにランキング表が浮かび上がっている。
「なに? ゾンビゲーム? 好きだね~
下界で悪霊に追い掛け回されて、
冥界でもゾンビと戦ってるの? 」
トリアはあきれ顔でそれだけ言うと、
食堂に歩いて行った。
「安達君がトップなんですか? 」
向井が驚いていると、
「悪霊ハンター牧野も形無しだね」
新田がケラケラ笑った。
「うるせぇ! へっぽこが」
「新田君は………最下位ですか」
「俺、こういうの苦手なんだよね」
新田はハハハと笑う。
「せっかくだから、
向井さんも挑戦してみたら? 」
「そうですよ~
僕もこういうの苦手で」
アートンも向井を振り向いた。
「じゃあ、挑戦してみようかな。
久しぶりだから、うまく使いこなせるかな~」
そういってシャツをまくり上げると、
コントローラーを手に取った。
「おっ、やる気満々じゃん」
ディッセは両手を頭の後ろで組み、
ソファーに寝転がったまま笑った。
画面の前に行くと、
セイが来て合図を出した。
「レディーゴー!! 」
皆が見守る中、
器用にコントローラーを動かしながら、
次々にゾンビを攻略し、
あっという間にファーストステージをクリアした。
「凄い」
安達がきらきらした目で向井を見た。
小さな会社が多い。
マンションも立ち並ぶ区域という事もあり、
お昼時には多くの人が列を作っていた。
「あら~混んでますな~」
トリアが立ち止まって見ていると、
黒谷が二人の姿に気が付き手を振った。
「向井さん~!! 」
二人は車に近づくと、
「あんた、新しい弁当販売したんだって? 」
トリアが言った。
「そうなんだよ~河伯じいさんの許可貰って、
新作出したのよ」
そういって看板を指さした。
「今、赤姫・閻魔・水神の三点のお弁当で、
うちのお店やってるの。
それ以外はやめた」
「勝負に出たね~」
トリアが腕組みして言った。
「この三つがダントツ売り上げいいんだよね。
値段はこの付近のランチより高いんだけど、
内容はお値段以上だと自負してるからね」
「大体、ディオ&ディオなんて、
最初から神の弁当を売る気で、
始めたんじゃないかって思うよ」
「へへへ。
はじめは違う店名の予定だったんだけどさ。
向井さん達と話してて、
神様と話せる自分て凄くない? って思って。
で、お弁当も神様をモチーフにしたら、
大当たり」
黒谷は腰に手を当て笑った。
「玲子さんも楽しそうですね」
客と楽しそうに話している玲子を見て、
向井も笑顔になった。
「玲子ばぁも皆から、
おばあちゃん、おかあさんなんて言われて、
嬉しそうだから、
ばあちゃん孝行出来てるかなって思ってさ」
「いいじゃん。こんな世の中なんだから、
人生楽しんだもん勝ちよ」
トリアはそういってから、
「そうそう。新作の玉手箱予約しに来た」
と、個数を書いた紙を渡した。
「毎度どうも。冥界の大量注文は、
大変だけど儲かるから嬉しい~」
黒谷は嬉しそうに満面笑顔になった。
「明後日のお昼に間に合いますか? 」
向井が聞くと、
「大丈夫。この個数なら十分」
「じゃあ、調理場の方に取りに行きますね」
「分かった」
「玲子さん、また来ますね」
向井達は玲子に声をかけてから、
冥界に戻った。
――――――――
冥界に戻ると、
休憩室がいつも以上に賑やかで、
その声は廊下にまで響いていた。
「なにやってんだろ? 」
トリアが部屋に入っていくと、
TVゲームで対戦をしているようだ。
空間ディスプレイにランキング表が浮かび上がっている。
「なに? ゾンビゲーム? 好きだね~
下界で悪霊に追い掛け回されて、
冥界でもゾンビと戦ってるの? 」
トリアはあきれ顔でそれだけ言うと、
食堂に歩いて行った。
「安達君がトップなんですか? 」
向井が驚いていると、
「悪霊ハンター牧野も形無しだね」
新田がケラケラ笑った。
「うるせぇ! へっぽこが」
「新田君は………最下位ですか」
「俺、こういうの苦手なんだよね」
新田はハハハと笑う。
「せっかくだから、
向井さんも挑戦してみたら? 」
「そうですよ~
僕もこういうの苦手で」
アートンも向井を振り向いた。
「じゃあ、挑戦してみようかな。
久しぶりだから、うまく使いこなせるかな~」
そういってシャツをまくり上げると、
コントローラーを手に取った。
「おっ、やる気満々じゃん」
ディッセは両手を頭の後ろで組み、
ソファーに寝転がったまま笑った。
画面の前に行くと、
セイが来て合図を出した。
「レディーゴー!! 」
皆が見守る中、
器用にコントローラーを動かしながら、
次々にゾンビを攻略し、
あっという間にファーストステージをクリアした。
「凄い」
安達がきらきらした目で向井を見た。
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