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第五部

ゾンビに勝てぬ?ディッセ

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「お前たちは何をやるんだよ」

「私と弥生ちゃんはか弱い女の子を演じるの」

「弥生はともかく、早紀がか弱い? 

うひゃひゃひゃひゃ~」

「うるさい」

早紀が牧野の頭をはたく。

「お二人はお芝居でもされるんですか? 」

「違う違う。

虎獅狼達が戦隊ヒーローやるって言ってたでしょう。

チビ達がヒーローやって虎獅狼達が悪者なの。

で、私たちは悪者にとらわれたお姫様? 」

「お姫様だって~腹痛ぇ~うひゃひゃひゃ~」

牧野が腹を抱えて笑う。

「もう、こんな時じゃなきゃ、

お姫様なんてできないんだからいいんです。

ねえ、早紀ちゃん」

「そうそう」

そんな話をしていると、

チビ達の目が覚めたのか起きだしてきた。

「おトイレ………」

「おっ、やばいやばい」

三鬼は寝ぼけてるとどこでもしちゃうので、

向井は立ち上がると抱きかかえて、

「まだだよ~」

と走って部屋を出て行った。

「向井はガキの扱い上手いよね~」

「………………」

牧野の言葉に早紀と弥生が黙ってみる。

「なんだよ」

「別に」

早紀はそういって立ち上がると、

弥生と一緒に、

呉葉とこんの所へ歩いて行った。

「おねしょしてない? 」

「わらわは三鬼とは違う」

「こんもおトイレ」

「じゃあ、行こう。

呉葉もおトイレしてから、

おやつにしない? 」

弥生が言うと、

「仕方がないの~」

と一緒に部屋を出て行った。

「もう、そんな時間か~

今日のおやつは何だろな~」

「………………どっちがガキなんだか」

ぼそっと言う早紀に、

「なんか言った? 」

「何も」

フッと笑うと牧野を見た。


――――――――


下界の調査から帰ってきたディッセとティンが、

お土産を持って休憩室に入ってきた。

「はい。和栗のたい焼き。

冥王が食べたがってたから買ってきたんだけど、

いないの? 」

「たい焼き? 」

トイレから戻ってきたチビ達と牧野が、

走ってきた。

「冥王は工房だよ。

ほら、今自分の城を作ってんじゃん」

牧野はそういうと袋を受け取り、

チビと騒ぎながらテーブルに歩いて行った。

「じゃあ、俺が声かけてくるわ」

ディッセが部屋を出て行った。

「今日はティン君とディッセさんのコンビですか? 

珍しいですね」

向井は話しかけると立ち上がった。

「ほら、あの人悪霊退治苦手でしょ。

今日は悪霊が増えてるところの調査だったから、

俺がヘルプでつきました」

ティンは笑うと、向井が立つキッチンにやってきた。

「ディッセって見かけは強そうなのにね」

早紀がたい焼きを箱から出すと、

チビ達に渡した。

「霊銃でも外すんですよ。

一応訓練はさせられてるんですけどね」

ティンが笑って、お茶を淹れる向井を手伝った。

「ゾンビゲームも瞬殺だったからな」

牧野がケラケラ笑っている所で、

ディッセと冥王がやってきた。
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