あなたはずっと俺のもの

文野多咲

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ママ?!2

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 買ったのは、花瓶に、私用の食器に、それからスリッパ。すべて社長が選んだ。社長らしく、黒やグレーのものばかり。一個だけピンクの花柄のクッションが混じっているのは、私が手に取っていれば、それもついでに買われてしまったため。
 私の好みだけど、社長が自分で買ったのだから、まあいっか。

 遅めの昼食となった。サーモンとサラダの乗ったトレーを手に、テーブルに着席する。
 社長は、サラダにローストビーフにパンにスープにケーキと、トレーに入りきらないほど乗っている。

「社長はそんなに食べても大丈夫なんですか?」
「むしろ、あなたが少なすぎるよ」
「だって、私、太っていますから」

 社長は目を細めて横目で見てくる。

「太ってないよ。ちょうどいい。胸だって俺の手の大きさにちょうどいいし」

 ちょっと恥ずかしくなるようなこと言わないでください。
 社長はローストビーフを突き出してきた。

「もっとたんぱく質を食べたほうが良い、ほら」

 私はパクッと口に入れた。最後にケーキになると、それも頂くことにする。

「ケーキも一口、いえ、二口、いえ、半分、お願いします」

 図々しい私の口ぶりを、何故か社長は嬉しそうな顔で私にスプーンを向ける。私は遠慮なくパクッとする。

「山田さんの餌付け、楽しいな」

 そこで、私たちを見てくる視線に気づいた。
 そちらに視線を向けると女性の集団の中に見知った顔があった。
 マ、ママ?!
 私は慌てて社長の手元から顔を離した。ママに気づかなかったふりで、さりげなく立ち上がる。
 やばい、見られた?!

「しゃ、社長、私、トイレに行ってきます。トレーの片づけ、私の分もお願いします」

 どうして、こんなところにママが? 
 あ、そういえば、ママもイケアのサーモンが好きだったっけ。
 目立たないようにレストランの出口に向かうが、安心したことにママは私を見失ったようで、ついて来る気配はない。
 しかし、出口で振り返ると、ママが社長に近づくのが見えた。
 マ、ママぁ……!
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