幸せを手離したある男の話し

クロユキ

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エリザベスの過去②

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「屋敷の中は、かわりはなかったか?」
「ええ、充実した毎日を過ごしていましたわ」
「そうか、それを聞いて安心した。君を一人この屋敷に残し心配でならなかった」
「あらっ、嬉しいわ旦那様」
会話を楽しむ二人を見てセルリア夫人は面白くなかった。
「他の奥様方はお元気ですか?」
「ああ、第三夫人が懐妊したんだ」
「まあっ、ヘンリエッター様がお子様を!?おめでとうございます旦那様」
「ああ、ありがとう。君が喜んでくれると嬉しいよ」
「……」
セルリア夫人は驚きながら二人の会話を聞いていた。
(はぁ?何故この女は喜んでいるの?元は正妻と聞いたわ。子供が産めない体だと聞いたから、どんな女かしらと旦那様に付いて来たけれど…夫人達の懐妊に喜ぶなんて有り得ないわ。わたくしなんて、結婚してまだ一度しか相手をしてくださっていないのよ…旦那様がこの屋敷へ帰ると言われて、他の夫人が声を出す前にわたくしが旦那様にお願いして付いて来たけれど…)
「…エリザベス様は、お子様が出来ませんとお聞きしましたが本当ですの?」
「セルリア、エリザベスになんて事を聞くんだ!」
「え…あ、わたくしはただ…お子様が産めないのにわたくしを含めて他の夫人が旦那様の子を……」
アルマーニ伯爵がまさか怒るとは思わなかったセルリア夫人は戸惑っていた。
「怒らないでください旦那様、誰でもお聞きします事ですわ…セルリア様、わたくしは、十八で旦那様と結婚いたしました…子供も恵まれましたが、わたくしが病にかかり子供を失いもう二度と子が出来ないと医師から言われましたの…わたくしが産めない代わりに旦那様が選びました奥様方に子を産んでいただきたいと旦那様にお話しをしたのです」
「今のそなた達が私と結婚しているのはエリザベスの理解があってそなた達がいるんだ」
「…わ…わたくしは…その様な事情がありました事を知らないものでしたから…」
セルリア夫人は、戸惑い聞いてはいけない事を聞いた気がして戸惑った。
「わたくしは、気にしていませんわ。子を産めない代わりに旦那様から自由にこの屋敷で住んでいますから」
「…寂しくはないのですか?」
ピクッとエリザベスはその言葉に反応したが笑みをセルリア夫人に向けていた。
「ふふっ、わたくしに会いに来てくださいます旦那様がいますから寂しくはありませんわ」
「エリザベス…」
『寂しくはありませんか?』
エリザベスは、モランが自分に向けた事を思い出し笑みを見せていた。







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