一年だけの夫婦でも私は幸せでした。

クロユキ

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夫婦の壁

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広い部屋で私はいつも一人だった。
コンコン!
「フローズン様、おはようございます。お目覚めですか?今日は、ブライド様と久しぶりの朝食です」
「あ!そうだったわ」
私のメイド付きジュリエッタが朝の食卓に旦那様と一緒に食べる事を知らせてくれた。
旦那様は騎士の仕事をして屋敷へ帰る日が余り無かった…と言うよりも…旦那様は私を避けている……
「……」
本当は、私は旦那様と結婚をするはずではなかった。
旦那様の結婚相手は……
「…お、おはようございます。ご一緒に食事をしても良いですか?」
「……わざわざ俺に聞かなくていい…」
「……はい、旦那様…」
私は、向かい合わせで旦那様と一緒に食事をする
カチャカチャと静かに料理を切る音だけが食事の部屋に響く
旦那様と結婚をして三ヵ月になるけれど…一緒に出掛けて買い物に行く事も、公園で一緒に歩く事も、屋敷の中の庭園を一緒に散歩をする事も、一緒に夜を過ごす事も…私達は夫婦と名前だけで…それでも私は、旦那様と一緒に結婚が出来ただけでも嬉しかった。
「……任務で二、三日は帰らない…屋敷内で過ごすのは自由にすると良い…分からない事は執事とメイド長に聞くと良い…」
「はい、ありがとうございます」
私達は、夫婦の会話をした事が無かった…今の私達の関係は上司と部下のような感じだった。
「お怪我がありませんように」
「……行って来る」
執事とメイド達の見送りで旦那様は城へと向かった。
「はあ…どうしてあんなに不機嫌なのかしら?以前はこんな事は無かったのに」
「しっ!」
「あっ!」
メイド達の愚痴を聞くのはいつもの事だった。
「す、すみません、フローズン様…」
「…気にしないで、中へ入りましょう」
以前の旦那様は私も知っている…彼はお姉様の婚約者だったのだから……


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