待っていた大好きな彼が婚約者を連れて来た

クロユキ

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大切な彼との約束と別れ

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ジョエルが村を出る話しは直ぐに広まった。
「えっ!?ジョエルが?」
いつものベンチに座っていたエリスに親友のカロンが話しをした。
「うん…村長さんの所にバリーおじさんとジョエルとジョエルのお父さんが来てジョエルが今週村を出る話しがあったの…」
エリスは、真っ青な顔になってジョエルが村を出るのが信じられないでいた。
「…嘘…ジョエルが…」
「エリス…」
エリスは両手を握り締めジョエルが村を出るのを信じなかった。
「あ…エリス…」
カロンがエリスの肩を軽く叩き自分達の側にジョエルが立っているのを知らせた。
「…エリス…」
「……」
エリスは、声が出ず代わりに涙がポロポロと流れ落ちた。
「…ジ…ジョエル…嘘よね…村を出るなんて…」
「……」
「…どうして…私に…」
「…僕も悩んだんだ…おじさんから養子にならないかと言われたんだ…」
「!?…養子…?」
ジョエルは、エリスの隣に座り昨日の話しをエリスとカロンに話した。
「迷ったんだ…エリスとこのまま会えないんじゃないかって…でもバリーおじさんが村に帰りたい時は帰ってエリスやお父さんお母さんトムやアニーに会いに行っても良いと約束してくれたんだ。だから、一生会えないわけではないんだ…僕が養子になればおじさんが仕送りをしてくれると約束してくれたから…少しでも両親やトムとアニーにお金が入ればと思ったんだ…」
「……」
ジョエルの家族思いはエリスも知っていた。
グスッとエリスは泣き出しカロンは二人の側を離れジョエルとエリス二人だけにした。
「…エリス…毎月会いに行くよ…だから、泣かないで…」
「うっ…うっ…わかってる…わかっているけど…」
ジョエルはエリスの手を握り締めた。
「…毎年エリスの誕生日にはプレゼントを贈るよ…そして、18歳になったら三回目の告白をするよ」
「ううっ…待ってる…ジョエルが来るのを待っているから…」
「エリス…大好きだよ…」
ジョエルはエリスを抱き締め会う約束をした。
そして、ジョエルは家族と村の皆に見送られバリーおじさんの養子となった。







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