待っていた大好きな彼が婚約者を連れて来た

クロユキ

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いつもと変わらず

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ジョエルが村を離れエリスはぼんやりとする日が多くなった。
「……」
「……ス…エリス!」
「え!痛っ!?」
エリスは、台所で野菜を切りながらぼんやりとして指を切ってしまった。
「ほらっ、指を出して薬を塗るから」
母親が薬箱から塗り薬を取り出しエリスのキズに塗っていた。
「……」
「ふぅ…エリス、ジョエル君と離れて寂しいのはわかるけどこんなにケガをしたら家の手伝いが頼めないわよ」
「…ごめんなさい…」
エリスの指はキズだらけになっていた。
「ジョエル君とは二度と会えないわけではないでしょう?あなたが嫁ぐまで迎えに来るとジョエル君と約束したんでしょう?」
「お母さん…」
エリスとジョエルが結婚の約束をしていたのをエリスは母親に話していた。
ジョエルの両親も待つようにとエリスに話していた。
「私がくよくよしていたらジョエルが困るよね」
エリスは、いつ村に帰るのかジョエルの帰りを楽しみにしていた。
エリスは、村の学校で勉強を頑張った。ジョエルのお嫁さんになる日を考え…ジョエルと一緒になった時に仕事を覚え支えてやりたいとエリスは勉強を頑張る事にした。
「嘘~っ、信じらんないあのアランがテストで一番だなんて」
「私も驚いた…いつ勉強してるんだろう…」
男友達と遊ぶアランをエリスはじっと見ていた。
「エリスもいつもの元気で良かった」
「えっ」
「ジョエル君が村を出てからぼんやりとした日が続いていたから、私が声をかけてもわからなかったでしょう?」
笑みを見せるカロンに思い出したようにエリスは気まずい顔で謝った。
「…ごめんね、心配かけて…ジョエルが来るのを待つ事にしたの会えないわけでもないから」
「エリス」
ボトボトボト…と、エリスとカロンの前にミミズがウヨウヨと二人の膝の上を動いていた。
「キヤーー!!?」
「イヤーー!!」
「ハハハハハハハハ」
アランと村の男の子達がエリスとカロンが騒いでいるのを見て喜んでいた。
「こらーっ!あんた達~~っ」
「にげろーっ!」
エリスとカロンは一緒にアラン達を追いかけいつもと変わらない時間が過ぎていた。


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