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プレゼント
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「こんにちは、今日も買いに来たよ」
「こんにちは、アルベリック様」
一週間に二、三回アルベリックはセリーヌの花を買いに来ていた。
「今日もお母様に花のプレゼントですか?」
「ああ、君の花が好きなんだ」
笑顔を見せるアルベリックは手に持っていた紙袋をセリーヌに渡した。
「なんですか?」
「僕からのプレゼントだよ。いつも可愛い花束をありがとう」
「えっ!?そ、そんな頂けません…」
セリーヌは慌ててアルベリックに紙袋を返した。
「良いから受け取ってくれ、花束ありがとう」
「あ…」
アルベリックはセリーヌに紙袋を渡し走って行った。
「……良いのかな…貰っても…」
セリーヌは紙袋からウサギの形のクリスタルの置物に驚いた。
クリスタルは平民には手に入れるのは難しい高価な物だった。
「えっ!?な…こ、こんな高価な物を私が貰っても良いの?」
セリーヌは慌ててウサギの置物を紙袋に入れた。
「……良く見たらこの紙袋も高価な紙だよね…貴族のプレゼントってみんなこんな高価な物を贈るの?」
セリーヌは、今日は驚きと思わぬプレゼントに喜んだ。
その頃アルベリックは待たせていた馬車に乗った。
「お帰りなさい」
「これ、君にプレゼントだよ」
「ありがとう、アルベリック」
馬車の中では金髪の女性がアルベリックに微笑んでいた。
「プレゼント、彼女に渡した?」
「ああ、戸惑っていたけど渡したよ」
「そう、良かった」
「でも良かったのか?彼女に渡して…」
「良いの、子供の頃におばあ様から頂いた物だけど処分に困っていたの」
「まあ、平民の彼女に贈るのは勿体無いけどな」
「ふふっ、そんな事言っても良いの?貴方の奥様になる人に」
「ああ…僕は早く君を彼女に紹介したいよ…」
アルベリックは女性にキスをした。
花が売れて家に帰ったセリーヌは母親にクリスタルのウサギの置物を見せた。
「お母さん、アルベリック様から頂いたの…花束を作ってくれるお礼にって…」
「こんな高価な置物を?」
「最初は断ったけれどそのまま渡されて…私が貰ってもいいかな」
「アルベリック様があなたにと渡したのでしょう?」
「うん…」
「あなたの好きなようにしなさい」
「うん」
私は、ウサギの置物を机の上に置き笑顔が止まらなかった…
「こんにちは、アルベリック様」
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「なんですか?」
「僕からのプレゼントだよ。いつも可愛い花束をありがとう」
「えっ!?そ、そんな頂けません…」
セリーヌは慌ててアルベリックに紙袋を返した。
「良いから受け取ってくれ、花束ありがとう」
「あ…」
アルベリックはセリーヌに紙袋を渡し走って行った。
「……良いのかな…貰っても…」
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「お帰りなさい」
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「ありがとう、アルベリック」
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「プレゼント、彼女に渡した?」
「ああ、戸惑っていたけど渡したよ」
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「まあ、平民の彼女に贈るのは勿体無いけどな」
「ふふっ、そんな事言っても良いの?貴方の奥様になる人に」
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「お母さん、アルベリック様から頂いたの…花束を作ってくれるお礼にって…」
「こんな高価な置物を?」
「最初は断ったけれどそのまま渡されて…私が貰ってもいいかな」
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「うん…」
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