旦那様から彼女が身籠る間の妻でいて欲しいと言われたのでそうします。

クロユキ

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祖父と祖母④

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セリーヌと一緒にいたのは年を取った母の姿だった。
「……お母様……」
「……ジェ……ジェニファー……」
セリーヌの母親は、分かっていた…父親と再会をした時母にも会える日が来ると…セリーヌの母親は動けなかった…あの日両親の反対に背を向け屋敷を出た日を…
「……あ…あ…」
セリーヌの母親は涙を流し震えていた…謝りたいたいのに声が出ない…ふわっと懐かしい匂いと守ってくれる暖かい母の体が抱き締めてくれた。
「……ジェニファー…ジェニファー…」
自分を抱き締める母親にセリーヌの母親は痩せ細くなった母の体を抱き締めた。
「お母様…ごめんなさい…お母様…連絡もしないで…心配かけて…ごめんなさい…ごめんなさい…」
「…ジェニファー…貴女に会えただけでそれだけで良いの…あなた達を追い出した私達を許して…ずっと後悔していたの…ごめんなさい……ジェニファー……」
母と娘は二十年ぶりに再会する事が出来た。
「…でも、お母様が一緒に来るなんて思わなかった…」
「お前達の話しをしたんだ…今日男爵の所へ行くのを聞いて一緒に行くと言ってな…」
「当たり前です。孫に傷を負わせたのです」
「あ…」
セリーヌは祖父が自分の事を話したのだと祖母に頭を下げた。
「…ありがとうございます…おば様…」
セリーヌの母親は涙を指で拭い笑顔を見せた。
「二人とも朝食は食べたの?」
「ああ、食べては来たが…もしかして朝の料理も作ったのか?」
「クスッ、料理を作らないと食べること出来ないでしょう」
祖母は二人の話しを聞いて首を傾げていた。
「ジェニファー、貴女食事はどうしているの?誰か作りに来ているの?」
「食事は自分で作っているの」
「え!?自分で?貴女が?!」
祖母は驚いた顔でセリーヌの母親を茫然として見ていた。
「やっぱりお母様も驚くわね…私も直ぐに料理を作る事は出来なかったの…私の夫と夫のお義母さんが料理の作り方に洗濯お掃除花の育て方を教えてくれたの…」
「…貴女の主人に…母親と一緒に暮らしていたの?」
「ええ…夫とは一緒になって二年だけの夫婦だった…短い夫との生活だったけれど幸せだったわ…夫が事故で亡くなって暫くお義母さんと一緒に住んでいたけれどそのお義母さんも夫を追うように一年後に亡くなったの…お義母さんは亡くなるまで私と生まれたばかりのセリーヌを心配してくれていたの…」
「……ジェニファー……私達の元へ帰って来て良かったのよ…」
「…お父様とお母様に会える自信がなかったの…私は、ずっと平民として暮らして行こうと親子二人で生きると決めていたから…でもセリーヌの事で二人に会えるなんて思わなかったの…」
セリーヌの母親は笑顔を両親に向け喜びを感じていた。
両親は、娘が作った朝食に驚きながら喜んで食べ、家族でアルベリックの屋敷へ向かった。





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