旦那様から彼女が身籠る間の妻でいて欲しいと言われたのでそうします。

クロユキ

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離婚成立へ

馬車の中で祖母はアルベリックの話しをした。
「彼の話しはお茶会の席でも話しがあったわ…婚約者がいる男爵令嬢と内密な関係だとか屋敷へ何日も一緒に住んでいたといろんな話しを聞いたわ…その男爵が平民の女性と結婚をすると聞いて皆驚いていたけれど…まさか、孫娘の貴女だったなんて思いもしなかったわ…辛かったでしょう…今日離婚届けにサインをすれば貴女とアルベリック男爵はもう貴女の夫でもなんでもないから…」
「はい…おば様…」
セリーヌはこの道を通るのも今日で最後なんだと…あの日二人の両親を呼んでどうなったのか気にはなっていた。
このまま二人で結婚をするかもしれない…妊娠したと両親達に知らせ一緒になるかもしれない…
セリーヌ達を乗せた馬車はアルベリックの屋敷へと着いた。
「旦那様、旦那様」
執事が慌てたように書斎の部屋へと入った。
「どうした?」
「フェリクス侯爵様がお見えになりました」
「そうか…客室へ通してくれ」
「わかりました…」
執事は書斎の部屋を出るとアルベリックの父親は雑用の仕事を手伝うアルベリックに声をかけた。
「アルベリック、セリーヌ様がお前と離婚の手続きをする為に来たようだ…お前があのロペス家の娘と何もなければこのままセリーヌ様の夫でいる事が出来たものを
「……」
「お前は当主の座も金の卵も手離してしまった…私が生きている間は当主の座は譲らないつもりだ」
「………」
今アルベリックは父親の下で働く事になり当主は父親に戻った。
アルベリックの屋敷に着いたセリーヌ達は執事の案内で客室へと案内された。顔を知っているメイドをセリーヌは見たがそのまま目を合わせる事なく廊下をあるいた。
コンコン
「旦那様、フェリクス侯爵様がお越しになりました」
「通してくれ」
「……」
セリーヌは部屋の中から聞こえる声がアルベリックの声ではないと気が付いた。
「ようこそお越し下さいましたフェリクス侯爵様、先日は息子アルベリックの不始末でご迷惑をおかけいたしました」
「……申し訳ございませんでした…」
セリーヌは、目の前で自分に挨拶をするアルベリックに暗く感じていた。






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