私が死んで後悔した人達へ~捨てられた侯爵夫人の一年間…振り向いてくれるのを待ち続けた~

クロユキ

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崩れていく心④

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「奥様…ご気分はいかがですか?」
メイド長がベッドの上で横になるソフィアに声をかけた。
「…また、迷惑をかけてしまったわね…」
「迷惑とは思っておりません、今は何も考えずにお体をやすませてください」
「……」
ソフィアは部屋の窓を見て朝になっている事に気がついた。
「……旦那様は…」
「…一時間前に屋敷を出られました…仕入れ先へ一週間後にお帰りだとか…」
「…私が倒れた時旦那様は…」
「……」
メイド長は何も言えずにいた…ソフィアはメイド長の顔を見てわかっていた…
(…私が倒れても…旦那様はエミリーと…)
「…エミリーも一緒にでかけたの?」
「はい、ですがエミリー様は旦那様とご一緒に行きませんと言われていました…ご実家の方へお帰りになるそうです」
「…実家には帰っていないわ…」
「え?」
「…あの子は、実家に帰るふりをして何処かで泊まっているわ…」
「そ、それは…どういう事ですか?奥様…」
メイド長は驚いた顔でソフィアにエミリーが何処にいるのか聞いていた。
「エミリーの事はどうでもいいの…何かあったとしても旦那様とエミリーの問題だから…私には関係ない事だわ…」
「奥様…」
「…疲れたわ…休ませて…」
「わかりました…何かありましたらお知らせください…」
「ありがとう」
メイド長が部屋を出るとソフィアは天井を見て涙を流していた。
「……旦那様は…私が倒れても心配ではないのね…私は、貴方にとって都合のいい女だとわかったわ…エミリーが身籠れば…私は貴方の妻では無くなるのね…う…ううっ……ふぅ…」
ソフィアは声を殺して泣き続け、涙を流しながらベッドから起き上がると机に向かい両親に手紙を書いた。
「帰ってもいいですか?」短い手紙を書いたソフィアはもう一通手紙を書き続けた…パルリス家に嫁いでからもうすぐ一年になろうとしたソフィアは夫のアレックに手紙を書いた…
話しを聞いてもらう事ができなかったソフィアはアレックに手紙を残す事にした…
「……私がいなくなって、少しでも私の事を思ってくれていたら…この手紙を読んで一緒に年を取る事ができなかったと後悔してくれたら…私は……」
アレックに書いた手紙を机の引き出しの中に入れたソフィアは、屋敷を出る覚悟と考えてはならない覚悟を心に決めていた…



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