私が死んで後悔した人達へ~捨てられた侯爵夫人の一年間…振り向いてくれるのを待ち続けた~

クロユキ

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幸せな時間

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私は旦那様とエミリーがいない屋敷を充実していた。
「奥様!?何を…お休みでは…」
「今、気分が良いの…旦那様が仕事を溜め込んで私の仕事もそのまま残して酷いのよ」
愚痴を言いながらソフィアは仕事を始めた。
「お、奥様、医師様からお体を休めますようにと言われています」
メイド長が戸惑いソフィアに仕事を休むように話しをしていた。
「…本当に気分が良いの…今だけは私の自由にして欲しい…二人が帰って来たらどうなるのかわからないから…」
「奥様…」
笑顔を見せるソフィアは、屋敷へ初めて来た頃と変わらない笑顔をメイド長に見せていた…
「…わかりました…ですが、無理をしないでください…何か御座いましたらお知らせください…」
「ありがとう」
ソフィアは働いた。メイドの仕事を手伝い…庭の草むしりに花の手入れ、時には厨房に立ち料理人と一緒に料理を作る事もあった…休憩時間ではメイド達と一緒にお茶を楽しんだ。
「奥様、お疲れではありませんか?」
「私達メイドの仕事までもしていただいて…」
「気にしないで、一人でいるといろいろと考えてしまうから…みんなと一緒にいる方が楽しいから」
「奥様…」
「さあ、今夜はパイ料理を作るわよ!」
「久しぶりに奥様のパイ料理を食べる事ができるのね」
久しぶりにソフィアの料理を食べる事に喜びソフィアは執事に声をかけた。
「リチャードさん」
「はい、奥様」
「…あの…医師様に連絡できますか?」
「医師様ですか?また、ご気分でも悪いのでは…」
「いえ、私の体ではなくて…医師様にお礼がしたいと思っているの…」
「お礼ですか?」
「ええ…私が倒れた時まだ夜が明けていない時に屋敷へ来て貰ったから…そのお詫びにパイ料理を食べて貰いたいと…」
ソフィアは戸惑うように話しパイ料理を医師に食べて貰いたいと執事に話しをした。
ソフィアの顔を見て執事は笑顔を見せていた。
「わかりました。アラン様にご連絡いたします」
「ありがとう」
ソフィアは自分から誰かを招待するのは初めての事だった。
医師が、屋敷へ来る返事を聞いたソフィアは厨房に立ちまるで人が変わったように笑顔を見せていた。






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