転生してまで俺の後を追いかけるのは止めろ～父様と僕は兄弟でした～

７８

「ブランシェ侯爵、何故カイト様が湧き水の場所に居るのですか？」
王様の護衛騎士アノルドさんはカイトが何故側に居ないのかユリウスに問いかけていた。
「……カイトと話しを終えた後喉が渇いたと…私はカイトを奥の湧き水の場所に連れて行ったのだ…それでカイトをコップ売り場の女性に預けて……」
ユリウスはカイトをおばさんに預けた後の事が話せないでいた。おばさんがカイトを見てあげるからとコップを２つ貰い水を汲みに行った…その時にルィーズ夫人と会いユリウスは水を汲む事を忘れ無我夢中でルィーズ夫人の元へ駆け寄りおばさんから貰った普通のコップと小さい子供用のコップを投げ捨てルィーズ夫人を抱き締めていた。
「…待って下さいブランシェ侯爵今何を申されたのですか？カイト様を預けた？カイト様は大人の筈では？あの時貴方に話しがあるとカイト様が連れて行かれた時は大人のカイト様でした。
今貴方が話しをしていますカイト様は…まさか……」
アノルドさんは顔が真っ青になり膝を付き座り込んでいるユリウスの顔を見て問いかけていた。
「……今湧き水の場所に居るのは…３歳のカイト何だ……」
「な…！？」
ユリウスは体を震えながら地面に手を着き握り締めていた
ユリウスとアノルドさんの話しを聞いていたルィーズ夫人は「カイト」の名前に見覚えがあった。ユリウスが２人で会う時に良く家族の話しをして末の息子のカイトの話しを良くしていた事を思い出していた。
だが、今の２人の話しでは大人と子供の両方のカイトの名前を出して居るため何を話して居るのか分からないでいたが３歳のカイトが湧き水の場所のコップ売り場のおばさんに預けていると聞き驚いていた。
自分がユリウスを見た時は１人でいた為まさか息子が一緒だとは思わなかった。
「……ユリウス様わたくしとお会いした時はユリウス様は御一人でした…まさか御子様が御一緒とは知りませんでした…どうして言って下さらなかったのですか？」
ルィーズ夫人は未だに座り込んでいるユリウスの体に手をやり問いかけていた。
「……カイトをおばさんに預けた後水を汲もうと行った時に君を見掛けたんだ…その時は必死で君を捕まえる事で夢中になり水を汲む事も忘れ……息子のカイトまでも忘れていた」
「…ユリウス様……」
ルィーズ夫人はユリウスが自分の事に必死になってくれていた事に喜び思わずユリウスの体を抱き締めていた
「……何をしているのですかあなた方は…カイト様を忘れた等と…良く言えたものです……この事は王様に御報告致しますそちらの貴婦人も御一緒に御同行願います」
「お……王様！？」
ルィーズ夫人はアノルドさんの王様と言われ驚き顔が真っ青になり始めていた
「ま…待ってくれ彼女は関係無い全ては私が悪い事で……」
「言い訳は王様の前でお話し下さいブランシェ侯爵…お二方は広場でお待ち下さい、私はカイト様をお迎えに参ります」
アノルドさんはユリウスとルィーズ夫人に話し終えるとカイトを迎えに歩き出した
「待ってくれ、私もカイトを迎えに行く……」
「今頃何を言われて居るのですか？ブランシェ侯爵、貴方はカイト様を見捨てた事に成るのですよ」
「……っ」
アノルドさんはユリウスに話しを終え歩き出した時に前から３組の男性達の姿が見えその内の１人に抱っこをして貰っているカイトの姿を見た。
俺は抱っこをして貰っているアドルフさんと男性２人と一緒に入り口付近で３組の男女に目を向けて話し出していた。
「…なぁ…入り口付近に居るのは王様の護衛騎士じゃないのか？」
「えっ……本当だ、王様の護衛騎士だ……隊長の子供さんが言った事は本当だったんだ……ん？座り込んでいるのは隊長じゃないのか？それに女もいる…隊長ヤバくないか？」
俺はユリウスとルィーズと名のる女性とアノルドさんの姿を見た
ユリウスが座り込んでいる事は隣にいる女との事がアノルドさんに張れたのだと思った。
「……カイトどうする？隊長の側に行くのか？」
「……うん……渡したい物があるからお願いします…」
「……分かった」
俺達３人はユリウス達の所へ向かった。