転生してまで俺の後を追いかけるのは止めろ～父様と僕は兄弟でした～

１０５

「ユリーナ殿ホルン伯爵夫人の事は私に任せてはくれないか？それにブランシェ侯爵をあのままにしておく訳にはゆくまい…一緒に馬車で帰ると良いだろう…死後硬直だが医師が魔法で体の硬直を遅らせた…生きている時と変わらず同じ体の柔らかさが有るはずだ、明日に成れば体は硬直状態に戻るが夜明け前に屋敷に馬車を送るその馬車にブランシェ侯爵を運ぶ事に成るだろう」
「…分かりました王様、ホルン伯爵夫人の処罰は王様にお任せ致します……私達は旦那様と一緒に屋敷に戻ります。
王様ユリウス様の事でご迷惑をお掛け致しました事を御詫び申し上げます…そしてシルビア様には返す言葉が御座いません…」
ユリーナ母さんは王様の前で深々と頭を下げユリウスが世話になった事を告げた。
「私もブランシェ侯爵に世話になったそれにシルビアとの事をブランシェ侯爵に託さなければこんな事には成らなかったものを…私の方こそ済まなかった」
王様はユリーナ母さんに頭を下げユリーナ母さんは王様に顔を上げて下さいと２人の会話の時に俺とリン姉が側まで歩いていた。
「……母様そろそろ屋敷に戻らないと兄様達が学校から帰る頃と屋敷にはジェーン兄様と総隊長さんが待っているよ」
「おおっ、そうであった総隊長の事を忘れておった」
カラカラと笑い笑顔を見せる王様に俺とユリーナ母さんはクスッと笑い俺達はユリウスの方へ体を向けた。
「御待たせしました旦那様…私達の屋敷へ帰りましょう」
ユリーナ母さんはユリウスの頬に手をあて撫でながら帰る事をユリウスに伝えていた。
「父様一緒に帰りましょう！」
リン姉がユリーナ母さんの真似をしてユリウスの頭を撫でていた。
俺もユリウスの側で声を掛けていた
「一緒に帰ろう父様……」
俺は地面に眠るユリウスの体を起こしお姫様抱っこをしてユリウスを抱き上げていた。
俺よりも身長が高いユリウスを抱っこするとは思わなかった。
俺の両腕に魔法を王様が掛けて暮れてユリウスの体重が重くなくまるで子供を抱き抱えているような感じだった
俺の体に寄り添い眠る姿は今にも起き出し「私を抱っこするなんて初めてだね重くは無いかい？」と俺に声を掛けてくれそうなそんな感じを受けながら俺達は王様の馬車に乗り込んだ。
俺がユリウスを抱き上げる姿を地面に座り込み隣には執事が寄り添い涙を流し続けているルィーズ夫人が一目でもユリウスの姿を見る事が出来たのか頭を下げて詫びている様に見えていた。
ユリウスを抱き抱えて馬車に近付くとアドルフさん達が馬車の側で立っていて俺達に礼をし俺とユリーナ母さんもそれに応えるかの様にアドルフさん達に礼を返した。
「隊長を馬車に乗せます手伝いをします。」
俺とアドルフさん達の手伝いで俺の隣にユリウスを長椅子に座らせる事にして俺の肩に寄り添い眠る姿に俺の前で座っているユリーナ母さんは微笑み、リン姉はユリウスが一緒に居る事が嬉しく座っている足をバタバタと動かし喜びを現していた。
俺達を馬車に乗せたアドルフさんが声を掛けてくれた。
「わたくし達は一緒に御供する事は出来ませんがこの場でユリウス隊長に挨拶をする事を御許しをいただけますか！？」
ユリーナ母さんと俺は小さく頷きアドルフさん達は俺の隣で眠るユリウスの姿に敬礼を始めた
「ユリウス隊長に敬礼！」
ザッ！と私服のままの姿のアドルフさん達だったがその姿は騎士服を着ている姿に見え涙を見せるアドルフさん達の姿を見て馬車の扉が締まり少し離れた所に王様が立ち俺達の乗せた馬車を見送る姿が見えユリウスを乗せた馬車はブランシェ家の屋敷に向かった。