どうしてあなたが後悔するのですか?~私はあなたを覚えていませんから~

クロユキ

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冷たくされても…

ジェシカは母親から聞かれビクッと体を動かした。
「彼とは?……デュラン公爵の息子の事か?」
「……」
ジェシカは彼の名前を父親から言われ何も言えなかった。
「彼の事は諦めるようにと何度もお前に話しをしたが…彼には婚約者がいる…私も彼に会った事はある…何度もお前と婚約をと言った事か……」
「…ありがとうお父様…迷惑を掛けてしまって…でも、もう少しだけ私の我が儘を許して欲しいの…」
「ジェシカ…」
ジェシカは、グレス・デュランに恋をしていた。
自分の周りには男子達が笑顔で寄り声を掛けるがグレス・デュランだけは違っていた。
冷ややかな目を向けるグレスにジェシカは恋をした…初恋だった。
自分の方に寄り添う事も声をかける事もしないグレスにジェシカは振り向いてくれるように何度も彼に声を掛けた。
『おはようグレス、今日も素敵ね』
『……』
『授業が終わりましたら一緒に街へ行かない?美味しいスイーツのお店を見つけたの』
『……行くなら、勝手に行ってくれ…』
『もう、どうしてそんなに冷たくするの?』
『どうしてだと?俺には婚約者がいるのを知っているだろう?俺の事より周りに寄って来る男の相手をしてはどうなんだ』
『あらっ、嫉妬かしら?』
『っ…話しにならない…何度も言うが俺があんたに振り向く事はない!』
「……」
ガラガラと馬車に乗ってグレス・デュランを思い出していた。
「……どうして私は彼を好きになったのかしら…きっと周りにいる男子達が原因かしら?いつも私を見ると笑顔を向けて会話をしてくる…下級爵位の彼等にしたら私は獲物みたいな感じかしら…だから、私は同じ公爵の彼に惹かれた…冷たい態度を見せて来ると私に興味が少しはあるかしらと期待してしまう…彼に婚約者がいると聞いた時は帰りの馬車の中で泣いたかしら…本当に彼が好きなんだとその時思ったものね……」
ジェシカは、今日もグレス・デュランに会えるのを楽しみに学園へと向かった。






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