性格が嫌いだと言われ婚約破棄をしました

ぼんやり

ガヤガヤと教室の廊下を歩くと壁に学年別のテストの順位が廊下に貼り出されていた。
キャロルとランは教室に入る前にテストの順位を見ていた。
「あ！キャロルあったよ、学年で十位でクラスで八位だよ。どんな勉強をしてるの？」
「えっ、テストの時だけ勉強をしているだけだから皆と同じと思うけれど…でもクラスでは落ちたかな…」
「えっ、クラスで八位でも私には大喜びなんだけど」
キャロルは、エリックがテストがある度に「勉強はするな」「何故お前だけ成績が良いんだ？」「俺の事を馬鹿にしているだろう」エリックがいつもキャロルに言っていた言葉をテストがあるときに必ず話しをしていた…それがキャロルはイヤだった。
「ランのはあったの？」
「私の名前が書いてあると思う？それより見てよ上位」
「えっ」
「学年もクラスも一位だよクリス君…どんな勉強してるの」
「うん…凄いよね……」
キャロルはクリスの名前をじっと見ていた…クリスは、キャロルの目標の一人だった。
「……一位になった時は、どんな気分だろう…」
「両親から好きな物が貰える順位だよ」
キャロルとランは教室の中へ入りボーと外を見ているクリスがいた。
「…彼、テストが終わるといつもぼんやりしているよね…そう言えばキャロルもテストが終わるとクリス君みたいにぼんやりしているよね、だからテストの順位が上になるとか？」
「え…それは違うと思うけれど…ただボーとしたいだけ」
「えっ、それだけ？」
「うん、それだけ」
キャロルとランはクスクスと笑いクリスの側に女子が二人声をかけていた。
「クリス君、おめでとう！学年もクラスも一位だなんてどんな勉強をしているの？」
「……」
「あ…放課後、お祝いをしたいと思っているけど…クリス君？」
「……」
「クリス君、ねえ、聞いてる？」
「あ……何？」
「はぁ…なんでもない、行こう」
「そうね」
クリスに声を掛けていたが返事もしないクリスに怒って女子の二人は離れていった。その様子をキャロルとランは見ていた。