恋をする事を許して欲しい…婚約者のあなたは私にお願いをした

クロユキ

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父と息子

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屋敷へ帰った僕の変わり果てた姿を見た執事やメイド長にメイド達は驚いた顔をして僕の顔を見ていた。
隠す事が出来ない僕は後からメイド達の噂話になるだろう…
「あ、あの…旦那様…フランシス坊っちゃまのお顔は…」
「私が殴った」
「え!?」
!?
お父さんは、隠す事をしないで僕の顔を殴ったと使用人皆に知らせた。
「メイド長、息子の傷の手当てを頼む…終わったら書斎部屋へ連れて来て欲しい」
「わ、わかりました…フランシス様、先にお着替えを用意致します…」
「……」
僕はこのあともお父さんの叱りを受けるのだと階段を上がり部屋へ入った。
皺になって汚れた制服を脱いだ…自分の体を見ると赤くなった跡が胸に付いているのがわかった…僕は十五歳の彼女にこんな事をして貰い喜んでいたのが今では恥ずかしく思い震えた。
『不潔』
フローラが険しい顔を僕に見せて涙を流す姿に死ぬ程苦しかった…見られてしまった…大切な人を失望させてしまった。
フランシスはフローラに何を言えばいいのか…顔の傷より心が苦しかった。
服に着替えた僕はメイド長と一人のメイドが部屋に入り僕の顔の傷に薬を塗っていた。
「っ…」
「滲みると思いますが、我慢してください…」
メイド長は何故こんな事にと声に出さなくてもメイド長の顔を見てわかった。
「口の中までは…明日医師様に見てもらってください」
「…わかった…」
メイドが持って来た器の水とタオルには血で染まったのを見てお父さんの怒りがどんなに凄いのかわかった。
手当てを終えた僕は書斎の部屋に行くのが怖かった。
部屋に入ると椅子に座って待っていたお父さんの姿に歩く足が止まってしまった。
「今夜はお前と二人で話しをする…」
「……」
僕の長い夜が始まった。



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