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王様と妃達③

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王妃様の元を離れた王様の足は重く、部屋の中に入る事も出来ずに王妃様と別れた王様はジャンヌ妃の元へと歩いていた。
王様は王妃様との関係がこのまま行けば最悪の事態になる事は避けなくてはいけない為、王妃様との仲を早く寄りを戻したいと思うのだが月日が長引くと中々上手くいかずズルズルと長引いてしまっていた。
「……はあ、王妃から追い出されるとは思いもしなかったな…」
色々と考えている内にジャンヌ妃の部屋に辿り着いた王様は、ジャンヌ妃の護衛騎士も王様の突然の訪問に驚き、また王様はジャンヌ妃に繋ぐ事をもう少し待っ事にまた部屋の前で落ち着きが無い感じでウロウロ動き始め王様の様子を見ていたジャンヌ妃の護衛騎士二人は何故かコソコソと話し出し、困り顔を見せながら一人の騎士が王様に声を掛けていた。
「…王様、ジャンヌ様に御用で御座いますか?」
「えっ、ああっ……久しぶりにジャンヌ妃に会いたいと思ってな部屋まで来たのだが…久しぶりに来たもので緊張してしまった。ジャンヌ妃はまだ起きているのか?」
「就寝では御座いませんが……ジャンヌ様が王様に御会いに成ります事は難しいかと……」
「何故だ?久しぶりだが今夜はジャンヌ妃と一緒に過ごしたいと思ったのだ。私が部屋に訪ねて嬉しくない訳が無いだろう?ジャンヌ妃を呼んでくれ」
王様はジャンヌ妃の護衛騎士にムッときたが気持ちを落ち着かせ今はジャンヌ妃と一夜を過ごせたらと思い、護衛騎士が扉を叩く前に部屋の中からカチャと扉が開き王様がジャンヌ妃に声を掛けようとした。
「騒がしがどうしたんだ?」
「!?」
扉を開き部屋の中から姿を見せたのは王様よりも身長が高い男性が上半身裸で王様の前に立っていた。
「なっ、なっ、何故お前がジャンヌ妃の部屋に居るのだ?カイザック!?」
部屋の扉を半分開けた状態で扉を手に持ち上半身裸の姿で現れた息子に王様は驚き「何故服を着て居ない」とそれが気になり頭の中が真っ白に成っていた。
「何だ、父上来ていたのか?母上に何か用なのか?」
「……用があるから来たのだ…何故お前は服も着ずに母親であるジャンヌ妃の部屋に居るのだ?」
王様は息子であるカイザック王子を睨み色々な妄想が頭の中をグルグルと回って居るようで心臓の鼓動が速くなり変な汗が出ていた。
「何を騒いで居るのですか?カイ」
奥の部屋から声が聞こえその声はジャンヌ妃の声だった。
王様はジャンヌ妃が奥の部屋の中に居る事を知ると「奥にはベッドがあるはずだ…まさか……」王様は顔から流れる汗を手で拭き取り、扉の前に立ち母親の声が聞こえた為部屋の中を見るカイザック王子をただジーッと見ていた時だったカイザック王子の横から顔を出し「誰か居るの?」と言った後廊下を見たジャンヌ妃は
ジーと睨むように見ている王様を見て驚いていた。
「王様?何故わたくしの部屋の前に王様が居るのですか?」
ジャンヌ妃は扉を全開のように開きその姿にも王様は驚き声が出ずにいた。
黒い寝服姿がドレスのように足元が見えない程の長さにヒラヒラとしたレースに胸の谷間が見えるような豊満な姿…黙って立っているだけでも大人の魅力を感じさせるジャンヌ妃に王様は声も出ず大きな息子が居るとは思えない程今のジャンヌ妃の姿は魅力の女性を感じさせていた。
「……」
「王様?聞こえませんでしたの?」
王様はジャンヌ妃の元へ駆け寄りジャンヌ妃の腕を掴み上げた。
「!?王様?」
「父上?」
「な……!?」
王様の近衛騎士は勿論、ジャンヌ妃の護衛騎士達も王様の行動に驚き一番に驚いたのはジャンヌ妃だった。
「お、王様?痛いですわ放して下さいませ」
王様はジャンヌ妃の片腕をギュッと握り締め、ジャンヌ妃の顔を掴み上げ睨むような目付きでジャンヌ妃を王様は見ていた。
「カイザックと何をしていた、答えろジャンヌ!」
「……何を言われて居ますの?王様……そのように取り乱しわたくしに男性が居ましたら気になりますの?」
「……当たり前だ私はお前の夫だ!妻のお前に男が居れば慌てるだろう、私の問いに答えろカイザックと何をしていた!?」
「……」
カイザック王子は父と母を見て誤解を解くため先に話し出していた。
「あ~っ、取り込み中ごめん、母上にマッサージの練習相手をして貰っていたんだ父上!」
カイザック王子は頭をガシガシとかきながら父親である王様に説明をしていた。
「……は?マッサージ!?」
「ああっ、ウィルが今身体のマッサージを始めただろう、シェル兄達がウィルのマッサージの手伝いをしているから、俺も一緒にマッサージの手伝いが出来たらと思ったんだ。
ウィルの身体は細くて俺がもしマッサージの手伝いをしたら骨を折ってしまいそうで……力加減が分からなくて母上に相談したらマッサージの練習台に成ってあげると言ってくれて、それで俺は今まで母上にマッサージをしていた所だったんだ。
上半身裸は汗だくで俺が服を脱いだんだ、これで納得したか?父上」
「……」
王様はカイザック王子の話しを聞き顔が真っ青になり冷や汗をかき、今までジャンヌ妃の顔を掴んでいた手をそっと放しそして掴み上げた腕をそのまま降ろし今まで睨み付けていた目がキョロキョロと辺りを見渡し苦笑いの顔をジャンヌ妃に見せていた。
「……ジャンヌ妃…その、済まなかった……カイが上半身裸でいたもので、つい、その…取り乱してしまった。
今のそなたの姿を見ていると、私以外の男が居るのではと心配だったのだ……」
王様はジャンヌ妃の顔に手を当て唇を重ねた時「パシッ!」とジャンヌ妃が王様の頬を叩き護衛騎士達は驚き側にいたカイザック王子もビクッ!と母親に驚き一番驚いたのは王様だった。
「……っ?!」
王様の右頬を叩きキッ!と睨み王様に怒りをぶつけた。
「唇を重ねて謝れば良いと思って居るの?王だから何でも許せると思い?突然部屋の前で勘違いして息子のカイに疑いを掛け、わたくしにも疑いを掛ける何て酷いですわ王様!」
「……済まないジャンヌ妃私が悪かった機嫌を直してくれ…」
王様は慌ててジャンヌ妃の肩に触れようとしたが振り払われジャンヌ妃は王様に言った。
「この事は王妃様にご報告致しますわ」
「な!?ジャンヌ妃何もそこまで……」
「今夜はお帰りくださいませ王様、カイ部屋の扉を閉めて王様がお帰りよ」
「ち、ちょっと待ってくれジャンヌ」
「……父上今の母上に何を言っても無理だ。このまま戻った方が良いと思う、近衛騎士父上を頼む」
「はっ!カイザック団長」
パタン!と部屋の扉を閉め出された王様はぼ~っと立ち続け近衛騎士は王様の落ち込む姿を見て今日の王様の運勢は厄日では無いのか?とボソッと呟き次はどうするんだ?と王様が動くのを待ち続けた。









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