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愛した人の裏切り
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「彼女の替わりに嫁いで欲しいんだ…」
「え…?」
向かいのソファーに申し訳ない顔で頼み事をする婚約者のフランシス…と、彼の隣には顔を俯く二十歳前半の女性が座っていた。
「……な…何を言われているのか分かりません…それに…その人は誰ですか?何故…兄様の隣に座っているのですか?兄様の隣に座るのは私ではありませんか?!」
「ぁ…」
顔を青くした女性はフォスティヌの顔を見る事が出来なかった
そんな彼女の姿を見たフランシスは、膝の上に乗せて震えている女性の手をそっと重ね優しい笑顔を見せていた。
「フォスティヌは優しい子だから、私達の事を許してくれるよ」
「…フラン…わたくし…」
(…?えっ?何?兄様…私達の事って何?どうしてその人にそんな優しい笑顔を見せているの?…私には一度も見せてくれなかったのに……それに…兄様を…『フラン』…って…まるで二人が恋人みたいに……)
ギュッ…と、膝の上に置いていた両手がドレスを握りしめていた
「……私は…兄様の…婚約者では無いのですか…?」
震える体で二人を見ていたフォスティヌは、震える声でフランシスに尋ねていた。
今にも泣きそうなフォスティヌを見たフランシスは、重ねていた女性の手を離し真っ直ぐな目をフォスティヌに向けていた。
「…彼女の名前は、シャロン・ルーベンス…伯爵家の一人娘で私と同期なんだ……それに…私と彼女は…」
話しの途中口を閉ざしたフランシスはフォスティヌの不安な顔を見てグッと唇を噛み締め、重い口を開き打ち明けた…
「…彼女は…私の…恋人なんだ…」
「……」
呆然とした顔を見せるフォスティヌは苦笑いでフランシスに声をかけた。
「……ふふっ、兄様でも冗談が好きなんですね…」
「…フォスティヌ…私は、本当の事を話しているんだ…彼女と私は……」
「あ!私、兄様にクッキーを焼いて持って来ていたの!!」
ゴソゴソと隣に置いていた編みかごからリボンが付いている袋をテーブルに置き、結んでいたリボンをほどくと色んな形をしたクッキーが姿を見ていた。
「形は悪いけどちゃんと味見をしましたので大丈夫です!初めてクッキーを焼いて兄様が美味しいと喜んでくれたから…」
「……フォ…」
手作りクッキーを一枚手に持ち笑顔を見せるフォスティヌにフランシスは何も言えずにいた。
フォスティヌの姿を見ていたシャロン令嬢はフランシスの事を兄ではなく一人の異性と見ているのだと気付き、座っていたソファーからゆっくりと立ち上がった。
「シャロン?」
「…フラン…わたくし…ブラッド君の元へ行きます…」
「な!」
ガタッと立ち上がったフランシスはシャロン令嬢を抱きしめた
「ぇ……兄…」
フォスティヌは抱きしめる二人の姿を見て体を動かす事が出来なかった。
(私は悪い夢を見ているの?二人は何をしているの…)
「フ、フラン!?離して…貴方の婚約者が見て…」
「婚約者は君だよ。シャロン」
「フラン…」
フランシスから婚約者は自分だと言われ涙を流すシャロン令嬢にフランシスは彼女の唇にキスをした…
「…っ」
「愛しているよ。シャロン」
「わ…わたくしもよ…フラン」
キスを交わしたフランシスとシャロンに笑顔が見え、そしてフランシスはフォスティヌの方へ顔を向けた時だった。
バシッ!
「っ!?」
「きゃっ!?」
バラバラ…と床に落ちるクッキーがフランシスとシャロン令嬢に当たり、フランシスはフォスティヌを見た時ドクン…と心臓が締め付けるような痛みを感じ、フォスティヌの涙を流し怒る姿があった。
「フォスティヌ…」
「…ぅ…」
タタタ…バタン!
フォスティヌは部屋を出て行った…フランシスとシャロンの周りには無惨なクッキーだけが床に広がり落ちていた。
「え…?」
向かいのソファーに申し訳ない顔で頼み事をする婚約者のフランシス…と、彼の隣には顔を俯く二十歳前半の女性が座っていた。
「……な…何を言われているのか分かりません…それに…その人は誰ですか?何故…兄様の隣に座っているのですか?兄様の隣に座るのは私ではありませんか?!」
「ぁ…」
顔を青くした女性はフォスティヌの顔を見る事が出来なかった
そんな彼女の姿を見たフランシスは、膝の上に乗せて震えている女性の手をそっと重ね優しい笑顔を見せていた。
「フォスティヌは優しい子だから、私達の事を許してくれるよ」
「…フラン…わたくし…」
(…?えっ?何?兄様…私達の事って何?どうしてその人にそんな優しい笑顔を見せているの?…私には一度も見せてくれなかったのに……それに…兄様を…『フラン』…って…まるで二人が恋人みたいに……)
ギュッ…と、膝の上に置いていた両手がドレスを握りしめていた
「……私は…兄様の…婚約者では無いのですか…?」
震える体で二人を見ていたフォスティヌは、震える声でフランシスに尋ねていた。
今にも泣きそうなフォスティヌを見たフランシスは、重ねていた女性の手を離し真っ直ぐな目をフォスティヌに向けていた。
「…彼女の名前は、シャロン・ルーベンス…伯爵家の一人娘で私と同期なんだ……それに…私と彼女は…」
話しの途中口を閉ざしたフランシスはフォスティヌの不安な顔を見てグッと唇を噛み締め、重い口を開き打ち明けた…
「…彼女は…私の…恋人なんだ…」
「……」
呆然とした顔を見せるフォスティヌは苦笑いでフランシスに声をかけた。
「……ふふっ、兄様でも冗談が好きなんですね…」
「…フォスティヌ…私は、本当の事を話しているんだ…彼女と私は……」
「あ!私、兄様にクッキーを焼いて持って来ていたの!!」
ゴソゴソと隣に置いていた編みかごからリボンが付いている袋をテーブルに置き、結んでいたリボンをほどくと色んな形をしたクッキーが姿を見ていた。
「形は悪いけどちゃんと味見をしましたので大丈夫です!初めてクッキーを焼いて兄様が美味しいと喜んでくれたから…」
「……フォ…」
手作りクッキーを一枚手に持ち笑顔を見せるフォスティヌにフランシスは何も言えずにいた。
フォスティヌの姿を見ていたシャロン令嬢はフランシスの事を兄ではなく一人の異性と見ているのだと気付き、座っていたソファーからゆっくりと立ち上がった。
「シャロン?」
「…フラン…わたくし…ブラッド君の元へ行きます…」
「な!」
ガタッと立ち上がったフランシスはシャロン令嬢を抱きしめた
「ぇ……兄…」
フォスティヌは抱きしめる二人の姿を見て体を動かす事が出来なかった。
(私は悪い夢を見ているの?二人は何をしているの…)
「フ、フラン!?離して…貴方の婚約者が見て…」
「婚約者は君だよ。シャロン」
「フラン…」
フランシスから婚約者は自分だと言われ涙を流すシャロン令嬢にフランシスは彼女の唇にキスをした…
「…っ」
「愛しているよ。シャロン」
「わ…わたくしもよ…フラン」
キスを交わしたフランシスとシャロンに笑顔が見え、そしてフランシスはフォスティヌの方へ顔を向けた時だった。
バシッ!
「っ!?」
「きゃっ!?」
バラバラ…と床に落ちるクッキーがフランシスとシャロン令嬢に当たり、フランシスはフォスティヌを見た時ドクン…と心臓が締め付けるような痛みを感じ、フォスティヌの涙を流し怒る姿があった。
「フォスティヌ…」
「…ぅ…」
タタタ…バタン!
フォスティヌは部屋を出て行った…フランシスとシャロンの周りには無惨なクッキーだけが床に広がり落ちていた。
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