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初恋

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フォスティヌが初めてフランシスと出会ったのは、春の暖かな日にフランシスは十歳、フォスティヌは七歳の時だった。
「フォスティヌ、紹介しょうフランシス君だ。父様の親友の息子だよ。フォスティヌの三歳上のお兄さんになるかな」
「…お兄ちゃん?」
首をかしげるフォスティヌは目の前に立っている男の子をじっと見ていた。
キョトンとした目を向けているフォスティヌにフランシスはクスッと笑顔を見せ声をかけていた。
「こんにちは」
「こんにちは…」
金色の髪の毛に金色の目をしているフランシスにフォスティヌは
「妖精さんですか?」と笑顔でフランシスに声をかけ「え…」と
困った顔をするフランシスに大人二人は声を出して笑っていた。
親同士同じ学園、同じ子爵でもあり親友でもあった。
両親達は『子供達を会わせてはどうだろうか?』とフォスティヌの父親はフォスティヌを連れフランシスの屋敷へ招待された。
両家とも子供は一人息子に一人娘の為、兄と妹のようにフランシスとフォスティヌは本当の兄妹みたいに育ち、いつの日かフォスティヌはフランシスを兄と慕うのではなく、一人の男性として想い続けていた。
フォスティヌとフランシスは学園でも毎日のように会っていた。
「お前達って付き合っているのか?」
「「えっ?!」」
学園のベンチで昼食を食べるフォスティヌとフランシスにフランシスと同じクラスの男子が声をかけていた。
「ははは、嬢ちゃん顔が真っ赤だぜ」
「!!もうっ、マックさんが変な事を言うから…」
頬を赤く染めたフォスティヌはちらっと隣に座るフランシスを見ていた。
「何故そんな話しになるんだ?」
「毎日一緒にいるとそう思うだろう?」
「…僕達はそんな関係じゃないよ」
(え…)
「なんだ違うのか?」
「違うよ、フォスティヌが驚いているだろう」
「嬢ちゃん、ごめんな」
「…えっ、あ…いぇ…」
「フォスティヌ、マックが言った事は気にしなくていいから」
「……私は…」
「ん?」
「ううん、なんでもない…先に教室へ戻らないと…」
「ああっ、わかった」
フォスティヌはフランシスの中では、まだ『妹』なんだと思い…フランシスの婚約者が決まるまでには自分の気持ちを打ち明けるつもりでいた。

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