婚約者の彼から彼女の替わりに嫁いでくれと言われた

クロユキ

文字の大きさ
88 / 174

フォスティヌのお客様④

しおりを挟む
ブラッドは客室へ通され両親は自分達も一緒にいていいのかソワソワしていた。
「迷惑でなければ…私達も一緒にいてもいいかな?」
フォスティヌの父親は自分より少し高いブラッドを見上げ声をかけていた。
「はい、大丈夫です」
「そうか!もし、邪魔だったら言ってくれ」
「夕食は?まだでしたら、用意しますよ?」
「ありがとうございます…食べてきました」
「ブラッド君は、ワインは呑むかな?」
「いえ、自分はまだ未成年ですので」
「真面目だな…私は未成年の時は、親に隠れて呑んでいたものだが」
「お父さんと一緒にしないでください」
「何?!ケヴィンも一緒に呑んだぞ」
「はい、はい、ブラッド君、紅茶は好きかしら?お菓子はどうかしら?」
「紅茶は好きです特にミルクを入れて飲むのが好きです。」
「意外だな…」
「よく言われます」
「フォスティヌも紅茶にミルクを入れて飲んでいるのよ」
「そうなのか?」
ブラッドは何も話さないフォスティヌを見下ろし、「ミルクは美味しいよな」と声に出し笑顔を見せていた。
「……変です…」
「変?」
「ん?」
「どうしたの?」
「今日のお父様とお母様は変です。何故、みんな立ち話をしているの??」
「あ…」
「ははは、確かに…」
「まぁ…ふふふ」
客室は笑い声が響きみんなソファーに座った。
「いやぁ、すまなかったブラッド君。立ち話で申し訳ない」
「いえ」
「会話が弾んでしまったわ」
両親は申し訳ないと言ってブラッドに謝っていた。
部屋の中にメイド達が、紅茶と籠に入ったお菓子をテーブルの上に置き部屋を出た。
「ちょっと、ちょっと!」
客室の部屋を出たメイド三人が小声で話し始めていた。
「誰?お嬢様の隣に座っている人は?」
「もしかして…お嬢様の新しい彼氏?!」
「まさか~っ、お嬢様にはフランシス様がいるでしょ?」
「そうよ…今日なんて、フランシス様の呼び出しで喜んで屋敷へ向かわれたでしょ」
「…じゃあ、誰?」
「さあ…」
「誰かしら?」
メイド三人はフォスティヌとフランシスが婚約破棄をした事を知らずにいた。
会話が落ち着き、フォスティヌはブラッドに話の続きを聞きたいと隣に座るブラッドに話しかけた。
「……あの…先輩、兄様の彼女の話を聞きたいのですが…」
「!?何、フランシスの彼女だと?」
父親の顔が笑顔から険しい顔へと変わりフォスティヌの方へ顔を向けた。
「何を言い出すの?ブラッド君に…フランシスの彼女の話をするなんて……」
「フランシスの名を聞くだけでも嫌だが…あいつの息子でもある…」
目を閉じてため息を父親は吐いていた。
「……何故、その話をブラッド君にするんだ?」
父親はフォスティヌの顔を見て問いかけ、フォスティヌは膝の上に置いていた両手を握りしめ声に出した。
「……兄様が…私と婚約破棄をした後に…彼女の替わりに嫁いで欲しいと兄様から言われたの……」
「…は?何を言っているのか…分かるように話しなさい」
「はぁ…」フランシスの名前を出しただけで自分の目の前でシャロンと一緒に婚約破棄を告げたフランシスにフォスティヌは胸が苦しくなり、隣で見ていたブラッドはフォスティヌに声をかけた。
「……大丈夫か?」
「え…」
「俺が変わりに話してもいいか?」
「!?でも…」
「一応俺にも関係あるからな」
「…ブラッド君…何か知っているのか?」
「はい…実は……」
ブラッドは、フォスティヌの両親にシャロンの両親の話に自分も関わってしまった事、フランシスとシャロン、そしてフォスティヌの婚約破棄など、フランシスから聞いた話を両親に話し、ブラッドの話を聞いたフォスティヌの両親は呆れた顔をしてフランシスの名前を何度も出していた。









しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私を家から追い出した妹達は、これから後悔するようです

天宮有
恋愛
 伯爵令嬢の私サフィラよりも、妹エイダの方が優秀だった。  それは全て私の力によるものだけど、そのことを知っているのにエイダは姉に迷惑していると言い広めていく。  婚約者のヴァン王子はエイダの発言を信じて、私は婚約破棄を言い渡されてしまう。  その後、エイダは私の力が必要ないと思い込んでいるようで、私を家から追い出す。  これから元家族やヴァンは後悔するけど、私には関係ありません。

居場所を失った令嬢と結婚することになった男の葛藤

しゃーりん
恋愛
侯爵令嬢ロレーヌは悪女扱いされて婚約破棄された。 父親は怒り、修道院に入れようとする。 そんな彼女を助けてほしいと妻を亡くした28歳の子爵ドリューに声がかかった。 学園も退学させられた、まだ16歳の令嬢との結婚。 ロレーヌとの初夜を少し先に見送ったせいで彼女に触れたくなるドリューのお話です。

全てを捨てて、わたしらしく生きていきます。

彩華(あやはな)
恋愛
3年前にリゼッタお姉様が風邪で死んだ後、お姉様の婚約者であるバルト様と結婚したわたし、サリーナ。バルト様はお姉様の事を愛していたため、わたしに愛情を向けることはなかった。じっと耐えた3年間。でも、人との出会いはわたしを変えていく。自由になるために全てを捨てる覚悟を決め、わたしはわたしらしく生きる事を決意する。

「優秀な妹の相手は疲れるので平凡な姉で妥協したい」なんて言われて、受け入れると思っているんですか?

木山楽斗
恋愛
子爵令嬢であるラルーナは、平凡な令嬢であった。 ただ彼女には一つだけ普通ではない点がある。それは優秀な妹の存在だ。 魔法学園においても入学以来首位を独占している妹は、多くの貴族令息から注目されており、学園内で何度も求婚されていた。 そんな妹が求婚を受け入れたという噂を聞いて、ラルーナは驚いた。 ずっと求婚され続けても断っていた妹を射止めたのか誰なのか、彼女は気になった。そこでラルーナは、自分にも無関係ではないため、その婚約者の元を訪ねてみることにした。 妹の婚約者だと噂される人物と顔を合わせたラルーナは、ひどく不快な気持ちになった。 侯爵家の令息であるその男は、嫌味な人であったからだ。そんな人を婚約者に選ぶなんて信じられない。ラルーナはそう思っていた。 しかし彼女は、すぐに知ることとなった。自分の周りで、不可解なことが起きているということを。

【完結】もう誰にも恋なんてしないと誓った

Mimi
恋愛
 声を出すこともなく、ふたりを見つめていた。  わたしにとって、恋人と親友だったふたりだ。    今日まで身近だったふたりは。  今日から一番遠いふたりになった。    *****  伯爵家の後継者シンシアは、友人アイリスから交際相手としてお薦めだと、幼馴染みの侯爵令息キャメロンを紹介された。  徐々に親しくなっていくシンシアとキャメロンに婚約の話がまとまり掛ける。  シンシアの誕生日の婚約披露パーティーが近付いた夏休み前のある日、シンシアは急ぐキャメロンを見掛けて彼の後を追い、そして見てしまった。  お互いにただの幼馴染みだと口にしていた恋人と親友の口づけを……  * 無自覚の上から目線  * 幼馴染みという特別感  * 失くしてからの後悔   幼馴染みカップルの当て馬にされてしまった伯爵令嬢、してしまった親友視点のお話です。 中盤は略奪した親友側の視点が続きますが、当て馬令嬢がヒロインです。 本編完結後に、力量不足故の幕間を書き加えており、最終話と重複しています。 ご了承下さいませ。 他サイトにも公開中です

目覚めたら公爵夫人でしたが夫に冷遇されているようです

MIRICO
恋愛
フィオナは没落寸前のブルイエ家の長女。体調が悪く早めに眠ったら、目が覚めた時、夫のいる公爵夫人セレスティーヌになっていた。 しかし、夫のクラウディオは、妻に冷たく視線を合わせようともしない。 フィオナはセレスティーヌの体を乗っ取ったことをクラウディオに気付かれまいと会う回数を減らし、セレスティーヌの体に入ってしまった原因を探そうとするが、原因が分からぬままセレスティーヌの姉の子がやってきて世話をすることに。 クラウディオはいつもと違う様子のセレスティーヌが気になり始めて……。 ざまあ系ではありません。恋愛中心でもないです。事件中心軽く恋愛くらいです。 番外編は暗い話がありますので、苦手な方はお気を付けください。 ご感想ありがとうございます!! 誤字脱字等もお知らせくださりありがとうございます。順次修正させていただきます。 小説家になろう様に掲載済みです。

お姉さまに婚約者を奪われたけど、私は辺境伯と結ばれた~無知なお姉さまは辺境伯の地位の高さを知らない~

マルローネ
恋愛
サイドル王国の子爵家の次女であるテレーズは、長女のマリアに婚約者のラゴウ伯爵を奪われた。 その後、テレーズは辺境伯カインとの婚約が成立するが、マリアやラゴウは所詮は地方領主だとしてバカにし続ける。 しかし、無知な彼らは知らなかったのだ。西の国境線を領地としている辺境伯カインの地位の高さを……。 貴族としての基本的な知識が不足している二人にテレーズは失笑するのだった。 そしてその無知さは取り返しのつかない事態を招くことになる──。

【完結】 私を忌み嫌って義妹を贔屓したいのなら、家を出て行くのでお好きにしてください

ゆうき
恋愛
苦しむ民を救う使命を持つ、国のお抱えの聖女でありながら、悪魔の子と呼ばれて忌み嫌われている者が持つ、赤い目を持っているせいで、民に恐れられ、陰口を叩かれ、家族には忌み嫌われて劣悪な環境に置かれている少女、サーシャはある日、義妹が屋敷にやってきたことをきっかけに、聖女の座と婚約者を義妹に奪われてしまった。 義父は義妹を贔屓し、なにを言っても聞き入れてもらえない。これでは聖女としての使命も、幼い頃にとある男の子と交わした誓いも果たせない……そう思ったサーシャは、誰にも言わずに外の世界に飛び出した。 外の世界に出てから間もなく、サーシャも知っている、とある家からの捜索願が出されていたことを知ったサーシャは、急いでその家に向かうと、その家のご子息様に迎えられた。 彼とは何度か社交界で顔を合わせていたが、なぜかサーシャにだけは冷たかった。なのに、出会うなりサーシャのことを抱きしめて、衝撃の一言を口にする。 「おお、サーシャ! 我が愛しの人よ!」 ――これは一人の少女が、溺愛されながらも、聖女の使命と大切な人との誓いを果たすために奮闘しながら、愛を育む物語。 ⭐︎小説家になろう様にも投稿されています⭐︎

処理中です...