けだものどもの孕み腹

ソウ

文字の大きさ
上 下
52 / 367

5-(13)※※

しおりを挟む

 ずどんと重くなった胸の奥は、きっと傍目にもわかるほど膨張しただろう。膨らんだ胃とともに白い胸が上下して、ようやく、胃の中の放流が止まった。

 顔面に押しつけられた陰嚢のせいで固く瞼を閉じたまま、エグモントの高揚した息づかいを聞く。おまけとばかり、反ったルトの顔に、張りつく陰嚢がくりくりと左右に擦られた。散々好きに動いて精液を出し切って満足したのか、目の前でぶら下がる陰嚢が少しずつ離れていく。

 長い凶器を、喉に挿入されるのはもちろん辛い。だがずるずる食道を這って、口腔の外に抜き出される感触もひどく辛いものだった。

「ッ、う、が、あ……っ、はッ――っ」
「よく頑張ったね。じゃ、次は孕み腹に子種をかけてあげる。君が妊娠するのをお預け食らってる狼がいるから、協力してあげないと」

 ルトが、口を犯される痴態をずっと横で眺めていたのか。ラシャドが呆れた声で短く笑った。

「はっ、言ってろ。てめぇは突っこみたいだけだろが。そんな長ぇの、これの腹に収まるかよ」
「平気だって。ラシャドの太いので緩んでるでしょ。俺、ぐにぐに曲がる下はヘタだからさぁ、途中しか入らないのが多いけど。この孕み腹はいけそう」

 息も絶え絶えなルトの顔をエグモントが覗く。解放された口は開きっぱなしで、顎は外れたように閉じることもできなかった。だらしなくよだれをだらだら流し、瞬きする瞼の動きさえ重苦しい。

 荒い息を繰り返すだけの視界の隅で、エグモントの長い腕が、ルトの腹に伸ばされるのを茫洋と見つめていた。

「けどいろんな獣人から何回も種付けされちゃうんだよ。うっかり種が実っちゃったら、先超されて、他の獣人の子どもを孕むんじゃない?」

 薄いルトの腹をくすぐりながら、エグモントが楽しそうに物騒なことを言う。へこへこ動く白い腹は孕んでもいないのに、すでにラシャドの精液でぼってりして妊娠しているみたいだ。胃も腹もたぽたぽする。横たわるルトの隣で、ラシャドが挑発的に片頬を上げた。



しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

巻き添えで異世界召喚されたおれは、最強騎士団に拾われる

BL / 連載中 24h.ポイント:4,700pt お気に入り:8,540

婚約破棄させてください!

恋愛 / 完結 24h.ポイント:8,605pt お気に入り:3,022

【完結】出戻り令嬢の奮闘と一途な再婚

恋愛 / 完結 24h.ポイント:894pt お気に入り:147

異世界でおまけの兄さん自立を目指す

BL / 連載中 24h.ポイント:11,610pt お気に入り:12,477

【完結】疲れ果てた水の巫子、隣国王子のエモノになる

BL / 完結 24h.ポイント:1,031pt お気に入り:4,681

巣ごもりオメガは後宮にひそむ

BL / 完結 24h.ポイント:6,732pt お気に入り:1,591

主神の祝福

BL / 完結 24h.ポイント:1,640pt お気に入り:257

幼馴染がそんなに良いなら、婚約解消いたしましょうか?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:25,737pt お気に入り:3,543

処理中です...