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求め続けた男の執念
真上から打ち付けられるクラウスの熱杭が、オリバーの奥を確認するように激しくノックを繰り返し、ある一点でくいっと首を傾げた。
「いぐぅうううううっっ」
ずぬんっと軽くめり込んだ頭が引き抜かれ、それだけで絶頂していたオリバーの耳に、クラウスの掠れた声が囁いた。
「……届いたぞ、オリバー」
そこからは、一突きごとにオリバーの体は絶頂を繰り返し、クラウスの陰茎を肉襞でしゃぶりながら絶叫し続けた。
まるで悲鳴のような声で喘ぐオリバーに、クラウスは微笑みを浮かべながら腰を打ち付ける。
そして、オリバーの悲鳴が聞こえなくなっても、クラウスはひたすらオリバーのメス穴を責め立てた。
「ああ、困った。いつまで経っても、ここから離れられる気がしない」
ここには、飲み込みきれないほどの無限の闇と精気が封じられている。
ただの【人】から【闇の眷属】へと生まれ変わったクラウスにとっては、どちらも力の源であり生命そのものだった。
ここにいれば、クラウスは死ぬこともなく、永遠にオリバーを愛し続けることさえ可能だ。
そして、そんなクラウスと魂を繋いだオリバーもまた、同じように永遠に生き続ける存在になっている。
永遠を求めた【魔導王】が、心血を注いで作り上げた【北の祭壇】。
他人の生命を、自分の生命に変換するための儀式が行われた場所。
儀式は正しく、生命の変換は行われたが、王がそれを手にすることはできなかった。
【人】のまま永遠を求めた王は、それが【人ではないもの】だけが手にすることができると知らなかったのだ。
ただただ、失敗したと思い込み、いくつもの生命をここで捧げ続けた。
この祭壇に捧げられた生命の分だけ、自分が永遠に近付けると信じて疑わなかった愚かな王が、どれだけの生命をこの祭壇に捧げたのか、クラウスにはわからない。
ただここには、恐ろしいほどの闇と精気が渦巻いている。
ましてや、それを使うことなく彼は別の儀式で生命を落としていた。
かの王が【人】という枠を捨てる決意をしたときには、すべてが遅すぎたのだ。
だが、クラウスは、かの王の研究者としての資質は評価していた。
勤勉で有能、そして、正しく記録を遺したこと。
よくぞ、誰にも知られることなく、後世にまで遺してくれた。
「おかげで、私は望むものを手に入れられた」
新しい体の下で、淫らに蕩けるオリバー。
一度は手離すつもりでいたクラウスが、生命をかけて儀式に挑んだのは、共に生きられるかもしれないという僅かな可能性に賭けたから。
病をえて不能になった体は、燃え上がるようなオリバーへの愛を成就させるには相応しくなかった。
「キミとただの家族になんてなれるわけがない。私は、ずっとキミをこうして啼かせたいと思っていたんだから」
ぐるりと白目をむき、涙もよだれも鼻水さえ垂れ流しているオリバーが、クラウスには可愛らしくてたまらない。
クラウスの下で、オリバーはいまも痙攣と絶頂を繰り返している。
『オレが、クラウスの家族になる』
冒険者カードを手に帰ってきたオリバーがそう叫んだとき、クラウスの体は、過去の過ちのせいで、いつ命運が尽きてもおかしくないくらいだった。
だが、残された日々を【父子】として共に暮らし、やがてオリバーに見守られながら、クラウスが死を迎えたとして、それが穏やかなものになるとは思えなかった。
残されたオリバーが、クラウスではない誰かのものになることを許せなかった。
あの子は私だけのものだ、という傲慢な想いが、いつの間にかクラウスの心に住み着いていた。
小さくか弱い狼の子、それがただの狼ではないと知った時から、クラウスはオリバーに恋をしていた。
老いた自分の醜い想いを自覚した時には、もうすべてが手遅れだった。
あらゆる手段を探し求めた。
そして【悪魔の研究者】の存在を知り、迷宮から見つかった文献を読み解いた。
それが誰もが知る素晴らしき魔導時代を導いた稀代の王の、裏の顔だと突き止めた。
初めは信じられなかった。
だが、調べれば調べるほど、いまの世に讃えられる魔導具を広めたとされる素晴らしい【魔導王】の功績の影から、犠牲になったものたちの悲痛な叫びが聞こえてくるようだった。
そして、ある手記を手に入れた時、すべては明らかになった。
綺麗な王としての顔の裏に隠されていたのは、残虐な悪魔と変わらぬ、生命をもてあそんだ非道な研究者としての顔。
自分の命を永らえさせるために、あらゆるものに犠牲を強いたもの。
だが、同じように永遠を望んだクラウスに、かの王を否定することはできない。
彼の研究を手に入れ、こうして代わりにその恩恵を受け取ったのだから。
ただひとつ誤算だったのは、ここにたどり着く前に、クラウスの命運が尽きてしまったことだろう。
【魔導王の墳墓】で手に入れた媒介を持って、ひとりでここに来るはずだった。
密かに生まれ変わり、オリバーの元に戻るつもりだったが、それは叶わなかった。
クラウスの魂を封じ込めた骨を運ばせ、精気を搾り取る儀式の贄にするなら誰でもいいはずだった。
だが、クラウスは、死の間際に願ってしまった。
『オリバーと共にありたい』と。
一縷の望みをもって、オリバーに骨を託した。
夢を操ったのは、オリバーの心をのぞくだけのつもりだった。
けれど、オリバーの心に触れ、クラウスへの想いが【父子】としてのものではなかったのだと知り、我慢ができなくなった。
淫らな夢の中で魂を犯し、オリバーの肉体にはクラウスの魂を染み付かせた。
目覚めたオリバーがクラウスの魂を求め、骨で自分を慰めはじめた時には、暗い愉悦に満たされた。
クラウスの骨は、少しずつオリバーの中で濃厚な精気を与えられ、旅の中で儀式の準備が整えられていった。
オリバーが、この祭壇に座ったときには、もはや贄など必要ないほどに、クラウスの骨には精気が満ち満ちていた。
だから、本当はオリバーが何もしなくても、クラウスは復活することができた。
それでも、クラウスは誰でもないただひとり、最愛のオリバーに選ばれたいと思ったのだ。
結果は、呆気にとられるほど簡単に、望む答えが得られてしまった。
いや、それだけではない。
望む以上の結果が得られた。
お陰で、オリバーのすべてを手に入れることができた。
【不死なる者】。
生ある者の精気を喰らう闇の眷属。
そんなものになってしまったクラウスに、オリバーはすべてを明け渡してみせた。
危うく、魂をまるごと捧げられそうになって、クラウスの方が焦ったくらいだ。
「いつでもキミは全力だ。そんなキミが、眩しくてたまらない」
輝ける子、とオリバーを呼ぶクラウスの誇らしい気持ちの裏には、どろどろになるまで犯して汚したいという欲望が潜んでいた。
いまもこうして犯し尽くし、意思さえ奪って悦んでいる。
「オリバー、愛しているよ」
優しく愛を囁きながら、その肉体を貪る魔物。
それが、クラウスの新しい生き方だった。
その時、ひゅうっと聞こえた小さな吐息に、クラウスの心は激しくゆさぶられた。
「オレも」と返したオリバーを、クラウスは理性を飛ばして貪った。
翌日、クラウスにしがみついたオリバーから、「こわかったんだからぁ」と泣きながら詰られたクラウスが、オリバーを精一杯甘やかしたのは言うまでもない。
「いぐぅうううううっっ」
ずぬんっと軽くめり込んだ頭が引き抜かれ、それだけで絶頂していたオリバーの耳に、クラウスの掠れた声が囁いた。
「……届いたぞ、オリバー」
そこからは、一突きごとにオリバーの体は絶頂を繰り返し、クラウスの陰茎を肉襞でしゃぶりながら絶叫し続けた。
まるで悲鳴のような声で喘ぐオリバーに、クラウスは微笑みを浮かべながら腰を打ち付ける。
そして、オリバーの悲鳴が聞こえなくなっても、クラウスはひたすらオリバーのメス穴を責め立てた。
「ああ、困った。いつまで経っても、ここから離れられる気がしない」
ここには、飲み込みきれないほどの無限の闇と精気が封じられている。
ただの【人】から【闇の眷属】へと生まれ変わったクラウスにとっては、どちらも力の源であり生命そのものだった。
ここにいれば、クラウスは死ぬこともなく、永遠にオリバーを愛し続けることさえ可能だ。
そして、そんなクラウスと魂を繋いだオリバーもまた、同じように永遠に生き続ける存在になっている。
永遠を求めた【魔導王】が、心血を注いで作り上げた【北の祭壇】。
他人の生命を、自分の生命に変換するための儀式が行われた場所。
儀式は正しく、生命の変換は行われたが、王がそれを手にすることはできなかった。
【人】のまま永遠を求めた王は、それが【人ではないもの】だけが手にすることができると知らなかったのだ。
ただただ、失敗したと思い込み、いくつもの生命をここで捧げ続けた。
この祭壇に捧げられた生命の分だけ、自分が永遠に近付けると信じて疑わなかった愚かな王が、どれだけの生命をこの祭壇に捧げたのか、クラウスにはわからない。
ただここには、恐ろしいほどの闇と精気が渦巻いている。
ましてや、それを使うことなく彼は別の儀式で生命を落としていた。
かの王が【人】という枠を捨てる決意をしたときには、すべてが遅すぎたのだ。
だが、クラウスは、かの王の研究者としての資質は評価していた。
勤勉で有能、そして、正しく記録を遺したこと。
よくぞ、誰にも知られることなく、後世にまで遺してくれた。
「おかげで、私は望むものを手に入れられた」
新しい体の下で、淫らに蕩けるオリバー。
一度は手離すつもりでいたクラウスが、生命をかけて儀式に挑んだのは、共に生きられるかもしれないという僅かな可能性に賭けたから。
病をえて不能になった体は、燃え上がるようなオリバーへの愛を成就させるには相応しくなかった。
「キミとただの家族になんてなれるわけがない。私は、ずっとキミをこうして啼かせたいと思っていたんだから」
ぐるりと白目をむき、涙もよだれも鼻水さえ垂れ流しているオリバーが、クラウスには可愛らしくてたまらない。
クラウスの下で、オリバーはいまも痙攣と絶頂を繰り返している。
『オレが、クラウスの家族になる』
冒険者カードを手に帰ってきたオリバーがそう叫んだとき、クラウスの体は、過去の過ちのせいで、いつ命運が尽きてもおかしくないくらいだった。
だが、残された日々を【父子】として共に暮らし、やがてオリバーに見守られながら、クラウスが死を迎えたとして、それが穏やかなものになるとは思えなかった。
残されたオリバーが、クラウスではない誰かのものになることを許せなかった。
あの子は私だけのものだ、という傲慢な想いが、いつの間にかクラウスの心に住み着いていた。
小さくか弱い狼の子、それがただの狼ではないと知った時から、クラウスはオリバーに恋をしていた。
老いた自分の醜い想いを自覚した時には、もうすべてが手遅れだった。
あらゆる手段を探し求めた。
そして【悪魔の研究者】の存在を知り、迷宮から見つかった文献を読み解いた。
それが誰もが知る素晴らしき魔導時代を導いた稀代の王の、裏の顔だと突き止めた。
初めは信じられなかった。
だが、調べれば調べるほど、いまの世に讃えられる魔導具を広めたとされる素晴らしい【魔導王】の功績の影から、犠牲になったものたちの悲痛な叫びが聞こえてくるようだった。
そして、ある手記を手に入れた時、すべては明らかになった。
綺麗な王としての顔の裏に隠されていたのは、残虐な悪魔と変わらぬ、生命をもてあそんだ非道な研究者としての顔。
自分の命を永らえさせるために、あらゆるものに犠牲を強いたもの。
だが、同じように永遠を望んだクラウスに、かの王を否定することはできない。
彼の研究を手に入れ、こうして代わりにその恩恵を受け取ったのだから。
ただひとつ誤算だったのは、ここにたどり着く前に、クラウスの命運が尽きてしまったことだろう。
【魔導王の墳墓】で手に入れた媒介を持って、ひとりでここに来るはずだった。
密かに生まれ変わり、オリバーの元に戻るつもりだったが、それは叶わなかった。
クラウスの魂を封じ込めた骨を運ばせ、精気を搾り取る儀式の贄にするなら誰でもいいはずだった。
だが、クラウスは、死の間際に願ってしまった。
『オリバーと共にありたい』と。
一縷の望みをもって、オリバーに骨を託した。
夢を操ったのは、オリバーの心をのぞくだけのつもりだった。
けれど、オリバーの心に触れ、クラウスへの想いが【父子】としてのものではなかったのだと知り、我慢ができなくなった。
淫らな夢の中で魂を犯し、オリバーの肉体にはクラウスの魂を染み付かせた。
目覚めたオリバーがクラウスの魂を求め、骨で自分を慰めはじめた時には、暗い愉悦に満たされた。
クラウスの骨は、少しずつオリバーの中で濃厚な精気を与えられ、旅の中で儀式の準備が整えられていった。
オリバーが、この祭壇に座ったときには、もはや贄など必要ないほどに、クラウスの骨には精気が満ち満ちていた。
だから、本当はオリバーが何もしなくても、クラウスは復活することができた。
それでも、クラウスは誰でもないただひとり、最愛のオリバーに選ばれたいと思ったのだ。
結果は、呆気にとられるほど簡単に、望む答えが得られてしまった。
いや、それだけではない。
望む以上の結果が得られた。
お陰で、オリバーのすべてを手に入れることができた。
【不死なる者】。
生ある者の精気を喰らう闇の眷属。
そんなものになってしまったクラウスに、オリバーはすべてを明け渡してみせた。
危うく、魂をまるごと捧げられそうになって、クラウスの方が焦ったくらいだ。
「いつでもキミは全力だ。そんなキミが、眩しくてたまらない」
輝ける子、とオリバーを呼ぶクラウスの誇らしい気持ちの裏には、どろどろになるまで犯して汚したいという欲望が潜んでいた。
いまもこうして犯し尽くし、意思さえ奪って悦んでいる。
「オリバー、愛しているよ」
優しく愛を囁きながら、その肉体を貪る魔物。
それが、クラウスの新しい生き方だった。
その時、ひゅうっと聞こえた小さな吐息に、クラウスの心は激しくゆさぶられた。
「オレも」と返したオリバーを、クラウスは理性を飛ばして貪った。
翌日、クラウスにしがみついたオリバーから、「こわかったんだからぁ」と泣きながら詰られたクラウスが、オリバーを精一杯甘やかしたのは言うまでもない。
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