冷血王と死神の騎士

うしお

文字の大きさ
18 / 51

18

しおりを挟む
「ロサリオール。その、大丈夫なのですか? 陛下は、本当にティリア様を……」

ティリアの離宮でゆったりとした午後のひと時を終え、ロサリオールは再び、王の元へと向かうべく歩き出していた。
その背を追ってきたのは、はしゃぎ過ぎて疲れたティリアを寝かしつけてきたカリネイアだ。

「そのことなら心配はいらない。陛下は、必ず約束を守ってくださる。私たちは二心なく、陛下に仕えていればよいのだ。カリネイアも、学ぶべきことがあるのだろう? それが終われば、またティリア様にお仕えできるのだ。互いに、その日が早く来ることを願おう。いつまでも、ティリア様に寂しい思いをさせていては、いけないからな」

彼女が口にする不安に、ロサリオールは優しく答える。
王と約束を交わしたのは、ロサリオールだ。
ロサリオールが、王を裏切らない限り、ティリアの身は正しく守られるだろう。

「そう、よね。いやね。急に幸せになれたからかしら。何だか、逆に不安になってしまったみたい」

「ああ、その気持ちは私にもわかる。だが、大丈夫だ。陛下は、私たちを裏切ったりはなさらない」

「……そうね。私たちは、何があろうと、陛下を信じてお仕えするべきよね」

「そうだ。余計なことは考えなくていい。ただただ誠実にお仕えするんだ」

「わかったわ。引きとめてしまってごめんなさい。もう行ってください、ロサリオール卿」

「ああ。行ってくるよ、カリネイア殿」

ロサリオールは、再びカリネイアに背を向けて歩き出す。
その迷いのない足取りを、カリネイアは見送り続けた。
それが、どれだけロサリオールを苦しめる行為なのか知らないままに。

カリネイアとわかれたロサリオールは、離宮の裏手にある庭園へと足早に向かっていた。
そこに、王から与えられたロサリオールのための離れがある。
ロサリオールは、ガゼボが隠されていた緑の迷路ではなく、さらに奥へと続く小道をひたすら歩いていた。

「ぅ、く……ッッ」

王に着けられた首輪が熱を持ち、ロサリオールを苦しめている。
ロサリオールの雄芯には、どれだけ小さくとも、無視することなど出来ない銀色の棒が突き立てられていた。
王は、ロサリオールの雄芯を銀色の棒で犯した後、そのまま抜き出すことなく、中に埋め込んでしまったのだ。

「ぅ、あ゛……ッッ」

王の手によって埋め込まれた銀色の煌めく様を思い描いた瞬間、ロサリオールの雄芯に稲妻のような痛みと悦びが駆け抜けていった。
ロサリオールは堪えきれずに膝をつき、体を縮めてその稲妻をやり過ごす。
呼吸は、苛烈な修練の後よりも荒々しく乱れ、体内を駆け巡る血潮はロサリオールの雄芯へと集約していく。
止められない。
止められるはずがない。

「く、ぅ……う゛ぅ……ッッ」

まるでそこに、もうひとつの心臓があるかのように脈打つ雄芯は、突き立てられた銀色の棒に犯され続けていた。
狭い肉筒の中を貫く銀色は、激しい苦痛と未知なる混乱だけでなく、紛れもない快楽によってロサリオールを狂わせている。
銀色の煌めきをすべてロサリオールの中に埋め込んだ王は、そのことについての感想を求めなかった。
ただただ、ロサリオールの雄芯に銀色の棒を飲み込ませ、抜けないようにしてしまっただけだった。

ロサリオールの雄芯は、唯一の穴を棒で塞がれているだけでなく、括れと根本にベルトを巻かれており、きつく搾り上げられていた。
しかも、銀色の棒からのびた鎖が、ロサリオールの雄芯の根本を搾り上げているベルトに繋がれているせいで、穴から引き抜くことすらできないのだ。
それに、ロサリオールの雄芯には、王によって分厚い革袋がしっかりと被せられている。
雄芯は、紛れもなくロサリオールの体の一部であるというのに、直接触れることすら禁じられていた。

ロサリオールは、震える手で騎士服のズボンをまさぐり、勃ちあがったままの雄芯を掴もうとした。
革袋の上からであっても、疼いてたまらない雄芯を握り締め、たとえ一往復であっても扱くことができるのなら、少しはこの苦しみから逃れられる気がしたのだ。
だが、触れようとした瞬間、じくりと滲んだ雄芯の痛みで我にかえった。

「……誰、も、触れては、ならない……王の、命令は、守らねば」

庭園の奥、誰もいないとわかっていても、王の命令に背くわけにはいかなかった。
ロサリオールは、ふらりと立ち上がり、再び奥へと向かって足を進める。
熱を持った雄芯を、早く何とかしてもらいたくてたまらなかった。
王に赦しを請わなくては。

ティリアたちと過ごした穏やかな午後のひとときは、いつの間にか、ロサリオールの頭の中からすっかり消えてしまっていた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

敗戦国の王子を犯して拐う

月歌(ツキウタ)
BL
祖国の王に家族を殺された男は一人隣国に逃れた。時が満ち、男は隣国の兵となり祖国に攻め込む。そして男は陥落した城に辿り着く。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

完成した犬は新たな地獄が待つ飼育部屋へと連れ戻される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

またのご利用をお待ちしています。

あらき奏多
BL
職場の同僚にすすめられた、とあるマッサージ店。 緊張しつつもゴッドハンドで全身とろとろに癒され、初めての感覚に下半身が誤作動してしまい……?! ・マッサージ師×客 ・年下敬語攻め ・男前土木作業員受け ・ノリ軽め ※年齢順イメージ 九重≒達也>坂田(店長)≫四ノ宮 【登場人物】 ▼坂田 祐介(さかた ゆうすけ) 攻 ・マッサージ店の店長 ・爽やかイケメン ・優しくて低めのセクシーボイス ・良識はある人 ▼杉村 達也(すぎむら たつや) 受 ・土木作業員 ・敏感体質 ・快楽に流されやすい。すぐ喘ぐ ・性格も見た目も男前 【登場人物(第二弾の人たち)】 ▼四ノ宮 葵(しのみや あおい) 攻 ・マッサージ店の施術者のひとり。 ・店では年齢は下から二番目。経歴は店長の次に長い。敏腕。 ・顔と名前だけ中性的。愛想は人並み。 ・自覚済隠れS。仕事とプライベートは区別してる。はずだった。 ▼九重 柚葉(ここのえ ゆずは) 受 ・愛称『ココ』『ココさん』『ココちゃん』 ・名前だけ可愛い。性格は可愛くない。見た目も別に可愛くない。 ・理性が強め。隠れコミュ障。 ・無自覚ドM。乱れるときは乱れる 作品はすべて個人サイト(http://lyze.jp/nyanko03/)からの転載です。 徐々に移動していきたいと思いますが、作品数は個人サイトが一番多いです。 よろしくお願いいたします。

今度こそ、どんな診療が俺を 待っているのか

相馬昴
BL
強靭な肉体を持つ男・相馬昴は、診療台の上で運命に翻弄されていく。 相手は、年下の執着攻め——そして、彼一人では終わらない。 ガチムチ受け×年下×複数攻めという禁断の関係が、徐々に相馬の本能を暴いていく。 雄の香りと快楽に塗れながら、男たちの欲望の的となる彼の身体。 その結末は、甘美な支配か、それとも—— 背徳的な医師×患者、欲と心理が交錯する濃密BL長編! https://ci-en.dlsite.com/creator/30033/article/1422322

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

ふたなり治験棟 企画12月31公開

ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。 男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!

処理中です...