モブに転生した俺。推しキャラのハピエンを拝むまで夜も眠れない

天宮叶

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推しと過ごす日々が幸せだから失うのが怖い

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 三日間ずっとネイトの話を考えていた。
 ネイトが覚悟をして話すと決めたのなら、それに関してノエルが口を出すべきではないことはわかっていた。

(エアリスはやっぱりネイトを傷つけようとするのかな……)

 誕生日パーティーでエアリスと話をした日、彼はネイトのことを親友だと言った。ノエルならネイトのことを救い出すことができると。

 ──どうしてエアリスは救い出すという言葉を使ったのだろう?

 月明かりの照る寝室のベッドの上で考えをまとめていく。
 はやく自分なりの答えを出したかった。ネイトもノエルと同じように不安な気気持ちを抱えているはずだ。

「ノエル入ってもいいか?」

 寝室の外から声が聞こえてきて、思わず背筋を正してしまう。まだ返答は決まっていない。

「う、うん!」

 けれどそんなことは関係なしにネイトの顔を見たかった。
 ここ数日、気を使ってくれたネイトは寝室に訪れることはなかった。顔を合わせることも少なく、彼がノエルのために時間を与えてくれていることは伝わっていた。
 けれど顔を合わせられない日が続くと寂しくてたまらなくなってしまう。
 中に入ってきたネイトに視線を向けると、ノエルはベッドから降りて小走りに駆け寄った。そんなノエルの様子を見てネイトが不思議そうに首をかしげる。

「会いたかったよ」
「私もだ」
「充電させてほしいな」

 おねだりするとネイトが両手を広げてくれた。
 それに甘えて思いきり彼の胸の中へ飛び込む。
 久しぶりに感じた温もりが心地よくてノエルは甘い吐息を吐き出した。

「甘えん坊のノエルも可愛い」
「……恥ずかしいよ」

 額を胸元にグリグリとくっつけて恥ずかしさを紛らわそうと試みた。
 久しぶりのせいかネイトの言葉の破壊力は凄まじい。

「恥ずかしくなどない。私の素直な気持だ」
「っ、うぅ~~」

 一旦ネイトから離れて落ちつこうと体を離す。そうすると月明かりに照らされたネイトの顔がよく見えるようになった。
 彼の顔を見つめていると悩んでいたことの答えはもう出ているようにすら感じられた。それでも怖くて前に進めない。
 進むためのきっかけが欲しかった。

「ねえ、俺のことを全部ネイトで満たしてくれないかな?」
「ノエル、それがどういう意味かわかっているのか?」
「うん。恥ずかしいけど……でも繋がりが欲しいんだ」

 ズルいことだとはわかっていた。
 それでも言葉を止められなかったのは、この先なにが起きてもネイトと繋がっていた事実さえ残っていれば、顔を上げて強く前へ進んでいける気がするから。

「俺のことを抱いてください」
「……はぁ……ノエルは私の台詞を奪うのが得意だな」

 手が伸びてきて後ろ髪に指が差し込まれた。ゆっくりと顔が近づいていき唇が合わさる。キスをしたまま抱きかかえられると、ベッドまで連れて行かれた。
 クチュクチュと唾液の弾ける音が周囲を満たし始める。
 ベッドに腰掛けてノエルを膝に乗せたネイトは、薄い布でできたノエルの寝間着の隙間に手を差し込む。

「滑らかで触り心地のいい肌だ」
「恥ずかしいってばっ……」

いつでもこういう日が来てもいいようにシルビィが毎日丹念に体を磨いてくれているからかもしれない。褒められて嬉しいけれど恥ずかしくてたまらない。

「恥ずかしいことなどない。細い腰だな。壊してしまいそうなくらい華奢で怖くなる」

 腰回りを撫でられてプルプルと体を震わしてしまう。
 上衣を脱がされると、夜闇に透き通るような白い肌が晒された。期待で少しだけ立ち上がっている乳首に触れられて唇を噛み締める。

「恥ずかしいのか?全身赤い」
「そう言ってるでしょう」
「すまない。あまりにも可愛くて言わせたくなった」
「っ、ばかッ。あっ、ンン!」

 容赦なく乳首の先端を摘まれて声が漏れた、長い舌が反応を伺うようにゆっくりと乳輪を這っていく。
 腰を震わせると、布越しに尻を揉まれて腹の奥がキュッと窄まる感覚がした。

「ネイトっ、なめちゃだめ」
「嘘つきだな。触られたくてぷっくり膨れている」
「ンンッ!ネイトっ、気持ちいい」

 ネイトの頭にしがみついて気持ちよさに酔いしれる。
 与えられる感覚は甘さとなってノエルの中に溜まっていく。
 もっともっとネイトのことを感じたかった。理性を失ってしまうほどの強い快感に包まれて、ネイトだけを自身に刻み込んでほしい。

「ノエル、私はこうしてお前に触れていられる瞬間が愛おしくてたまらない」
「俺もだよ。こんなの夢みたいだよ……」

 大好きな人に触れてもらえることが奇跡のようだ。その奇跡を重ねていくたびに、彼のことをもっと知りたい──知って感じて、信じてみたいと思えるようになる。

「夢ではないと証明してやろう」

 鎖骨の少し下に吸い付かれて微かに痛みを感じた。近くにある姿見に赤い痕をつけた自分の姿が写っていて恥ずかしくなった。
 首筋や顎、頬や額にキスが落とされる。そのすぐあと、ゆっくりとベッドへと押し倒された。
 下衣を脱がされて下半身が晒された。ネイトも服を脱ぐと綺麗な筋肉が視界へ直に入ってきて、あまりの尊さに目が潰れるのではないかと思ってしまった。もちろん下半身も立派だ。
自分と比べてとても恥ずかしくなってしまい耐えきれず太ももを閉じて隠そうと試みるも、すぐに手で開くように促されてしまう。

「隠さず見せてみろ」
「っ、あんまり見ないで」

 恥ずかしくてたまらない。
 期待するように震えているペニスはすでに半立ちしている。弄ぶように全体を指先で刺激されて、焦れったい感覚に唇を噛む。

「傷がついてしまう」

 優しく唇を解されて瞳を潤ませた。
 丁寧に触れられると快感をより繊細に感じさせられてしまう。自分から誘ったものの、羞恥心でおかしくなってしまいそうだ。

「触れるぞ。怖かったらすぐに言ってくれ」
「ンっ、アッ、はぁッ」

 手のひらの中でペニスを弄ばれて腰が浮いてしまう。
 親指と人差し指でできた輪っかが裏筋を刺激しながらペニスを扱く。人に触られることがないため、経験したことのない気持ちよさに頭の中がふわふわと宙に浮くような感覚になった。

「ネイトっ、きもちいい」
「可愛い。もっと乱れた姿をみせてくれ」

 舌が口内に挿入されてくぐもった声が出た。舌で歯列をなぞられたかと思えば、指先で亀頭を刺激される。交互に来る違った快感に翻弄されて顔をとろけさせた。
 いつもシルビィが万が一のためにと用意してくれている香油を、ネイトがサイドテーブルの引き出しから取り出した。蓋を開けると薔薇のような香りが漂ってくる。
 香油を手のひらに出して両手で温めてから、ノエルの下半身に垂らす。

「力を抜いていろ」
「ん……」

 ドキドキと心臓が緊張で高鳴っている。太ももを持ち上げたネイトが双丘の奥にある蜜穴に香油を塗り込みながら、入り口をほぐしていく。

「っ、くすぐったいよ……」
「ゆっくり慣らさなければ怪我をさせてしまう。我慢してくれ」

 あやすように太ももにキスをされてキュッと胸が鷲掴みされた。いつも大人の色気を纏っているネイトに、いまは艶やかさとセンシティブな雰囲気が追加されていて高鳴る心音がおさまりそうにない。

(どうして俺の推しはこんなにも素敵なんだろう)

 綺麗な顔に見惚れてしまう。
 ぽーっと呆けた顔でネイトに見惚れていると、蜜穴が微かに拡げられる感覚がして正気を取り戻した。

「あぁっ、入ってきてるっ」
「まだ第一関節だ」

 中指を挿入しているネイトが、ノエルの腹を優しくなでてくれる。安心させようとしてくれるのが伝わってきた。

「ゆっくり深呼吸をするんだ」
「ん……っ」

 指が更に奥へ挿入された。香油のおかげか思ったよりもすんなりと蜜穴が指を飲み込んだ。異物感に眉を寄せていると、ネイトが内側を押すように指を動かし始めた。
 ある一ヶ所を押されるとお腹の奥から溢れてくるような強い快楽を感じる。

「そこやだぁ」
「ここが好きか?」
「ぅンン!ダメッ、ネイトっ、俺いっちゃう!」
「一度出しておくほうがいい。すきなだけイケ」

 グッと指の腹で前立腺を押されて呆気なく射精してしまった。
 荒い息を吐き出しながら全身に回る快感に身を浸していると、挿入される指の数が増やされた。
 一度達しているためか異物感はなく、すんなりと受け入れてしまう。丁寧に解されて少しずつ前立腺以外からも快楽を拾いだした。
 それを確認したネイトは、指を引き抜き、ノエルの片足を自身の肩へと乗せた。
 心臓が嫌なほど速く動いていた。これから行われる行為への緊張と期待でノエルの全身が熱を持っていた。

「ノエル、私はどんなことがあってもノエルのことだけは守り抜く」
「っ、俺ずっと考えていたんだ。エアリス達にネイトのことを話したらどうなるんだろうって……でも答えなんてでなかった。でも俺もネイトと同じだよ。どんなに大変なことが起きたって俺はネイトの味方をする。ネイトから離れたりなんてしない。だからネイトはネイトの決めたことややりたいことを全力で貫いてほしいと思ってる」

 回らない呂律で必死に気持ちを伝えた。
 どうすることが正しいことなのかなんてわからない。だからノエルは大好きで大切な夫ネイトのことを信じようと決めた。

「ありがとうノエル。お前と夫夫になれたことは私のなによりの財産だ」

 俺もだよ──そう答えようとしたとき、ネイトのペニスが蜜穴へとあてがわれて言葉が途切れた。香油が追加で垂らされると緊張が増した。

「私にしがみついていろ。ゆっくり入れる」

 そう言われた瞬間、指とは比べ物にならない質量が中へと入ってきた。苦しさに息が詰まる。
 同時に感じたことのない快感に襲われて怖くなった。

「ネイト気持良すぎて怖いっ……」
「大丈夫だ。首に腕を回せ」
「んっ、んん!ねいとっ、アァッ!」

 ネイトの首にすがりついてひたすら喘ぐ。時間をかけて奥へと突き進んでくるペニスの感覚がダイレクトに伝わってきて理由もなく泣いてしまいそうだった。
 ネイトとの繋がっている事実が嬉しいのに信じられない。
 こんなにも泣きたくなるほどの幸せがあることをネイトと出会って初め知ることができた。

「ノエル愛してる」

 耳元で囁かれてお腹の奥がギュウゥっと締まる感覚がした。ネイトが苦しそうに眉を寄せる。

「締めすぎだ」
「そんなのわかんないっ、アッ、あ、んっ!」

 パチュパチュと肌と体液のぶつかり合う音が耳に届く。けれど受け入れることに精一杯で羞恥心すら感じている余裕がない。
 胸の中が幸せで満たされていく。

「ネイト、ネイトっ、すきだよ」
「っ、私も好きだ」
「はぁっ、はあァッ。俺っ、俺は信じてるからっ。ネイトのことっ、俺は信じてる。だからどんなことがあっても俺だけはネイトの味方なんだって忘れないで。ネイトが俺から離れていこうとしたって何度だって追いかけるから」
「フッ、安心しろ。絶対にノエルを置いて遠くになど行ったりはしない」

 自然と手を繋ぐ。ネイトが一気に腰を進めるとペニスの根本までようやく咥え込むことができた。

「っ、おっきい……」

 腹を擦ると肌越しに形がわかってしまう。

「煽ると後悔するぞ」

 腰を引いたネイトが再び腰を奥へ押しやる。襲ってきた気持ちよさの衝撃に目を白黒させていると、大きな律動が始まった。
 その動きに翻弄されながら甘い声を寝室へ響き渡らせる。

「大丈夫か?」
「んっ、気持ちいいよっ」

 律動の合間にネイトはノエルを気遣うような言葉を何度もかけてくれる。その優しさが愛おしくてたまらない。
 ネイトは本当に優しい人だ。不器用だから勘違いされるだけで、誰よりも心の温かい人。そんなネイトのことがノエルは大好き。

「ネイトを独り占めできるなんて……俺死んじゃいそうなくらい幸せだよ」

 人生の運を全て使い果たしてしまったと思えるほどの幸福だ。

「あぁ、幸せだな」

 抱き寄せられて体温が近づいた。
 キスを交わし、震えるまつげすら見えるほどの至近距離で笑みを浮かべ合う。
 気を使ってくれているからか行為自体に激しさはない。それでもノエルの心は充分に満たされていた。
 二人で少しずつ快楽の階段を上っていく。その過程で気持ちを確かめ合う。

「ネイトは温かいね」

 胸元に擦り寄る。
 心音が聞こえてきて嬉しくなった。ネイトを最も近くに感じられるこの瞬間がたまらなく好きだと思えた。
 まだ夜は始まったばかりだ。
 二人はお互いの存在を確かめ合いながら、ゆっくりゆっくりと忘れられない一夜に身を浸していった。
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