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推しと一緒に帰ろう
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エアリスとフェイブルが駆け寄ってきた。
二人の安否を確認すると安堵したように表情を緩める。
「彼はどうするの?」
一頻り喜びを分かち合うと、エアリスが倒れているファリスへと視線を向けた。
ノエルがファリスへと近づく。ネイトが心配して止めてきたけれど、大丈夫だと伝えた。
魔王にやられて反撃する力は残っていないはずだ。
「ファリス大丈夫?」
ノエルに声をかけられて、ファリスがゆっくりと上半身を起こした。睨みつけてくるけれど、今は少しも怖くはない。
「なんで……僕は主人公なのに……」
締められた首には真っ赤な手形が残っている。
見ているだけで痛々しい。
「ファリス、君は主人公なんかじゃない。世界は君のためにだけ回ったりなんてしないんだ」
ゲームは主人公のための物語だ。けれど、現実はみんなのもの。理不尽も苦しさもある。もちろんそのぶん幸せなことや楽しいことも沢山存在する。
「そんなの嘘だ!信じたくない!僕はっ、主人公のはずなのにっ」
ボロボロと涙を流しはじめたファリスのことを見つめ続けることしかできない。きっとファリスの中に入り込んだ魂も孤独だったのだろう。
人は孤独の中では生きられないから、自分が見つけた光を追いかけることしかできない。
「……エアリス、フェイブル。ファリスをよろしくね」
「うん。任せて」
エアリスが頷き返してくれる。
フェイブルが呪文を唱えると、ファリスの腕に枷がつけられる。カエラムを腕に抱いて近寄ってきたアズラも、カエラムを下ろすと自ら腕を差し出した。
「魔族用の強力な枷だ。王都に戻ったら君たちは裁かれることになる。命の保証はないぞ」
「わかっている」
アズラがノエルの方を見る。ノエルも視線を向けると「カエラム様を頼む」とお願いされた。
ノエルにとってカエラムは義父と同じような存在でもある。アズラの気持ちを受け止めるように、大きく頷いてみせた。
「任せて!」
返事を聞いて安心したのか、アズラはノエルから顔をそらした。エアリスとフェイブルに連れられて、二人は洞窟内を出ていく。
背が見えなくなると、ノエルはネイトをじっと見つめた。
推しの銀髪もすごく尊い。ネイトはなにをしても似合う。それに魔王化した姿もいまではとっても格好良かったとのんきなことを思える。
「……銀髪は嫌か?」
「そんなことないよ!すっっごく似合ってるよ!」
「そうか……」
気にしていたのか安心した表情を浮かべるネイトが可愛い。
ネイトの中からは完全に靄が消えていた。
ようやくネイトの人生に平穏が訪れたのだと思うとすごく嬉しい。
「ネイト帰ろう」
「……っ、ノエルと一緒に帰りたい」
「うん!」
ギューーっとしっかり手を握って二人も洞窟を出ていく。
魔王化を起こす呪いは消え去った。祭壇のあるこの場所には、もう誰も訪れることはないだろう。
二人の安否を確認すると安堵したように表情を緩める。
「彼はどうするの?」
一頻り喜びを分かち合うと、エアリスが倒れているファリスへと視線を向けた。
ノエルがファリスへと近づく。ネイトが心配して止めてきたけれど、大丈夫だと伝えた。
魔王にやられて反撃する力は残っていないはずだ。
「ファリス大丈夫?」
ノエルに声をかけられて、ファリスがゆっくりと上半身を起こした。睨みつけてくるけれど、今は少しも怖くはない。
「なんで……僕は主人公なのに……」
締められた首には真っ赤な手形が残っている。
見ているだけで痛々しい。
「ファリス、君は主人公なんかじゃない。世界は君のためにだけ回ったりなんてしないんだ」
ゲームは主人公のための物語だ。けれど、現実はみんなのもの。理不尽も苦しさもある。もちろんそのぶん幸せなことや楽しいことも沢山存在する。
「そんなの嘘だ!信じたくない!僕はっ、主人公のはずなのにっ」
ボロボロと涙を流しはじめたファリスのことを見つめ続けることしかできない。きっとファリスの中に入り込んだ魂も孤独だったのだろう。
人は孤独の中では生きられないから、自分が見つけた光を追いかけることしかできない。
「……エアリス、フェイブル。ファリスをよろしくね」
「うん。任せて」
エアリスが頷き返してくれる。
フェイブルが呪文を唱えると、ファリスの腕に枷がつけられる。カエラムを腕に抱いて近寄ってきたアズラも、カエラムを下ろすと自ら腕を差し出した。
「魔族用の強力な枷だ。王都に戻ったら君たちは裁かれることになる。命の保証はないぞ」
「わかっている」
アズラがノエルの方を見る。ノエルも視線を向けると「カエラム様を頼む」とお願いされた。
ノエルにとってカエラムは義父と同じような存在でもある。アズラの気持ちを受け止めるように、大きく頷いてみせた。
「任せて!」
返事を聞いて安心したのか、アズラはノエルから顔をそらした。エアリスとフェイブルに連れられて、二人は洞窟内を出ていく。
背が見えなくなると、ノエルはネイトをじっと見つめた。
推しの銀髪もすごく尊い。ネイトはなにをしても似合う。それに魔王化した姿もいまではとっても格好良かったとのんきなことを思える。
「……銀髪は嫌か?」
「そんなことないよ!すっっごく似合ってるよ!」
「そうか……」
気にしていたのか安心した表情を浮かべるネイトが可愛い。
ネイトの中からは完全に靄が消えていた。
ようやくネイトの人生に平穏が訪れたのだと思うとすごく嬉しい。
「ネイト帰ろう」
「……っ、ノエルと一緒に帰りたい」
「うん!」
ギューーっとしっかり手を握って二人も洞窟を出ていく。
魔王化を起こす呪いは消え去った。祭壇のあるこの場所には、もう誰も訪れることはないだろう。
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