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推しはいつだって俺の人生を支えてくれるんだ!
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「猫が好きなのか?」
「昔、猫を飼ってみたかったんだ。でも両親に反対されて結局駄目だった」
前世での話だ。
唐突に失われてしまった当たり前の生活。今を不幸せだとは思わない。けれど、時々思い出してしまう。ただの平凡な社会人だった頃の自分のことを。
懐かしさと寂しさが胸を覆う。
「飼えばいい」
「いいの?」
「この屋敷はもうお前の家だ。好きにしろ」
頭を撫でてくれながら、ネイトが了承の返事をしてくれる。喜びが溢れてきて、ノエルは頬を緩めた。
ネイトは優しい。つっけんどんな態度を取っていたとしても、根っこでは他人を思いやることのできる人。だからノエルはネイトのことを推している。
「ありがとうネイト」
お礼を伝えると、ネイトがまた頭を撫でてくれた。目を細めてそれを受け入れる。一気に縮まった距離。恥ずかしいのに、幸せだ。
ネイトと触れ合うだけで、ノエルは胸が一杯になるような心地になる。その気持ちに名前をつけることは難しかった。
部屋に戻るとシルビィが温かい紅茶を入れてくれた。飲みながら、ネイトの言葉を思い出して笑みをこぼす。
「なにかいいことでもあったのですか?」
「今日、ネイトと話をしたんだ。少しだけ心を許してもらえたみたいで嬉しかったんだよ」
「ふふ、それは喜ばしいことです」
「うん。ネイトの心の拠り所に少しでいいからなれていたら嬉しい」
「……辛くはないのですか?」
シルビィが心配そうに尋ねてくる。
使用人達の間では、ネイトがエアリスのことを思っているのは、周知の事実なのだろう。きっとシルビィもそのことを知っている。
「辛いなんて思わないよ。俺はネイトが幸せならそれでいい」
「どうして幸せになってほしいのです?お二人はまだ出会って間もないのに」
「それは……」
推しだから。それ以外の理由などノエルは考えたことがなかった。ネイトと話をして、笑いあったり、気持ちをぶつけ合ったりする。その日々が積み重なっていくたびに、ノエルはわからなくなっていく。
ただゲームの中で推していたキャラという位置づけだった。けれど、今は生身の素敵な男性として目に映る。その変化を受け入れたいと思ってしまう。きっとそれが答えだ。
「ネイトは俺の人生を支えてくれた人だから」
どんなに辛いことがあっても、画面の向こうのネイトを見ていると元気になれた。一生懸命好きな人のために頑張る姿が、ノエルには眩しくて仕方なかった。
「時々、ノエル様は別人になってしまわれたのかもしれないと思うときがあります」
「……シルビィ、俺は……」
「いいんです。なにもおっしゃらなくて。私は生涯貴方にお仕えしたい。その心に変わりはありませんから」
「っ、ありがとう」
シルビィが紅茶のおかわりをくれる。
まるで鼈甲を溶かしたかのように美しい黄金色の紅茶。口に運び温かさを噛みしめた。
「そういえばもうすぐノエル様のお誕生日ですね」
「そうだったね」
すっかり忘れていた。ネイトのことばかり気にかけていて、自分のことは放ったらかしていたせいかもしれない。
「旦那様に伝えないのですか?」
質問に、ノエルは眉を寄せて困り顔を作る。祝ってほしいというのが本音だ。けれどわざわざ伝えるのも違う気がした。
「機会があれば伝えてみるよ」
だからそう答えるしかできなかった。
「昔、猫を飼ってみたかったんだ。でも両親に反対されて結局駄目だった」
前世での話だ。
唐突に失われてしまった当たり前の生活。今を不幸せだとは思わない。けれど、時々思い出してしまう。ただの平凡な社会人だった頃の自分のことを。
懐かしさと寂しさが胸を覆う。
「飼えばいい」
「いいの?」
「この屋敷はもうお前の家だ。好きにしろ」
頭を撫でてくれながら、ネイトが了承の返事をしてくれる。喜びが溢れてきて、ノエルは頬を緩めた。
ネイトは優しい。つっけんどんな態度を取っていたとしても、根っこでは他人を思いやることのできる人。だからノエルはネイトのことを推している。
「ありがとうネイト」
お礼を伝えると、ネイトがまた頭を撫でてくれた。目を細めてそれを受け入れる。一気に縮まった距離。恥ずかしいのに、幸せだ。
ネイトと触れ合うだけで、ノエルは胸が一杯になるような心地になる。その気持ちに名前をつけることは難しかった。
部屋に戻るとシルビィが温かい紅茶を入れてくれた。飲みながら、ネイトの言葉を思い出して笑みをこぼす。
「なにかいいことでもあったのですか?」
「今日、ネイトと話をしたんだ。少しだけ心を許してもらえたみたいで嬉しかったんだよ」
「ふふ、それは喜ばしいことです」
「うん。ネイトの心の拠り所に少しでいいからなれていたら嬉しい」
「……辛くはないのですか?」
シルビィが心配そうに尋ねてくる。
使用人達の間では、ネイトがエアリスのことを思っているのは、周知の事実なのだろう。きっとシルビィもそのことを知っている。
「辛いなんて思わないよ。俺はネイトが幸せならそれでいい」
「どうして幸せになってほしいのです?お二人はまだ出会って間もないのに」
「それは……」
推しだから。それ以外の理由などノエルは考えたことがなかった。ネイトと話をして、笑いあったり、気持ちをぶつけ合ったりする。その日々が積み重なっていくたびに、ノエルはわからなくなっていく。
ただゲームの中で推していたキャラという位置づけだった。けれど、今は生身の素敵な男性として目に映る。その変化を受け入れたいと思ってしまう。きっとそれが答えだ。
「ネイトは俺の人生を支えてくれた人だから」
どんなに辛いことがあっても、画面の向こうのネイトを見ていると元気になれた。一生懸命好きな人のために頑張る姿が、ノエルには眩しくて仕方なかった。
「時々、ノエル様は別人になってしまわれたのかもしれないと思うときがあります」
「……シルビィ、俺は……」
「いいんです。なにもおっしゃらなくて。私は生涯貴方にお仕えしたい。その心に変わりはありませんから」
「っ、ありがとう」
シルビィが紅茶のおかわりをくれる。
まるで鼈甲を溶かしたかのように美しい黄金色の紅茶。口に運び温かさを噛みしめた。
「そういえばもうすぐノエル様のお誕生日ですね」
「そうだったね」
すっかり忘れていた。ネイトのことばかり気にかけていて、自分のことは放ったらかしていたせいかもしれない。
「旦那様に伝えないのですか?」
質問に、ノエルは眉を寄せて困り顔を作る。祝ってほしいというのが本音だ。けれどわざわざ伝えるのも違う気がした。
「機会があれば伝えてみるよ」
だからそう答えるしかできなかった。
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