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推しを救えるのは……
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ダンスを終えると、少し涼むためにテラスへと出た。
ネイトは挨拶回りがあるらしく、忙しそうにしている。一緒に来るように言われたものの、邪魔は出来ないと思い辞退したのだ。
外はすでに暗闇に包まれている。月明かりを見つめながら、そよ風が頬を撫でる感覚に見を浸す。
「ノエルなにしてるの?」
声をかけられて振り返ると、エアリスがテラスの入口付近に立っていた。
ゆっくりとした足取りでノエルの隣へと来る。陶器のように白い小顔がノエルへと向けられると、視線が動かせなくなる。
目が離せないのは、光の魔力を有する特別な存在だからだろうか。ネイトがエアリスに触れることを戸惑う理由がほんの少しわかる気がした。透明感の中に、芯の強さを併せ持っている。そんなエアリスだから惹かれてしまう。
「ノエルありがとう」
「どうしたの突然?」
エアリスにお礼を言われるようなことをした記憶はない。夕焼け色の瞳を丸くさせる。エアリスの淡い桃色の瞳が真剣味を帯びながら、柔らかく細められた。
「ネイトの闇はこの世界を焼き尽くしてしまうかもしれない……。僕にはそれを止める力も、救う力もないんだ」
「……どうしてそう思うの?」
光の魔力を有するエアリスにも、ネイトの闇が見えているのかもしれない。そしてきっと、ネイトがエアリスのことを愛していることも理解している。
人は選択をして生きていくしかない。エアリスはネイトを選ばなかった。それはゲームで決められている確定事項。この世界にゲームの強制力が働くというのなら、エアリスは決してネイトの傍には居られない。
「僕ね、孤児出身で両親も居ないんだ。友達と森に出かけたとき魔獣が現れて、助けようとしたんだ。そのときに光の魔力を持っていることがわかった」
ゲームのオープニングで出てくるエピソードだ。
それからエアリスの人生は一変することになった。キャラごとに分岐はあるものの、エアリスは必ず侯爵家の養子になっている。ゲームだから軽く流せていた。けれど今は違う。環境の変化に順応することがどれだけ大変なことなのかは想像もできない。
「そんなときフェイブルと出会ったんだ。フェイブルと仲良くなるうちにネイトと知り合いになった。初めはすごく冷たい人だと思ったけれど、本当はすごく仲間思いだって知った。大切なもののためなら命だって捨ててしまう。本当に危ういくらい優しい人……。だから僕はネイトの思いに気づいてないふりをした。きっと僕が傍にいたらネイトは命を落としてしまう。そんな気がしたから……」
「どうしてそんな話を俺にしてくれるの?」
「ノエルならネイトを救えるってわかるから」
真っ直ぐな言葉に、ノエルは唇を噛みしめる。
ネイトの心を救う方法などわからない。幸せになってほしい。愛する人と共に過ごし、笑いあっていてほしい。ノエルはそれを見つめていられればよかったはずだった。
けれど今は……。
ネイトは挨拶回りがあるらしく、忙しそうにしている。一緒に来るように言われたものの、邪魔は出来ないと思い辞退したのだ。
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声をかけられて振り返ると、エアリスがテラスの入口付近に立っていた。
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目が離せないのは、光の魔力を有する特別な存在だからだろうか。ネイトがエアリスに触れることを戸惑う理由がほんの少しわかる気がした。透明感の中に、芯の強さを併せ持っている。そんなエアリスだから惹かれてしまう。
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ゲームのオープニングで出てくるエピソードだ。
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「どうしてそんな話を俺にしてくれるの?」
「ノエルならネイトを救えるってわかるから」
真っ直ぐな言葉に、ノエルは唇を噛みしめる。
ネイトの心を救う方法などわからない。幸せになってほしい。愛する人と共に過ごし、笑いあっていてほしい。ノエルはそれを見つめていられればよかったはずだった。
けれど今は……。
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