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探し物
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部屋に戻ると私を見て月鈴が抱きついてきた。
ぎゅっと強く抱きしめられてその温もりに少しだけほっとする。
「どこに行ってたの!?心配したよ~!」
「ごめんね。探し物をしてたんだけど結局見つからなかったんだ」
「一緒に探したのに……」
「夜遅くに探し物をしていて誰かに見つかったら怒られてしまうと思って言えなかったんだ。ごめんね」
相当心配してくれていたのか不満気な顔をしつつも蘭玉が無事なら良かったって言ってくれる優しさに感謝する。
本当は今日あったことを全て話してしまいたいと思うけれど、私が香ノ者だと知った月鈴がどんな反応をするのか怖くて相談なんて出来ないと思った。
それに、あの男が誰かも分からない今不用意に話をして噂にでもなったら大変だ。
相手には確実に私が香ノ者だということはバレているし、自分の不貞行為を隠すために私のことを殺そうとするかもしれない。
兎に角今はゆっくり休んで明日の仕事に備えたかった。
「ごめん、疲れちゃったからもう寝るね」
「そうよね!寝ましょ」
他の同室者は皆既に寝に入っているため、起こさないように月鈴と2人布団へと入った。
おやすみって挨拶をして目を閉じると思い出すのはあの男のこと。
無理矢理身体を暴かれた感覚も、口内を蠢く舌の感触も何もかも鮮明に思い出せる。それなのに男の顔だけがイマイチピンと来なかった。
ゆっくり休もうにも男のことがチラついて一向に眠れず、結局一睡も出来ないまま夜が明けてしまった。
1晩男のことを考えて、気がついたのはこの場所が後宮だということだった。
後宮は男子禁制の場だ。
宦官は男性器を取り除く手術をしているため入ることを許されているが、その他の男が後宮に1歩でも入ったが最後重い罰が下されるだろう。
唯一、男でこの後宮に入れる人物といえば皇帝陛下。それから陛下の身内の男子だけだ。
つまり皇族以外の男は入ることは出来ない。
そうなると自然とあの男は皇族ということになる。
身支度を整えながらそっと項に手を這わせてみた。
指で触れるとはっきりと分かるほどに噛まれた跡が浮かび上がっている。
この傷は消えることは無いのだ。
香りの強い日に、高人が営みの最中、香ノ者の項を噛むと番と呼ばれる関係を結ぶことが出来る。
契約の様なそれを結ぶことで香ノ者の香りはその高人にしか作用しなくなり、また2人は永遠に離れることが出来なくなると言われているのだ。
そして番関係を結んでいる香ノ者の項には消えることの無い噛み跡が刻まれる。
だから、きっとこの噛み跡は消えることは無い。
まさかこの後宮で誰とも分からない、それも皇族とこんなことになろうとは思ってもいなかった。
けれど、逆を言えばもう他の者のことを気にして生きる必要が無いということ。
香りの強い日にだけ薬を飲んでいれば身体の辛さも抑えられるだろう。というよりも、そう願うしかない。
あとはあの男に見つからない様にするだけだ。
そう考えを整理して跡が見えないように襟元をしっかりと整えた。
月鈴が私の準備が終わるのを待ってくれていて、慌ててそちらへと向かうといつも通り一緒に繍房へと向かった。
ぎゅっと強く抱きしめられてその温もりに少しだけほっとする。
「どこに行ってたの!?心配したよ~!」
「ごめんね。探し物をしてたんだけど結局見つからなかったんだ」
「一緒に探したのに……」
「夜遅くに探し物をしていて誰かに見つかったら怒られてしまうと思って言えなかったんだ。ごめんね」
相当心配してくれていたのか不満気な顔をしつつも蘭玉が無事なら良かったって言ってくれる優しさに感謝する。
本当は今日あったことを全て話してしまいたいと思うけれど、私が香ノ者だと知った月鈴がどんな反応をするのか怖くて相談なんて出来ないと思った。
それに、あの男が誰かも分からない今不用意に話をして噂にでもなったら大変だ。
相手には確実に私が香ノ者だということはバレているし、自分の不貞行為を隠すために私のことを殺そうとするかもしれない。
兎に角今はゆっくり休んで明日の仕事に備えたかった。
「ごめん、疲れちゃったからもう寝るね」
「そうよね!寝ましょ」
他の同室者は皆既に寝に入っているため、起こさないように月鈴と2人布団へと入った。
おやすみって挨拶をして目を閉じると思い出すのはあの男のこと。
無理矢理身体を暴かれた感覚も、口内を蠢く舌の感触も何もかも鮮明に思い出せる。それなのに男の顔だけがイマイチピンと来なかった。
ゆっくり休もうにも男のことがチラついて一向に眠れず、結局一睡も出来ないまま夜が明けてしまった。
1晩男のことを考えて、気がついたのはこの場所が後宮だということだった。
後宮は男子禁制の場だ。
宦官は男性器を取り除く手術をしているため入ることを許されているが、その他の男が後宮に1歩でも入ったが最後重い罰が下されるだろう。
唯一、男でこの後宮に入れる人物といえば皇帝陛下。それから陛下の身内の男子だけだ。
つまり皇族以外の男は入ることは出来ない。
そうなると自然とあの男は皇族ということになる。
身支度を整えながらそっと項に手を這わせてみた。
指で触れるとはっきりと分かるほどに噛まれた跡が浮かび上がっている。
この傷は消えることは無いのだ。
香りの強い日に、高人が営みの最中、香ノ者の項を噛むと番と呼ばれる関係を結ぶことが出来る。
契約の様なそれを結ぶことで香ノ者の香りはその高人にしか作用しなくなり、また2人は永遠に離れることが出来なくなると言われているのだ。
そして番関係を結んでいる香ノ者の項には消えることの無い噛み跡が刻まれる。
だから、きっとこの噛み跡は消えることは無い。
まさかこの後宮で誰とも分からない、それも皇族とこんなことになろうとは思ってもいなかった。
けれど、逆を言えばもう他の者のことを気にして生きる必要が無いということ。
香りの強い日にだけ薬を飲んでいれば身体の辛さも抑えられるだろう。というよりも、そう願うしかない。
あとはあの男に見つからない様にするだけだ。
そう考えを整理して跡が見えないように襟元をしっかりと整えた。
月鈴が私の準備が終わるのを待ってくれていて、慌ててそちらへと向かうといつも通り一緒に繍房へと向かった。
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