50 / 69
水龍の唐揚げ⑥
しおりを挟む
俺が何を作ればいいのか、材料は何があればいいのかと思案しているところでのエルドキアの登場は、まさに俺にとっては天恵に等しいものだった。
「な、なんじゃ!? これは妾のじゃぞ!? お主、何に使おうとしとるのじゃ!?」
俺の真っ直ぐな瞳を見たエルドキアは持っていた小瓶を抱えて子犬のように「ガルルルル」と唸りを上げる。
アマリアさんは再度頭を抱えた後に、一度首を振って俺を見つめてくる。
「落ち着いてくださいませ、タツヤ殿。あれは、食材ではありません。王族特有の化粧水なのですよ! エルドキア様の二ヶ月分のお小遣い……でしたっけ? 確か、50万リル……とか」
50万リル……というと……。
親子丼一杯を北方都市ルクシアで300リルにて売りさばいたことから考えても、破格の値段だ。そこは流石の王族とでも言うべきか。
アマリアさんは、エルドキアから小瓶を受け取った後に、その中の液体を小さなカップに注ぎ込んだ。
「これを口に含んでください。少し濯《ゆす》いで頂いた後にこちらの壺の中に吐き出す……。これによって、口内に巣くう汚れや病の種を取り除くのです」
俺はアマリアさんに受け取るままにその小さなカップの中に入った黄色の液体を口の中に注ぎ込む。
ネバネバとしていて、それでいて仄かな香りが口を伝って、鼻の中に流れ込んでくる。
嫌な感じはしないが、あえていうなら口の中が油臭いというところか。
……やはり、間違いは無かったようだ。
俺は壺の中に液体を吐き出した後に、水で粘つきを取り除いた。
「えぇ。やはり俺の思ったとおりでした。んで、エルドキア、頼みがある」
「……ふぁぃっ!?」
ビクンと肩を揺らしたエルドキアは持っていた小瓶を脇に抱えだした。
「おおお、落ち着くのじゃ……! 気は確かなのか、お主!?」
「あぁ、至って正常だ。大丈夫、悪いようにはしないって」
「せ、洗面用具を食材に使うなど聞いたことがないぞ!? お主、歯ブラシを食べると言っておるようなものじゃぞ!? これをがぶがぶ飲んだときはお腹の中がぐるぐるして、ムカムカするのじゃぞ!? 悪いことは言わぬ、やめておくのじゃ!」
「油そのまま飲んだら胸焼けするのは当たり前だろ……。大丈夫だ。俺を信じろ」
そういえば、大さじ一杯くらいなら便秘解消や老化抑制にいい……みたいなことをどこかで読んだことはあるな。
エルドキアの場合はがぶがぶと来たもんだ。そりゃぁ……まぁ、油だからなぁ。
「エルドキア様、この際です……! タツヤ殿を信じましょう!」
「アマリアまでなんじゃ!? お主、裏切ったの!?」
「ここまで来たんです……。タツヤ殿の自信に従うより他はありません……!」
「ぬわぁぁぁ! 妾の美容グッズが……高いのじゃぞ! 妾の二月分のお小遣いが……お小遣いぃ……」
ごめんな、エルドキア。
……でも、とりあえず、借りるぜ。
それがないと割とこっちも死活問題なんでね。
ぶつぶつと壁に向かって話し始めたエルドキアをよそに、アマリアさんは新たに小瓶に入れられたその液体を俺へと手渡してくれた。
▼ ▼ ▼
エルドキアは謁見の間の隅に設置されている来客用のソファに身を埋めていた。
窓の外の日も徐々に落ち始めている。残り時間はおおよそ四十分といったところだろうか。
そろそろ調理過程に入らないとまずいな……。
アマリアさんには、王宮の外からキッチン用具一式を持ってきてもらっている。
謁見の間全体に広がる黄金と純白に似つかない庶民的なキッチン用具一式が部屋の中央にセットされている。
あとは、ルーナを待つだけなのだが――。
「お、お待たせ……しましたッ!」
謁見の間に響き渡ったのは、高く澄んだ声。
黒と紅に彩られた重い扉がその前に立っている門兵によって開かれた。
ルーナが手に持っていたのはぐしゃぐしゃの白い包みに入れられたブツだ。
それを見て門兵は苦笑いを隠せない――が、そんなことはどこ吹く風といった様子でルーナは俺の元へとやってくる。
「なんとか、捌ききりました……ッ! 中級水龍ヴァルラングの最上部位……無事、お届けに上がりました!」
「おお、間に合ったか……! よくやった、ルーナ!」
「にへへ~」
俺がポンポンと頭を撫でてやると、ルーナはだらしない笑みを浮かべる。
と同時に、彼女は緊張したように申し訳なさそうにしゅんとした表情で下を向いた。
「あの、タツヤ様……。出過ぎた真似をしてしまって、すいません……」
出過ぎた真似……? と、少し頭の中で何かを考えて、ルーナが「偉そうなことを……言ってしまって……」と呟いた。
――私たちが勝てば、先ほどの言葉を全て撤回して貰います。
あぁ、もしかして、あの言葉のことか?
あまりにもびっくりしすぎて固まっていたところだったんだよな。
まぁ俺が地味で冴えないことなんてのは、百も承知だ。
と、少し苦笑いをした俺へ、ルーナは顔を赤らめながら言う。
「いや、嬉しかったよ。ありがとな、ルーナ」
俺は少ししゅんとするルーナの頭をわしゃわしゃと撫でる。
実際、あそこまで言われていた中でちょっとルーナが怒ってくれたと言うことが、俺は嬉しくもあったのだから。
「えへへ……」
だらしない笑顔を浮かべて尻尾をふるふると左右に揺らすルーナは、言う。
「タツヤ様が処刑されるなんて、絶対あってはなりません! 私は、これからもずっと、ずーっとタツヤ様について行きますから!」
ルーナの瞳が輝きを取り戻していく。
それを見て俺も自然と笑みがこぼれる。
「おう、俺としても負けてルーナがどっか行っちまうなんてごめんだからな」
これから先の旅路でも、ルーナにはいてもらわないと困る。
この数ヶ月の旅の中で俺は少し考えていたことがある。
元々は中央都市エイルズウェルトで店を開いてなんとか切り盛りしていくのも面白いと思った。
だが、今はそれ以上に――。
ルーナと、ウェイブと……俺。三人で、荷台に乗りながら色々世界を旅していくのも面白いんじゃないかって、思ってもいるのだから。
「こっからは、俺の仕事だ」
キッチンを目の前にして、俺は小さく目を瞑った。
食材は揃った。作る品目も決まった。あとは、作るだけ。
ここまでルーナが頑張って切れくれたことを無にしないためにも、そしてあの偉そうな王様を見返すために――。
あと、ソファの上でガチ凹みしているエルドキアのためにも……。
「な、なんじゃ!? これは妾のじゃぞ!? お主、何に使おうとしとるのじゃ!?」
俺の真っ直ぐな瞳を見たエルドキアは持っていた小瓶を抱えて子犬のように「ガルルルル」と唸りを上げる。
アマリアさんは再度頭を抱えた後に、一度首を振って俺を見つめてくる。
「落ち着いてくださいませ、タツヤ殿。あれは、食材ではありません。王族特有の化粧水なのですよ! エルドキア様の二ヶ月分のお小遣い……でしたっけ? 確か、50万リル……とか」
50万リル……というと……。
親子丼一杯を北方都市ルクシアで300リルにて売りさばいたことから考えても、破格の値段だ。そこは流石の王族とでも言うべきか。
アマリアさんは、エルドキアから小瓶を受け取った後に、その中の液体を小さなカップに注ぎ込んだ。
「これを口に含んでください。少し濯《ゆす》いで頂いた後にこちらの壺の中に吐き出す……。これによって、口内に巣くう汚れや病の種を取り除くのです」
俺はアマリアさんに受け取るままにその小さなカップの中に入った黄色の液体を口の中に注ぎ込む。
ネバネバとしていて、それでいて仄かな香りが口を伝って、鼻の中に流れ込んでくる。
嫌な感じはしないが、あえていうなら口の中が油臭いというところか。
……やはり、間違いは無かったようだ。
俺は壺の中に液体を吐き出した後に、水で粘つきを取り除いた。
「えぇ。やはり俺の思ったとおりでした。んで、エルドキア、頼みがある」
「……ふぁぃっ!?」
ビクンと肩を揺らしたエルドキアは持っていた小瓶を脇に抱えだした。
「おおお、落ち着くのじゃ……! 気は確かなのか、お主!?」
「あぁ、至って正常だ。大丈夫、悪いようにはしないって」
「せ、洗面用具を食材に使うなど聞いたことがないぞ!? お主、歯ブラシを食べると言っておるようなものじゃぞ!? これをがぶがぶ飲んだときはお腹の中がぐるぐるして、ムカムカするのじゃぞ!? 悪いことは言わぬ、やめておくのじゃ!」
「油そのまま飲んだら胸焼けするのは当たり前だろ……。大丈夫だ。俺を信じろ」
そういえば、大さじ一杯くらいなら便秘解消や老化抑制にいい……みたいなことをどこかで読んだことはあるな。
エルドキアの場合はがぶがぶと来たもんだ。そりゃぁ……まぁ、油だからなぁ。
「エルドキア様、この際です……! タツヤ殿を信じましょう!」
「アマリアまでなんじゃ!? お主、裏切ったの!?」
「ここまで来たんです……。タツヤ殿の自信に従うより他はありません……!」
「ぬわぁぁぁ! 妾の美容グッズが……高いのじゃぞ! 妾の二月分のお小遣いが……お小遣いぃ……」
ごめんな、エルドキア。
……でも、とりあえず、借りるぜ。
それがないと割とこっちも死活問題なんでね。
ぶつぶつと壁に向かって話し始めたエルドキアをよそに、アマリアさんは新たに小瓶に入れられたその液体を俺へと手渡してくれた。
▼ ▼ ▼
エルドキアは謁見の間の隅に設置されている来客用のソファに身を埋めていた。
窓の外の日も徐々に落ち始めている。残り時間はおおよそ四十分といったところだろうか。
そろそろ調理過程に入らないとまずいな……。
アマリアさんには、王宮の外からキッチン用具一式を持ってきてもらっている。
謁見の間全体に広がる黄金と純白に似つかない庶民的なキッチン用具一式が部屋の中央にセットされている。
あとは、ルーナを待つだけなのだが――。
「お、お待たせ……しましたッ!」
謁見の間に響き渡ったのは、高く澄んだ声。
黒と紅に彩られた重い扉がその前に立っている門兵によって開かれた。
ルーナが手に持っていたのはぐしゃぐしゃの白い包みに入れられたブツだ。
それを見て門兵は苦笑いを隠せない――が、そんなことはどこ吹く風といった様子でルーナは俺の元へとやってくる。
「なんとか、捌ききりました……ッ! 中級水龍ヴァルラングの最上部位……無事、お届けに上がりました!」
「おお、間に合ったか……! よくやった、ルーナ!」
「にへへ~」
俺がポンポンと頭を撫でてやると、ルーナはだらしない笑みを浮かべる。
と同時に、彼女は緊張したように申し訳なさそうにしゅんとした表情で下を向いた。
「あの、タツヤ様……。出過ぎた真似をしてしまって、すいません……」
出過ぎた真似……? と、少し頭の中で何かを考えて、ルーナが「偉そうなことを……言ってしまって……」と呟いた。
――私たちが勝てば、先ほどの言葉を全て撤回して貰います。
あぁ、もしかして、あの言葉のことか?
あまりにもびっくりしすぎて固まっていたところだったんだよな。
まぁ俺が地味で冴えないことなんてのは、百も承知だ。
と、少し苦笑いをした俺へ、ルーナは顔を赤らめながら言う。
「いや、嬉しかったよ。ありがとな、ルーナ」
俺は少ししゅんとするルーナの頭をわしゃわしゃと撫でる。
実際、あそこまで言われていた中でちょっとルーナが怒ってくれたと言うことが、俺は嬉しくもあったのだから。
「えへへ……」
だらしない笑顔を浮かべて尻尾をふるふると左右に揺らすルーナは、言う。
「タツヤ様が処刑されるなんて、絶対あってはなりません! 私は、これからもずっと、ずーっとタツヤ様について行きますから!」
ルーナの瞳が輝きを取り戻していく。
それを見て俺も自然と笑みがこぼれる。
「おう、俺としても負けてルーナがどっか行っちまうなんてごめんだからな」
これから先の旅路でも、ルーナにはいてもらわないと困る。
この数ヶ月の旅の中で俺は少し考えていたことがある。
元々は中央都市エイルズウェルトで店を開いてなんとか切り盛りしていくのも面白いと思った。
だが、今はそれ以上に――。
ルーナと、ウェイブと……俺。三人で、荷台に乗りながら色々世界を旅していくのも面白いんじゃないかって、思ってもいるのだから。
「こっからは、俺の仕事だ」
キッチンを目の前にして、俺は小さく目を瞑った。
食材は揃った。作る品目も決まった。あとは、作るだけ。
ここまでルーナが頑張って切れくれたことを無にしないためにも、そしてあの偉そうな王様を見返すために――。
あと、ソファの上でガチ凹みしているエルドキアのためにも……。
0
あなたにおすすめの小説
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる