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7.夢へのみちしるべ
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俺たちは今、シーファが魔石の念波を辿っておそらくより強い魔石か、精霊の気配がするという場所へ向かっていた。
恐らく向かい町の冒険者ギルドの管轄だ。
そこへ続く一本道は行商などがよく通るが、この真っ昼間には俺たちしかいない。
何とも平和な道だった。
そんななかで道の端に降って湧いたのは、小さなスライムが3匹程度。
子どもが放つ少しの魔法でさえ倒せてしまう、いわば最弱の魔獣だ。
「《暴風精霊術》、竜巻剣!」
スライムが3体同時に吹き飛んだ。
刃に暴風を纏わせて一振り。
吸い込まれるようにしてやってきたスライムは剣が発する風に巻き込まれ、メッタメタに斬り裂かれていく。
冒険者ギルドを出て1日が明けた。
「ッキュゥルルッ!?」
「キュルルルルルルル――」
「キュルン――ボ!?」
剣しか使えない俺にとって、弾力性のあるスライムはある種天敵でもあった。
だが少しの魔力で魔法を使っただけでこんなにもいとも簡単に倒せるようになるとは……。
魔法って奴の凄さを改めて思い知らされる。
『一つ一つ魔法に驚くのも良いけれど、こんなに軽々しく暴風の精霊術を使えるようになるとは思わなかったわ。流石ね』
よしよし、と触れられない手で頭をエア撫で撫でしてくるシーファ。
ほんのりとした温かさだけが空気を伝わってくる。
これはこれで新しい焦らされ方だ……ッ!!
シーファとの精霊契約によって俺は風の精霊術を使えるようになった。
いや、詳しく言えば風の精霊術というよりは……その更に上の超常である《暴風の精霊術》と言うべきだろうか。
シーファは言う。
『精霊にはおおよそ5種類いるわ。人間が分かりやすく呼称するためにつけた名前で言えば意識を持たない単純精霊体に、動物レベルの下位精霊体。風の下部組織で言うならば、シルフがそれに当たるわね』
あぁ、そういえばダンジョンの奥底にいたっけな。
羽の生えた小人だったな。あの精霊は下位精霊なのか。
『そして中位、高位精霊。数百年前に精霊術師が契約していたのはほとんどがこれに当たるわ。ここらは強さでランク分けすればキリがないから省くけど、そこから更に上にある天災級の力を持った精霊のことを、彼らはこぞってこう呼んだの』
「それが……超常精霊ってことか」
『そうね。ユグドラシルへの干渉能力も他の精霊たちとは群を抜いているし、本来は下界にいるような存在ではないのだけれどね。故郷母体がなくなった今私たちも呑気に構えている暇はなくなったのよ。超常精霊ですら消えてしまうようになった、こんな世の中じゃね』
難しい話はよく分からないが、超常精霊って凄まじい精霊であるシーファでさえ頑張らなくちゃ行けないような状況になってるってことか。
精霊界隈も何かと忙しいんだな。
『だからこそ、下界にやって来て数百年。あなたのように私を平然と使ってくれる精霊術師は何かと貴重な存在なの。胸でも膝枕でも、たかだかそれだけでやる気を出してくれるのなら何でも差し出すつもりよ』
ぷるるんと、大きな胸を突き出してくるシーファ。
そういえばそうだった!
ダンジョンを出ることに必死だったし、元パーティーをどうするかしか考えてなかったけど俺はおっぱいを求めてシーファの手を取ったんだった!
どさくさに紛れて触れなくなってしまったけど、俺はこのたわわなおっぱいを揉むために生き延びたんだった!
『スライム3頭の魔石ならそうね……0.2秒ってところかしら?』
「魔石消費でお身体触れるシステム!?」
『下位精霊ならともかくとして、超常精霊ともなればそこに実体化しているだけで魔力消費が激しいんだもの。でも、たったそれだけの時間を費やすのも――』
「やる! やるぞ! 0.2秒でも俺は1分の至福を味わえる!」
『……男の子ってよく分からないわね。まぁいいわ。はい、魔石渡すのよ』
苦笑いにも似たため息をつきつつシーファはスライムから回収した魔石を手に取った。
『一瞬……なんだからね』
いざとなってみるとさすがのシーファも恥ずかしいのか少々顔を赤らめていた。
そうだ、この瞬間、俺の夢が一つ叶おうとしているのか……!
ォォォォォ……。
遠くから地鳴りのような音が聞こえた。
大地も俺の夢を祝福してくれている!
『……い、行くわよ。本当に一瞬なんだからね?』
魔石を空に掲げたシーファ。
彼女の周りが淡く光り輝いていく。
『3……』
ォォォォォ……ドドドドドド……。
大地の祝福が徐々に近付いてくる。
というか、うるさい。
『2……』
そしてシーファはシーファでなぜか涙目だ。
プルプルと小さく体を震わせつつも、覚悟を決めた様子で彼女の手のひらから魔石が吸収されていく。
『1――』
俺の手の平も、シーファのおっぱい目がけてロックオンが為された。
夢がついに叶う。それも、超絶美女のおっぱ――
ドドドドドドドドドドドドドドドッッッ!!
「そこのバカップル! さっさとどきなさい踏み潰されたいのッ!?」
シーファが実体化するという直前、大きな地鳴りと共に高い声の怒声が響き渡った!
ふと視界の端を見てみると、けたたましい土煙とともに猛スピードで馬車が突っ込んでくるのだ。
屋根の上に立つ一人の少女が怒声の張本人のようだ。
『……うぅ……!』
当のシーファは目を瞑って覚悟の表情を決めている!
おっぱいは死ぬほど名残惜しいが、そんなこと言ってる場合でもなくなっていた!
「シーファ! 目ぇ瞑ってる場合じゃなくなった! 馬車だ! それに――!!」
猛スピードで突っ込んでくる馬車は、何かに追われていた。
馬車に向かって火を吐き、ゆうゆうと羽ばたくその姿。
少女は懸命に魔法でそれを防いでいる最中だった。
「なんっでこんな所にワイバーン級がいるんだ!?」
推定Aランク級の魔獣が、俺たちの前にはだかっていた!!
恐らく向かい町の冒険者ギルドの管轄だ。
そこへ続く一本道は行商などがよく通るが、この真っ昼間には俺たちしかいない。
何とも平和な道だった。
そんななかで道の端に降って湧いたのは、小さなスライムが3匹程度。
子どもが放つ少しの魔法でさえ倒せてしまう、いわば最弱の魔獣だ。
「《暴風精霊術》、竜巻剣!」
スライムが3体同時に吹き飛んだ。
刃に暴風を纏わせて一振り。
吸い込まれるようにしてやってきたスライムは剣が発する風に巻き込まれ、メッタメタに斬り裂かれていく。
冒険者ギルドを出て1日が明けた。
「ッキュゥルルッ!?」
「キュルルルルルルル――」
「キュルン――ボ!?」
剣しか使えない俺にとって、弾力性のあるスライムはある種天敵でもあった。
だが少しの魔力で魔法を使っただけでこんなにもいとも簡単に倒せるようになるとは……。
魔法って奴の凄さを改めて思い知らされる。
『一つ一つ魔法に驚くのも良いけれど、こんなに軽々しく暴風の精霊術を使えるようになるとは思わなかったわ。流石ね』
よしよし、と触れられない手で頭をエア撫で撫でしてくるシーファ。
ほんのりとした温かさだけが空気を伝わってくる。
これはこれで新しい焦らされ方だ……ッ!!
シーファとの精霊契約によって俺は風の精霊術を使えるようになった。
いや、詳しく言えば風の精霊術というよりは……その更に上の超常である《暴風の精霊術》と言うべきだろうか。
シーファは言う。
『精霊にはおおよそ5種類いるわ。人間が分かりやすく呼称するためにつけた名前で言えば意識を持たない単純精霊体に、動物レベルの下位精霊体。風の下部組織で言うならば、シルフがそれに当たるわね』
あぁ、そういえばダンジョンの奥底にいたっけな。
羽の生えた小人だったな。あの精霊は下位精霊なのか。
『そして中位、高位精霊。数百年前に精霊術師が契約していたのはほとんどがこれに当たるわ。ここらは強さでランク分けすればキリがないから省くけど、そこから更に上にある天災級の力を持った精霊のことを、彼らはこぞってこう呼んだの』
「それが……超常精霊ってことか」
『そうね。ユグドラシルへの干渉能力も他の精霊たちとは群を抜いているし、本来は下界にいるような存在ではないのだけれどね。故郷母体がなくなった今私たちも呑気に構えている暇はなくなったのよ。超常精霊ですら消えてしまうようになった、こんな世の中じゃね』
難しい話はよく分からないが、超常精霊って凄まじい精霊であるシーファでさえ頑張らなくちゃ行けないような状況になってるってことか。
精霊界隈も何かと忙しいんだな。
『だからこそ、下界にやって来て数百年。あなたのように私を平然と使ってくれる精霊術師は何かと貴重な存在なの。胸でも膝枕でも、たかだかそれだけでやる気を出してくれるのなら何でも差し出すつもりよ』
ぷるるんと、大きな胸を突き出してくるシーファ。
そういえばそうだった!
ダンジョンを出ることに必死だったし、元パーティーをどうするかしか考えてなかったけど俺はおっぱいを求めてシーファの手を取ったんだった!
どさくさに紛れて触れなくなってしまったけど、俺はこのたわわなおっぱいを揉むために生き延びたんだった!
『スライム3頭の魔石ならそうね……0.2秒ってところかしら?』
「魔石消費でお身体触れるシステム!?」
『下位精霊ならともかくとして、超常精霊ともなればそこに実体化しているだけで魔力消費が激しいんだもの。でも、たったそれだけの時間を費やすのも――』
「やる! やるぞ! 0.2秒でも俺は1分の至福を味わえる!」
『……男の子ってよく分からないわね。まぁいいわ。はい、魔石渡すのよ』
苦笑いにも似たため息をつきつつシーファはスライムから回収した魔石を手に取った。
『一瞬……なんだからね』
いざとなってみるとさすがのシーファも恥ずかしいのか少々顔を赤らめていた。
そうだ、この瞬間、俺の夢が一つ叶おうとしているのか……!
ォォォォォ……。
遠くから地鳴りのような音が聞こえた。
大地も俺の夢を祝福してくれている!
『……い、行くわよ。本当に一瞬なんだからね?』
魔石を空に掲げたシーファ。
彼女の周りが淡く光り輝いていく。
『3……』
ォォォォォ……ドドドドドド……。
大地の祝福が徐々に近付いてくる。
というか、うるさい。
『2……』
そしてシーファはシーファでなぜか涙目だ。
プルプルと小さく体を震わせつつも、覚悟を決めた様子で彼女の手のひらから魔石が吸収されていく。
『1――』
俺の手の平も、シーファのおっぱい目がけてロックオンが為された。
夢がついに叶う。それも、超絶美女のおっぱ――
ドドドドドドドドドドドドドドドッッッ!!
「そこのバカップル! さっさとどきなさい踏み潰されたいのッ!?」
シーファが実体化するという直前、大きな地鳴りと共に高い声の怒声が響き渡った!
ふと視界の端を見てみると、けたたましい土煙とともに猛スピードで馬車が突っ込んでくるのだ。
屋根の上に立つ一人の少女が怒声の張本人のようだ。
『……うぅ……!』
当のシーファは目を瞑って覚悟の表情を決めている!
おっぱいは死ぬほど名残惜しいが、そんなこと言ってる場合でもなくなっていた!
「シーファ! 目ぇ瞑ってる場合じゃなくなった! 馬車だ! それに――!!」
猛スピードで突っ込んでくる馬車は、何かに追われていた。
馬車に向かって火を吐き、ゆうゆうと羽ばたくその姿。
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