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イケメンさんと抱っこ
黙々と手を動かす。料理は、よく前世で姉と妹に丸投げされていたので慣れっこだ。さっきのことを思い出す間がないように、料理のことだけを頑張って考えている。
しかし、予想通りそれを邪魔する者が、さっきから僕の方に何か言いたげに黙って視線を向けている。
「…何作ってんだ?」
「あ、....えと、サンドイッチっ!....だよっ。」
「見たことない....。ご飯?なのか?」
「うんっ。これはねぇ、片手でも手軽に食べれる、軽食にぴったりのご飯なのっ!
あっ、でもね、こっちのフルーツ挟んでるのは、デザートに近いかもしんない。どっちもおいしんだよっ。」
「へぇー。…でも、今食べんのか?」
「うんっ!そうだよっ。…おにいさんも食べる?」
「今は人間でいう夜じゃねぇの?子どもが一人でご飯食べる時間じゃないだろ?」
「ふふっ。今日は特別なのっ!
おにいさんっ、このことは二人の秘密ねっ?....ダメかなぁ?」
「....お前っ、そういう顔あんましない方がいいぞ。
もし俺が悪い魔物だったら誘拐か、だまして契約してただろうよ。」
気まずかったはずなのに、いつの間にか普通に話している。自分が作ったものに対して純粋な興味を向けられるのが嬉しくて食い気味に答えてしまったけど、お兄さんは気にする様子もなくしっかり耳を傾けてくれる。それが嬉しくて、またもや馴れ馴れしい態度をとってしまったが、優しく、何やら心配をしてくれているみたいだ。
「これ、どこでたべようかなぁ…。」
「....俺が特別な場所に連れてってやるよっ。俺とお前の秘密だから、誰にも言うなよ?」
「ほんと?うれしいっ!!絶対に誰にも言わないっ。約束!」
「ははっ。そんなに嬉しそうにされるとは思わなかったな…。」
「ふふっ、だってうれしいんだもーんっ。」
誰かと秘密を共有することは、凄く特別なことだと個人的に思う。それは、僕を信じてくれているということだし、僕のことが嫌いではないのだと信じれるからだ。重い....だろうか。信頼の証だと勝手に受け取ってしまってる。
「ほら、食べ物こっちよこしなっ。」
ネガティブになりかけたところで、遮るようにおにいさんの声が響く。言うとおりに食べ物を渡すと、その人の手の中に突如現れた、丸い平面の黒い空間に瞬時に吸い込まれたように見えた。
そこで、忘れていたことに気付く。ここって魔法の世界だった、と。
「それって.....まほう?」
「そうだ。」
「僕も使えるようになる?」
「…日々の鍛錬を怠らなかったらな。…無属性適正はあんのか?」
「適正ってなに?」
「…ん?お前、何歳だ?」
「僕、今8歳!」
「じゃあ、もうすぐわかるんじゃねぇの?....悪いが俺はよく分からんから、合っているかは分からないが…。」
急にワクワクしだした俺に気付いたのか、間違ってたら悪いと、焦って言葉を濁す。
「ほら、着いたぞ。」
「.......。」
いつの間に?というか、ここ.......どこだろう?
冷静に辺りを見回してみる。
青々とした木々に囲まれ、丸く開けた緑の絨毯の上にいる。ふわふわと心地よさそうで、しゃがんで触ってみる。
柔らかくて、心地の良いその感じに、思い切って寝転んでみる。
「ふふふっ。」
楽しくて思わず笑みを溢す。横を見ると、僕をほほえましそうに見つめながら、食べ物が入ったバスケットを空間から取り出していた。
「おいしいねぇ。イケメンさんは、どっちがおいしかったですかぁ?」
「勿論どっちも美味しかったが....そうだな、強いて言うならこっちの甘いのじゃないやつかな。」
「これねぇ、卵サンドっていうんだぁ。美味しいってゆってくれてありがとっ。」
作りすぎたせいか少し余ってしまったが、僕の今日の朝ごはんにできるから、凄く嬉しい。それにしても、多すぎるかもしれないけど…。
「あ、あの....朝ご飯とか、軽食によかったら.....どうぞっ。」
「いいのか?ありがとうな。」
本当に嬉しそうに顔をほころばせるイケメンさん。そんな表情も凄くかっこいいなぁ。
僕たちは、のんびりと過ごした。僕の食べ物の話しとか、イケメンさんのかっこいい話しとか。
心穏やかな空間、そして、温かい日差し。
「あれっ、何でこんなにあったかいの?お日様出るの早すぎるよね?」
「ふふんっ。それは、俺がすごいやつだからだっ。」
「魔法?」
「そうそう。それで、俺は何でもできちゃうわけなの。」
「すごぉーい。イケメンさんはどこまでもかっこいいねぇ。」
「そういうことっ。だから、何か困ったこととか、やりたいことがあったら何でも言えよっ。」
「ほんとっ?嬉しい!ならねぇ、また、一緒にご飯食べたりのんびりしたいなぁ。」
「.....そんなことでいいのか?もっとやりたいこととか、ないのか?」
「あるにはあるけどね、頼りすぎちゃうと僕ひとりじゃ何にもできない子になってしまいそうだから…。」
「…お前なら大丈夫だよっ。だからよ、やりたいことがあったら一番に俺を呼ぶんだぞ?わかったか?」
「.....うんっ。イケメンさんっ、どうもありがとうございましたっ。」
「....どういたしまして。」
ふああぁ~
大きな欠伸をしてしまって、恥ずかしくなって口元をおさえる。イケメンさんは、そんな僕を優しく抱きしめ、頭をなでてくれた。とても温かくて、すごく満たされて、嬉しくて、そんな幸せすぎる感情を認識していたら、瞼の重みでゆっくりと意識を手放していた。
どこかで争う声が聞こえる。眠たかったはずなのに、はっきりと意識が覚醒している。
目をこすって、ゆっくりと体を動かす。
すると、僕を抱っこしていたイケメンさんはそれに気づき、優しく頭を撫でてくれた。それが凄く気持ちよくて、僕もぎゅーっと抱きしめ返す。温かくて自然と笑みがこぼれ、イケメンさんの胸に頭をぐりぐりと押し付ける。
そんな僕を温かく見つめ、僕の額、鼻、瞼とキスを落とす。右ほおに温かい感触を感じるか感じないかのところで、僕は、イケメンさんの腕の中から離れていた。
新たに違う温もりに体を包まれ、顔を見上げる。キリっとした、僕と同じ翡翠の瞳を歪め、永遠の敵に向けるような視線をイケメンさんにしていた。僕が見ていることに気がつくと、アースヴァルドお兄様は、穏やかに、心配そうに、どこか温かい視線を向ける。
驚いた顔で放心した僕を見つめながらも、頭をなでたり、額や頬など、顔までもを優しく、どこか執拗に撫でる。アースヴァルドお兄様が余りにも優しい顔で、優しく触ってくれるものだから、嬉しくて思わず微笑む。そんな僕の顔を少し驚いた顔で周りの騎士たちも見てくので、恥ずかしくてお兄様の首元に顔を埋める。
必然的にお兄様の背中に視線がいくと、ノヴァとリカルドお兄様が僕を心配そうに見つめながら、近づいてくるのが見えた。何故か静かに音をたてないように近づいている気がする。
気付いた時にはリカルドお兄様の腕の中で、アースヴァルドお兄様とノヴァが何やら怒ったような顔をしながら、リカルドお兄様の背中や足を蹴ったりたたいたりしていた。しかも、僕に当たらないように気を付けているのがわかる。
そうではないのは何となくわかるものの、僕だけ仲間はずれな気がして、寂しくて、構ってほしくて、リカルドお兄様の僕の目をふさごうと伸びてきた手を取って、軽くキスをする。ちゅっ、と思ったよりも音が鳴った。
リカルドお兄様が目を見開き、意識を手放したかのように、兄弟たちに抵抗していた体をピタッと止める。しばらくたっても何の身動きもしないお兄様が心配になって、周りを見渡す。いつの間にか静かになっていた周りに今更気付き、僕のほうに向く多くの視線を感じる。
騎士たちや兄弟、両親、イケメンさんまでもがリカルドお兄様と同じように、僕のほうに視線を向けたまま、固まってしまったかのように誰も動かなかった。
その状況にひたすら困惑した僕は、皆が動くようになるまで、頑張ってこの状況を理解しようと、答えがわからない難問に頭を悩ませていた。
しかし、予想通りそれを邪魔する者が、さっきから僕の方に何か言いたげに黙って視線を向けている。
「…何作ってんだ?」
「あ、....えと、サンドイッチっ!....だよっ。」
「見たことない....。ご飯?なのか?」
「うんっ。これはねぇ、片手でも手軽に食べれる、軽食にぴったりのご飯なのっ!
あっ、でもね、こっちのフルーツ挟んでるのは、デザートに近いかもしんない。どっちもおいしんだよっ。」
「へぇー。…でも、今食べんのか?」
「うんっ!そうだよっ。…おにいさんも食べる?」
「今は人間でいう夜じゃねぇの?子どもが一人でご飯食べる時間じゃないだろ?」
「ふふっ。今日は特別なのっ!
おにいさんっ、このことは二人の秘密ねっ?....ダメかなぁ?」
「....お前っ、そういう顔あんましない方がいいぞ。
もし俺が悪い魔物だったら誘拐か、だまして契約してただろうよ。」
気まずかったはずなのに、いつの間にか普通に話している。自分が作ったものに対して純粋な興味を向けられるのが嬉しくて食い気味に答えてしまったけど、お兄さんは気にする様子もなくしっかり耳を傾けてくれる。それが嬉しくて、またもや馴れ馴れしい態度をとってしまったが、優しく、何やら心配をしてくれているみたいだ。
「これ、どこでたべようかなぁ…。」
「....俺が特別な場所に連れてってやるよっ。俺とお前の秘密だから、誰にも言うなよ?」
「ほんと?うれしいっ!!絶対に誰にも言わないっ。約束!」
「ははっ。そんなに嬉しそうにされるとは思わなかったな…。」
「ふふっ、だってうれしいんだもーんっ。」
誰かと秘密を共有することは、凄く特別なことだと個人的に思う。それは、僕を信じてくれているということだし、僕のことが嫌いではないのだと信じれるからだ。重い....だろうか。信頼の証だと勝手に受け取ってしまってる。
「ほら、食べ物こっちよこしなっ。」
ネガティブになりかけたところで、遮るようにおにいさんの声が響く。言うとおりに食べ物を渡すと、その人の手の中に突如現れた、丸い平面の黒い空間に瞬時に吸い込まれたように見えた。
そこで、忘れていたことに気付く。ここって魔法の世界だった、と。
「それって.....まほう?」
「そうだ。」
「僕も使えるようになる?」
「…日々の鍛錬を怠らなかったらな。…無属性適正はあんのか?」
「適正ってなに?」
「…ん?お前、何歳だ?」
「僕、今8歳!」
「じゃあ、もうすぐわかるんじゃねぇの?....悪いが俺はよく分からんから、合っているかは分からないが…。」
急にワクワクしだした俺に気付いたのか、間違ってたら悪いと、焦って言葉を濁す。
「ほら、着いたぞ。」
「.......。」
いつの間に?というか、ここ.......どこだろう?
冷静に辺りを見回してみる。
青々とした木々に囲まれ、丸く開けた緑の絨毯の上にいる。ふわふわと心地よさそうで、しゃがんで触ってみる。
柔らかくて、心地の良いその感じに、思い切って寝転んでみる。
「ふふふっ。」
楽しくて思わず笑みを溢す。横を見ると、僕をほほえましそうに見つめながら、食べ物が入ったバスケットを空間から取り出していた。
「おいしいねぇ。イケメンさんは、どっちがおいしかったですかぁ?」
「勿論どっちも美味しかったが....そうだな、強いて言うならこっちの甘いのじゃないやつかな。」
「これねぇ、卵サンドっていうんだぁ。美味しいってゆってくれてありがとっ。」
作りすぎたせいか少し余ってしまったが、僕の今日の朝ごはんにできるから、凄く嬉しい。それにしても、多すぎるかもしれないけど…。
「あ、あの....朝ご飯とか、軽食によかったら.....どうぞっ。」
「いいのか?ありがとうな。」
本当に嬉しそうに顔をほころばせるイケメンさん。そんな表情も凄くかっこいいなぁ。
僕たちは、のんびりと過ごした。僕の食べ物の話しとか、イケメンさんのかっこいい話しとか。
心穏やかな空間、そして、温かい日差し。
「あれっ、何でこんなにあったかいの?お日様出るの早すぎるよね?」
「ふふんっ。それは、俺がすごいやつだからだっ。」
「魔法?」
「そうそう。それで、俺は何でもできちゃうわけなの。」
「すごぉーい。イケメンさんはどこまでもかっこいいねぇ。」
「そういうことっ。だから、何か困ったこととか、やりたいことがあったら何でも言えよっ。」
「ほんとっ?嬉しい!ならねぇ、また、一緒にご飯食べたりのんびりしたいなぁ。」
「.....そんなことでいいのか?もっとやりたいこととか、ないのか?」
「あるにはあるけどね、頼りすぎちゃうと僕ひとりじゃ何にもできない子になってしまいそうだから…。」
「…お前なら大丈夫だよっ。だからよ、やりたいことがあったら一番に俺を呼ぶんだぞ?わかったか?」
「.....うんっ。イケメンさんっ、どうもありがとうございましたっ。」
「....どういたしまして。」
ふああぁ~
大きな欠伸をしてしまって、恥ずかしくなって口元をおさえる。イケメンさんは、そんな僕を優しく抱きしめ、頭をなでてくれた。とても温かくて、すごく満たされて、嬉しくて、そんな幸せすぎる感情を認識していたら、瞼の重みでゆっくりと意識を手放していた。
どこかで争う声が聞こえる。眠たかったはずなのに、はっきりと意識が覚醒している。
目をこすって、ゆっくりと体を動かす。
すると、僕を抱っこしていたイケメンさんはそれに気づき、優しく頭を撫でてくれた。それが凄く気持ちよくて、僕もぎゅーっと抱きしめ返す。温かくて自然と笑みがこぼれ、イケメンさんの胸に頭をぐりぐりと押し付ける。
そんな僕を温かく見つめ、僕の額、鼻、瞼とキスを落とす。右ほおに温かい感触を感じるか感じないかのところで、僕は、イケメンさんの腕の中から離れていた。
新たに違う温もりに体を包まれ、顔を見上げる。キリっとした、僕と同じ翡翠の瞳を歪め、永遠の敵に向けるような視線をイケメンさんにしていた。僕が見ていることに気がつくと、アースヴァルドお兄様は、穏やかに、心配そうに、どこか温かい視線を向ける。
驚いた顔で放心した僕を見つめながらも、頭をなでたり、額や頬など、顔までもを優しく、どこか執拗に撫でる。アースヴァルドお兄様が余りにも優しい顔で、優しく触ってくれるものだから、嬉しくて思わず微笑む。そんな僕の顔を少し驚いた顔で周りの騎士たちも見てくので、恥ずかしくてお兄様の首元に顔を埋める。
必然的にお兄様の背中に視線がいくと、ノヴァとリカルドお兄様が僕を心配そうに見つめながら、近づいてくるのが見えた。何故か静かに音をたてないように近づいている気がする。
気付いた時にはリカルドお兄様の腕の中で、アースヴァルドお兄様とノヴァが何やら怒ったような顔をしながら、リカルドお兄様の背中や足を蹴ったりたたいたりしていた。しかも、僕に当たらないように気を付けているのがわかる。
そうではないのは何となくわかるものの、僕だけ仲間はずれな気がして、寂しくて、構ってほしくて、リカルドお兄様の僕の目をふさごうと伸びてきた手を取って、軽くキスをする。ちゅっ、と思ったよりも音が鳴った。
リカルドお兄様が目を見開き、意識を手放したかのように、兄弟たちに抵抗していた体をピタッと止める。しばらくたっても何の身動きもしないお兄様が心配になって、周りを見渡す。いつの間にか静かになっていた周りに今更気付き、僕のほうに向く多くの視線を感じる。
騎士たちや兄弟、両親、イケメンさんまでもがリカルドお兄様と同じように、僕のほうに視線を向けたまま、固まってしまったかのように誰も動かなかった。
その状況にひたすら困惑した僕は、皆が動くようになるまで、頑張ってこの状況を理解しようと、答えがわからない難問に頭を悩ませていた。
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