僕の隣の日本悪魔

雑賀草

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【1話】最初の日

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 橋爪隆治は人間世界に憧れていた。なんでかって?自分がスーパーマンになれると信じていたらしい。悪魔は人間社会に溶け込んでいるくらいだから、まだ人間社会に入ってきていない悪魔にも人間社会を知る機会はいくらでもある。テレビも結構人間社会と密接な関係を持った番組らしい。家庭ごと人間社会に溶け込むことはまずないらしい。悪魔に生まれたのにもかかわらず、最初から人間社会で人間のふりをさせるのは酷だという話のようである。それゆえに悪魔の子供は誰であっても、悪魔として生きるか人間社会に溶け込んで生きるかを選ぶことができるらしい。
でもそんなの、橋爪隆治にとっては余計なおせっかいだったようである。最初から人間社会に生まれていればと何度もぼやく。でも人間社会に生まれたら人間の世界に憧れることもなかったんじゃないか、なんて言ったら目を輝かせてその通りだという。
 彼についての紹介はこれくらいにして、ああ、僕と彼が出会った最初の日の話をしよう。そう、彼は転校生としてやってきた。すぐにボロが出ていたが彼なりに「転校生」について勉強してから来ていたらしかった。でも彼の勉強の参考書って幸か不幸か漫画だったんだ。その漫画は異能の持ち主が大量に集まる学校の話であって、現実の話じゃなかった。それを現実世界として覚えてしまった橋爪はあるシーンをそのまま実行してしまったというわけだ。
これだと橋爪にとっての不幸しかあなたには伝わらないかもしれないけれど、幸運は何かと言うとその漫画が当時人気な漫画だったということ。もちろん僕も好きだったし、クラスメイトの男子には読んでいないやつはいなかった。つまり、橋爪はスーパー転校生になれたってわけさ。男子中学生なんて、そんな深くは気にしない。だから人気ばかり出て、気味悪がられるなんてこともなかった。
 僕と橋爪は、橋爪のせいで隣の席になった。だからなのかわからないが、橋爪は全ての授業が終わるとどこかに転がっていそうなセリフを言ってきた。
「おう、悪ドナルドにでも寄って行こうぜ。」
仲良かったら、そして財布を持ってこれる中学だったら間違いじゃあなかった。前半は「転校生」だから無視するとしても、財布を持ってこれなければ寄ったところで営業妨害だ。とりあえず一緒に帰ることにして、途中でお金のことは切り出そうとした僕が間違いだった。
 悪ドナルドの近くで彼にそれを伝えると、全くの無関係という顔をして悪ドナルドに入っていった。それでなんの漫画で覚えたのか、店員にどこからだしたかわからないナイフを突きつけてこういったんだ。
「おい、金を出せ!金じゃなければハンバーガー!」
 彼は人間生活一日目で鑑別所行きになったよ。
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