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番外編
新婚旅行へ行こう 4
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マカオに着く頃には、既に午後の八時を過ぎていた。ひなこ達はバスに乗り、すぐにホテルへ移動する。
バスは海辺を走行した。ひなこ達が宿泊するホテルのあるコタイ地区は、最近リゾートホテルがどんどん増えているらしい。派手なイルミネーションが窓の外を流れていくのを、ひなこは飽かずに見つめ続けた。
たどり着いたのは、壮麗なリゾートホテルの一つ。固有名詞に『パレス』が入っている時点で気が引けていたのだが、そこはまさに宮殿のような場所だった。
「な、何でメリーゴーランド……」
天井が高く、広々としたエントランスにはなぜかメリーゴーランドがあった。目に付くオブジェも全てが色鮮やかで、まるで遊園地にでもいるようだ。
ホテル内にショッピングモールのような施設があり、深夜0時まで開いているブランド店もあるらしい。何だかもう、規模が違う。
「うーん、クラクラしてきた……」
部屋ももちろん贅を凝らした造りだ。
大理石の床に、エアジェット付きのバスタブ。マットレスはイタリア製でとても広々としている。今回も、ツインルームに譲葉と泊まる予定だった。
「ひ、広すぎない? 本当にこれって、二人部屋なの?」
「何もかも派手すぎて、段々笑えてくるね」
唯一の救いは、全てのものが仰々しいのに不思議と堅苦しさがないことだった。
賑やかな雰囲気と生命力さえ感じられて、夜だというのにワクワクしてくる。この独特の空気が、マカオらしさなのかもしれない。
「ホテル内で光と水のショーもやっているらしいよ。スカイキャブってゴンドラに乗ると、音楽に合わせて高く吹き上がる噴水を、上から眺めることができるんだって」
「これ以上に何かあるの!? もうさすがにお腹いっぱいだよ!」
悲鳴を上げるひなこに、譲葉が苦笑した。
「確かに。とりあえず、今日はもう休もうか。明日は色んなところに行こうね」
「うん。それに沢山食べようね」
飛行機に乗ったからか、自覚はなくとも疲れていたらしい。ひなこは横になると、すぐに深い眠りへと落ちていった。
◇ ◆ ◇
翌日は素晴らしい快晴だった。
ホテルで朝食を済ませて街へと飛び出す。
オープンバスがあったので、試しに乗ってみた。昨晩通った海岸沿いを走ると、日射しを感じていた肌に海風が心地いい。
「あのホテル、ステーキハウスもあって、そこで3Dショーも楽しめるらしいよ」
「もうそこまでくると、ただのネタだね」
バスを降りて譲葉と軽口を叩いていると、まだ早い時間なのに人がやけに多いことに気付いた。しかも、観光客というより地元民が多いようだ。
「そっか。中国といえば朝はお粥だもんね。朝食は外で食べる文化らしいし」
「ひなちゃん、まだ食べる気なの? それこそもうネタでしょ」
言いつつ、健啖家の譲葉と楓は付き合ってくれた。最近育ち盛りで食欲旺盛な柊もだ。
石畳の街並みを進むと、まるで民家のような食堂があった。試しに入ってみると、黒ごまの汁粉が食べられるということらしい。
四人前を頼むと、汁粉はすぐに提供された。驚くほど真っ黒な液体がなみなみと入っている。
「何だこれ。餅が入ってないぞ?」
「すりつぶしたもち米が、この汁粉自体に入ってるってことなんじゃないかな? こんなの初めて食べるよ」
「でも、おいしいね~」
ワイワイと感想を言い合うひなこ達を、茜と雪人は終始呆れ顔で眺めていた。
食堂を出て、早速観光を始める。手始めに、リスボアに程近いセナド広場に向かう。
「ここは、マカオといえば定番の観光スポットなんですよ」
「あれスゴいな! あの噴水!」
柊が興奮気味に指を差したのは、広場の中央で水しぶきを上げる噴水だった。天球儀をかたどった球状のオブジェが中心に設置されていて、とても珍しい。
「街並み自体も、すごく綺麗だね。本当にヨーロッパみたいだ」
譲葉も笑みを浮かべながら周囲を見回している。ポルトガルの植民地だったため、街並みはどこかヨーロッパを彷彿とさせた。
彼女の隣を歩いていた茜が、遠くを眺めながら口を開く。
「……あれが、有名な世界遺産の建物かな」
彼の視線をたどると、壁面を彩る一際鮮やかな青いタイルが目に飛び込んできた。
「さすが、茜は物知りだね。あれは民政総署。一七八四年に建てられ、現在は地方自治局として利用されているらしい。簡単に言うと、役所だね」
「あの青いタイルは、アズレージョっていうらしいです。かつてマカオを統治していたポルトガル文化の特徴ですね」
雪人の説明に、ひなこがガイドブックを読みながら補足する。
アズレージョと呼ばれるタイルは、白地に青で細やかな模様が描き込まれた、とても精緻なデザイン。ガイドブックによると、民政総署のあちこちに配されているらしい。
「中には、魚や動物なんかのちょっと変わったモチーフもあるらしいですよ」
「建物の中には入っていいのかな?」
「市役所みたいなものだから、出入りは自由だよ。中庭とか色んなところにあるみたいだし、探して歩くのも楽しいかも」
譲葉は、可愛いものや綺麗なものが好きだ。期待感からやや足を早めながら建物へ近付いていく。
エントランスに入ると、柔らかな陽光が遮られ、少しひんやりと感じた。正面には階段があり、壁面にはアズレージョがある。
「綺麗……」
思わず呟くと、いつの間にかすぐ側に雪人が立っていた。
「ひなこさんなら、きっと気に入るだろうと思っていたよ」
「独特の風合いですよね。それに模様も、とても細かくて」
精緻な曲線を眺めていると吸い込まれてしまいそうだ。じっと見入る隣で、雪人が忍び笑う気配がした。
「あなたと一緒に、これを見たかったんだ。そうやって、隣で楽しそうに笑ってくれる顔を想像して、連れてきたいと思った」
彼の瞳が愛情深く細められ、一心にひなこだけを映していた。
もしかしたら、自分もこんな目で彼を見つめているのだろうか。無性に恥ずかしく感じながらも、しどろもどろに本音を伝えた。
「マカオに来れて嬉しいです。雪人さんに、本当に感謝してます。……だけど私は、あなたと一緒なら、どこにいたって楽しいし、幸せなんですよ」
忙しい彼に、あまり無理をさせたくない。それに、彼とならばどこにいたって構わないというのは、紛れもない本心だ。
そんな思いで伝えたというのに、雪人はなぜか苦しそうに顔を覆い隠してしまった。
「雪人さん?」
「ひなこさん……とりあえず、手を繋いでもいいかな?」
「へ!? 急に何ですか!?」
「そうでもしないと、自分が何をするか、正直分からない」
物騒な発言をする彼の瞳はいたって真剣で、なおさら不安を煽る。
けれど人前で手を繋ぐというのは、触れ合いに慣れないひなこにとってやはり恥ずかしい行為だ。知人の目がないだろう海外であっても抵抗があった。
オタオタ躊躇っていると、雪人とは別の声が割って入った。
「おーい、ひなこ! あっちでお前の言ってた、アフリカンチキンってヤツが食べれるらしいぞ!」
「えっ……!?」
マカオでしか食べられないという、アフリカンチキン。その甘美な響きは、一瞬でひなこの心を鷲掴みにした。
雪人との会話などすっかり頭から吹き飛び、知らせてくれた柊の方へ走り出す。
無惨な有り様であとに残された雪人の肩を、茜が無言で叩いた。
「……あの人達、食べたばかりなのにね」
「若者と結婚するには、強靭な胃袋が必要だと悟ったよ……」
遠い目をして微笑む雪人に、茜は気遣いに溢れた苦言を呈した。
「努力の方向性を間違えないでね、父さん。無理をしたら胃によくないし、多分年齢的に……直接体型に影響があるから」
我が子に肥えてしまう可能性を示唆され、雪人はガックリ肩を落とした。
「……残酷だなぁ、茜は」
トボトボ歩き出した父親を支えるように、茜は半歩後ろを進んだ。
バスは海辺を走行した。ひなこ達が宿泊するホテルのあるコタイ地区は、最近リゾートホテルがどんどん増えているらしい。派手なイルミネーションが窓の外を流れていくのを、ひなこは飽かずに見つめ続けた。
たどり着いたのは、壮麗なリゾートホテルの一つ。固有名詞に『パレス』が入っている時点で気が引けていたのだが、そこはまさに宮殿のような場所だった。
「な、何でメリーゴーランド……」
天井が高く、広々としたエントランスにはなぜかメリーゴーランドがあった。目に付くオブジェも全てが色鮮やかで、まるで遊園地にでもいるようだ。
ホテル内にショッピングモールのような施設があり、深夜0時まで開いているブランド店もあるらしい。何だかもう、規模が違う。
「うーん、クラクラしてきた……」
部屋ももちろん贅を凝らした造りだ。
大理石の床に、エアジェット付きのバスタブ。マットレスはイタリア製でとても広々としている。今回も、ツインルームに譲葉と泊まる予定だった。
「ひ、広すぎない? 本当にこれって、二人部屋なの?」
「何もかも派手すぎて、段々笑えてくるね」
唯一の救いは、全てのものが仰々しいのに不思議と堅苦しさがないことだった。
賑やかな雰囲気と生命力さえ感じられて、夜だというのにワクワクしてくる。この独特の空気が、マカオらしさなのかもしれない。
「ホテル内で光と水のショーもやっているらしいよ。スカイキャブってゴンドラに乗ると、音楽に合わせて高く吹き上がる噴水を、上から眺めることができるんだって」
「これ以上に何かあるの!? もうさすがにお腹いっぱいだよ!」
悲鳴を上げるひなこに、譲葉が苦笑した。
「確かに。とりあえず、今日はもう休もうか。明日は色んなところに行こうね」
「うん。それに沢山食べようね」
飛行機に乗ったからか、自覚はなくとも疲れていたらしい。ひなこは横になると、すぐに深い眠りへと落ちていった。
◇ ◆ ◇
翌日は素晴らしい快晴だった。
ホテルで朝食を済ませて街へと飛び出す。
オープンバスがあったので、試しに乗ってみた。昨晩通った海岸沿いを走ると、日射しを感じていた肌に海風が心地いい。
「あのホテル、ステーキハウスもあって、そこで3Dショーも楽しめるらしいよ」
「もうそこまでくると、ただのネタだね」
バスを降りて譲葉と軽口を叩いていると、まだ早い時間なのに人がやけに多いことに気付いた。しかも、観光客というより地元民が多いようだ。
「そっか。中国といえば朝はお粥だもんね。朝食は外で食べる文化らしいし」
「ひなちゃん、まだ食べる気なの? それこそもうネタでしょ」
言いつつ、健啖家の譲葉と楓は付き合ってくれた。最近育ち盛りで食欲旺盛な柊もだ。
石畳の街並みを進むと、まるで民家のような食堂があった。試しに入ってみると、黒ごまの汁粉が食べられるということらしい。
四人前を頼むと、汁粉はすぐに提供された。驚くほど真っ黒な液体がなみなみと入っている。
「何だこれ。餅が入ってないぞ?」
「すりつぶしたもち米が、この汁粉自体に入ってるってことなんじゃないかな? こんなの初めて食べるよ」
「でも、おいしいね~」
ワイワイと感想を言い合うひなこ達を、茜と雪人は終始呆れ顔で眺めていた。
食堂を出て、早速観光を始める。手始めに、リスボアに程近いセナド広場に向かう。
「ここは、マカオといえば定番の観光スポットなんですよ」
「あれスゴいな! あの噴水!」
柊が興奮気味に指を差したのは、広場の中央で水しぶきを上げる噴水だった。天球儀をかたどった球状のオブジェが中心に設置されていて、とても珍しい。
「街並み自体も、すごく綺麗だね。本当にヨーロッパみたいだ」
譲葉も笑みを浮かべながら周囲を見回している。ポルトガルの植民地だったため、街並みはどこかヨーロッパを彷彿とさせた。
彼女の隣を歩いていた茜が、遠くを眺めながら口を開く。
「……あれが、有名な世界遺産の建物かな」
彼の視線をたどると、壁面を彩る一際鮮やかな青いタイルが目に飛び込んできた。
「さすが、茜は物知りだね。あれは民政総署。一七八四年に建てられ、現在は地方自治局として利用されているらしい。簡単に言うと、役所だね」
「あの青いタイルは、アズレージョっていうらしいです。かつてマカオを統治していたポルトガル文化の特徴ですね」
雪人の説明に、ひなこがガイドブックを読みながら補足する。
アズレージョと呼ばれるタイルは、白地に青で細やかな模様が描き込まれた、とても精緻なデザイン。ガイドブックによると、民政総署のあちこちに配されているらしい。
「中には、魚や動物なんかのちょっと変わったモチーフもあるらしいですよ」
「建物の中には入っていいのかな?」
「市役所みたいなものだから、出入りは自由だよ。中庭とか色んなところにあるみたいだし、探して歩くのも楽しいかも」
譲葉は、可愛いものや綺麗なものが好きだ。期待感からやや足を早めながら建物へ近付いていく。
エントランスに入ると、柔らかな陽光が遮られ、少しひんやりと感じた。正面には階段があり、壁面にはアズレージョがある。
「綺麗……」
思わず呟くと、いつの間にかすぐ側に雪人が立っていた。
「ひなこさんなら、きっと気に入るだろうと思っていたよ」
「独特の風合いですよね。それに模様も、とても細かくて」
精緻な曲線を眺めていると吸い込まれてしまいそうだ。じっと見入る隣で、雪人が忍び笑う気配がした。
「あなたと一緒に、これを見たかったんだ。そうやって、隣で楽しそうに笑ってくれる顔を想像して、連れてきたいと思った」
彼の瞳が愛情深く細められ、一心にひなこだけを映していた。
もしかしたら、自分もこんな目で彼を見つめているのだろうか。無性に恥ずかしく感じながらも、しどろもどろに本音を伝えた。
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忙しい彼に、あまり無理をさせたくない。それに、彼とならばどこにいたって構わないというのは、紛れもない本心だ。
そんな思いで伝えたというのに、雪人はなぜか苦しそうに顔を覆い隠してしまった。
「雪人さん?」
「ひなこさん……とりあえず、手を繋いでもいいかな?」
「へ!? 急に何ですか!?」
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物騒な発言をする彼の瞳はいたって真剣で、なおさら不安を煽る。
けれど人前で手を繋ぐというのは、触れ合いに慣れないひなこにとってやはり恥ずかしい行為だ。知人の目がないだろう海外であっても抵抗があった。
オタオタ躊躇っていると、雪人とは別の声が割って入った。
「おーい、ひなこ! あっちでお前の言ってた、アフリカンチキンってヤツが食べれるらしいぞ!」
「えっ……!?」
マカオでしか食べられないという、アフリカンチキン。その甘美な響きは、一瞬でひなこの心を鷲掴みにした。
雪人との会話などすっかり頭から吹き飛び、知らせてくれた柊の方へ走り出す。
無惨な有り様であとに残された雪人の肩を、茜が無言で叩いた。
「……あの人達、食べたばかりなのにね」
「若者と結婚するには、強靭な胃袋が必要だと悟ったよ……」
遠い目をして微笑む雪人に、茜は気遣いに溢れた苦言を呈した。
「努力の方向性を間違えないでね、父さん。無理をしたら胃によくないし、多分年齢的に……直接体型に影響があるから」
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