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第3章・アイドルの恋愛事情
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***
-???-
ギラギラと照り付ける太陽の下。
ドサッ…
「ピィッ!………あっっつぅ!!」
しばし水の中で過ごしていたフルールは、突然の重力に体がふらつき、その際、元に戻った「足」が絡まり、顔面から転倒してしまう。
幸い、柔らかな砂の上だった為、怪我をする事はなかったが、熱を吸収した砂の上は暑く、フルールは咄嗟に跳び跳ねた。
あまりの暑さに、見上げた空は赤く見え「まるで燃えているみたいだ…」と、フルールは思うのだった。
すると
「ニハハハハハッ!」
「!!!」
突然、大きな笑い声が辺りに響き渡り、同時にフルールは「誰か」に抱えあげられた。
その「誰か」に、フルールは驚愕する。
黒髪の短髪に褐色肌の大男。鍛えられた体は「あの」ウルティムスよりも大きい。一言で言うならば、ゴリゴリのマッチョ男。
だが、ぱっちり二重のアイスブルーの瞳と、大きな口から見え隠れする八重歯が幼さを感じさせる。
大男は人懐っこい笑顔を浮かべ、叫んだ。
「これは驚いた!「勝利の女神」が降ってきたではないか!」
「皆のもの!我の「勝利」が確実となったぞ!」
わぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!
おぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!
ビリビリと凄まじい歓声に、フルールは「この場所」が何処なのか、瞬時に把握した。
「…っ…(なんで……)」
「ある王国」に存在する「灼熱砂漠」のド真ん中。そこに建てられた闘技場。
此処では「毎日」多くの剣士達が剣を交えて戦う。
時には、猛獣相手とも戦いを繰り広げる場所であり、今では民の娯楽施設にもなっている。
フルールが転移した、この王国の別名は
「死戦の大地」
「死してなおも戦い続ける」を、国の標語に掲げる、この王国の名は
「バダク王国」
海に囲まれたマーレ王国とは、真逆に位置する王国であり、此処で暮らす者は皆「戦」に身命を賭している。
それは「王族」も例外ではない。フラッと、国王自ら闘技場に現れ、剣を交え戦う。
この日、観戦に訪れた民は、数日は興奮冷めやらぬ状態が続くという。
そして「今」が、まさに「その日」であった。
ガッシリとした太い腕で、しっかりとフルールを抱き抱えている、この大男こそ
バダク王国・現国王、犀獣人のバロン・バダク(23)
バロンはまさに、これから一戦を交える所なのであった。
全ての状況を把握したフルールは、体が小刻みに震え出す。
フルールはプリュームと二人で「平和で穏やかに暮らせる場所」を望み、転移した。
しかし
「……プギィィィィィィィ!!!(真逆じゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁ!!!)」
思わず豚語で泣き叫ぶフルール。
暫くの間、フルールの悲痛な叫びが闘技場に木霊するのであった。
***
-マーレ王国-
……ゴロゴロゴロゴロゴロゴロッ…!
凄まじい雷の轟きが、マーレ王国に鳴り響く。
「…………何を言っておるのだ…」
「レオン!!!」
まるでソヌスの「心情」を察したかのように、空は荒れ狂っていた。
鬼の形相をしたソヌスを電光が照らし、恐ろしさを際立たせる。
その場に居合わせた従者達は、鳴り響く雷の音そのものがソヌスの「怒号」に聞こえ、顔を青くする。
しかし
「何を…とは…」
『聖歌人が逃げました』
「そう言ったのですよ……父上」
レオンは恐れることなく冷静に、淡々とソヌスに語りかける。
「…あの場所からどうやって逃げ出せるのだ?「水の中」では「歌」は歌えぬ!」
「聖歌人は「魔法」が使えなかったはずだ!」
ソヌスは怒りで体を震わせながら、威圧感のある声でレオンに怒鳴るも
「…私もそう思っていましたが……」
「…「唄う方法」は「1つ」ではない…のかも知れませんね」
レオンは不敵な笑みを浮かべるのだった。
ギリッ…
「…っ…何を馬鹿な…!?」
唇を噛み締めるソヌスを、レオンは眉間にシワを寄せながら眺める。
「…さっさと連れ戻すのだ…出来なければ…」
「…分かっておるな…?…レオン…」
刺すような目つきでレオンを睨み付けたソヌスは、そのまま返事を聞くこともなく、レオンに背を向けた。
立ち去るソヌスの後ろ姿を、レオンは黙って見つめる。
「……「声」を出して歌う、それだけが「唄」ではない、ということですよ」
「…「思い」を伝える方法が「声」だけではないように…」
「それに気付けなかった時点で、あなたは負けてるんですよ」
「父上……」
レオンの静かな呟きが、ソヌスに届くことはないのであった…。
***
スランプになり、更新が遅くなりました…汗。
申し訳ありません…涙。これからも頑張ります!
-???-
ギラギラと照り付ける太陽の下。
ドサッ…
「ピィッ!………あっっつぅ!!」
しばし水の中で過ごしていたフルールは、突然の重力に体がふらつき、その際、元に戻った「足」が絡まり、顔面から転倒してしまう。
幸い、柔らかな砂の上だった為、怪我をする事はなかったが、熱を吸収した砂の上は暑く、フルールは咄嗟に跳び跳ねた。
あまりの暑さに、見上げた空は赤く見え「まるで燃えているみたいだ…」と、フルールは思うのだった。
すると
「ニハハハハハッ!」
「!!!」
突然、大きな笑い声が辺りに響き渡り、同時にフルールは「誰か」に抱えあげられた。
その「誰か」に、フルールは驚愕する。
黒髪の短髪に褐色肌の大男。鍛えられた体は「あの」ウルティムスよりも大きい。一言で言うならば、ゴリゴリのマッチョ男。
だが、ぱっちり二重のアイスブルーの瞳と、大きな口から見え隠れする八重歯が幼さを感じさせる。
大男は人懐っこい笑顔を浮かべ、叫んだ。
「これは驚いた!「勝利の女神」が降ってきたではないか!」
「皆のもの!我の「勝利」が確実となったぞ!」
わぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!
おぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!
ビリビリと凄まじい歓声に、フルールは「この場所」が何処なのか、瞬時に把握した。
「…っ…(なんで……)」
「ある王国」に存在する「灼熱砂漠」のド真ん中。そこに建てられた闘技場。
此処では「毎日」多くの剣士達が剣を交えて戦う。
時には、猛獣相手とも戦いを繰り広げる場所であり、今では民の娯楽施設にもなっている。
フルールが転移した、この王国の別名は
「死戦の大地」
「死してなおも戦い続ける」を、国の標語に掲げる、この王国の名は
「バダク王国」
海に囲まれたマーレ王国とは、真逆に位置する王国であり、此処で暮らす者は皆「戦」に身命を賭している。
それは「王族」も例外ではない。フラッと、国王自ら闘技場に現れ、剣を交え戦う。
この日、観戦に訪れた民は、数日は興奮冷めやらぬ状態が続くという。
そして「今」が、まさに「その日」であった。
ガッシリとした太い腕で、しっかりとフルールを抱き抱えている、この大男こそ
バダク王国・現国王、犀獣人のバロン・バダク(23)
バロンはまさに、これから一戦を交える所なのであった。
全ての状況を把握したフルールは、体が小刻みに震え出す。
フルールはプリュームと二人で「平和で穏やかに暮らせる場所」を望み、転移した。
しかし
「……プギィィィィィィィ!!!(真逆じゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁ!!!)」
思わず豚語で泣き叫ぶフルール。
暫くの間、フルールの悲痛な叫びが闘技場に木霊するのであった。
***
-マーレ王国-
……ゴロゴロゴロゴロゴロゴロッ…!
凄まじい雷の轟きが、マーレ王国に鳴り響く。
「…………何を言っておるのだ…」
「レオン!!!」
まるでソヌスの「心情」を察したかのように、空は荒れ狂っていた。
鬼の形相をしたソヌスを電光が照らし、恐ろしさを際立たせる。
その場に居合わせた従者達は、鳴り響く雷の音そのものがソヌスの「怒号」に聞こえ、顔を青くする。
しかし
「何を…とは…」
『聖歌人が逃げました』
「そう言ったのですよ……父上」
レオンは恐れることなく冷静に、淡々とソヌスに語りかける。
「…あの場所からどうやって逃げ出せるのだ?「水の中」では「歌」は歌えぬ!」
「聖歌人は「魔法」が使えなかったはずだ!」
ソヌスは怒りで体を震わせながら、威圧感のある声でレオンに怒鳴るも
「…私もそう思っていましたが……」
「…「唄う方法」は「1つ」ではない…のかも知れませんね」
レオンは不敵な笑みを浮かべるのだった。
ギリッ…
「…っ…何を馬鹿な…!?」
唇を噛み締めるソヌスを、レオンは眉間にシワを寄せながら眺める。
「…さっさと連れ戻すのだ…出来なければ…」
「…分かっておるな…?…レオン…」
刺すような目つきでレオンを睨み付けたソヌスは、そのまま返事を聞くこともなく、レオンに背を向けた。
立ち去るソヌスの後ろ姿を、レオンは黙って見つめる。
「……「声」を出して歌う、それだけが「唄」ではない、ということですよ」
「…「思い」を伝える方法が「声」だけではないように…」
「それに気付けなかった時点で、あなたは負けてるんですよ」
「父上……」
レオンの静かな呟きが、ソヌスに届くことはないのであった…。
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スランプになり、更新が遅くなりました…汗。
申し訳ありません…涙。これからも頑張ります!
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