異世界道中ゆめうつつ! 転生したら虚弱令嬢でした。チート能力なしでたのしい健康スローライフ!

マーニー

文字の大きさ
83 / 171

第83話 第3王子のお菓子作り

しおりを挟む
「「で…できた!!!」」

オーブンの前には、瞳をうるうるとさせ
嬉しそうに喜ぶ第3王子アルバート様と、
ゲッソリ疲れ果てたわたしの2人が立っている。

―――遡ること3時間前。

王城に無事についたわたしと護衛たちは、
招待状にあったとおり城の従者に案内され
食堂までやってきた。

そこで驚いたことはふたつ。
ひとつは、食堂の広さと豪華さ。
そしてもうひとつは…

そこに陛下と王妃と宰相がいたことだ。

『えーっ…なにこれなにこれ聞いてないよ。なんで食堂にいるの?』

予想外の出来事に思わず口が開いたが、
ひとまず顔を伏せ深々とカーテシーをした。

その時、呼び出した本人である殿下に助けを求めたかったが…
その本人を含めた4人共が、キラキラとこちらに微笑みかけていたのだ。

「ニコル嬢、楽にしなさい。
やっとこうして会えたか!それにしても今日も美しいな!今日はそなたの菓子が食べられると聞いて楽しみにしていたぞ。」

「ニコル嬢、噂は聞き及んでおりますわよ。
私も貴方の商品を愛用してますの。
今日は新たなお菓子をご提供くださるとか!」

「わたくしは、ついでに味見…いえ念の為の毒味係でございます。」

「ニコル嬢、まずは例のサンプルをたのむ。
その引き換えに菓子が作れるからな!」

―――とまぁ、こんな事があり…

(この件について、ぜひ殿下とは後日ゆっくり話をしたいと思っている)

念の為大量にチョコ菓子サンプルを用意してきたことが幸をなし、
手土産のハーブティーも渡したことで
なんとかその場は乗り越ることができた。

王家の皆様は大喜び。
1時間半程ティータイムを楽しまれたあと…
(たっぷりたのしんでた)

「また楽しみにしているぞ!」
という1番聞きたくなかったお言葉を残し、
陛下たちは満足そうに颯爽と去っていった。


―――はい!で、つぎ!(ヤケクソ)

その後厨房に移りお菓子作りを始めたが、
殿下は殿下で初心者なのにもかかわらず
「どうしてもガトーショコラを作りたい」と言い出した。

熱意がすごかったので根負けし、
ひとつひとつ教えながら進めたものの…

やっぱりちょっと初心者には難しさもあり、混ぜることくらいしかやってもらえることがなかった。

というわけで、
結局ほとんどわたしがつくることになり…

いまやっと完成したところである!
汗水染み込んだガトーショコラが…!

「は、はじめて菓子を作ったぞ!バレンタインデーに渡せるぞ!」

誇らしげにそう言う殿下を横目に、
少々あたまを小突きたくなったが
まぁ仕方ない。

『喜んでるみたいだし、いっか!』

結局、純粋無垢な美少年に甘くなってしまうわたしだった。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

憧れのスローライフを異世界で?

さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。 日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。

オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~

鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。 そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。 そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。  「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」 オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く! ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。 いざ……はじまり、はじまり……。 ※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分

かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。 前世の分も幸せに暮らします! 平成30年3月26日完結しました。 番外編、書くかもです。 5月9日、番外編追加しました。 小説家になろう様でも公開してます。 エブリスタ様でも公開してます。

異世界に転生したら?(改)

まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。 そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。 物語はまさに、その時に起きる! 横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。 そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。 ◇ 5年前の作品の改稿板になります。 少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。 生暖かい目で見て下されば幸いです。

『異世界ごはん、はじめました!』 ~料理研究家は転生先でも胃袋から世界を救う~

チャチャ
ファンタジー
味のない異世界に転生したのは、料理研究家の 私!? 魔法効果つきの“ごはん”で人を癒やし、王子を 虜に、ついには王宮キッチンまで! 心と身体を温める“スキル付き料理が、世界を 変えていく-- 美味しい笑顔があふれる、異世界グルメファン タジー!

貧乏育ちの私が転生したらお姫様になっていましたが、貧乏王国だったのでスローライフをしながらお金を稼ぐべく姫が自らキリキリ働きます!

Levi
ファンタジー
前世は日本で超絶貧乏家庭に育った美樹は、ひょんなことから異世界で覚醒。そして姫として生まれ変わっているのを知ったけど、その国は超絶貧乏王国。 美樹は貧乏生活でのノウハウで王国を救おうと心に決めた! ※エブリスタさん版をベースに、一部少し文字を足したり引いたり直したりしています

処理中です...