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第162話 美の暴力
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「ニコ…前髪をあげてみるのと、下ろしているのと、どちらの方がいいかな?」
―――全女性陣に告ぐ。
わたしはいま失神寸前であります。
今日はお兄様の誕生日を目前に控えた休日。
王都で1番のテーラーショップに来て、
お兄様の誕生日と卒業式の準備に付き添っているのですが……
『うちの兄がかっこよすぎる!!』
スラリと背が高く、男性らしい体つき…
手足が長く小さいお顔に均等のとれた神スタイル…色素の薄い繊細かつ神々しい髪と瞳。
頼んでいた誕生日用の正装服は、
裾や袖が銀糸の刺繍で彩られたボルドーのジャケットに白いシャツ。淡いグレーのパンツに濃茶のブーツ。
卒業式用の正装服は、
裾や袖が金糸の刺繍で彩られた濃紺のジャケットに白いシャツ。グレーのパンツに黒のブーツ。
どちらも最高に似合っていたし、
前髪あげたらワイルド!
前髪おろしたら王子様!
若い頃のお父様はきっとこうだったに違いない!
もうどっちでもいいよ…
「キャーッ」と叫べたらどんなに楽だろう。
しかし、
もうすぐ卒業を迎える立派な青年な訳だし。
普段は前髪を下ろしているのだから…
「せっかくの場なので、いつもと違う雰囲気で前髪をあげてみるのはいかがでしょうか?大人の魅力が増してとても素敵です!」
鼻血がでそうなのを堪えつつそう言うと、
お兄様はニコリと笑って「ではそうするよ!」と試着室へと戻って行った。
テーラーショップのみなさん、
非常にグッジョブですよ……
別で報奨金でもお渡ししたいくらいだよ。
テーラーショップの皆さんも蕩けそうな眼差しでウットリとお兄様を見つめていて、
わたしもその気持ちが痛いほど分かった。
―――これは後日談。
お兄様の誕生日パーティーに招かれた皆さんは、益々大人の男性に近づき美丈夫さを増したお兄様を見て「王国の美男神」と称した。
招かれていた婚約者のミラ様も、
改めて見惚れていたようで「物語に出てくるエルフの王子様のようですわ…」と感嘆しまくっていた。
新たにワイルドな魅力も見せつけたお兄様は、わたしのお手製のマロンタルトに夢中だったのか、口の端に少しクリームをつけていて萌え度100%なギャップも披露されていましたよ。
天然無自覚な兄がいるというのは
心臓に悪いですね本当に……
そういえばこちらの卒業式では、
第2ボタンをもらうというイベントなどはないのだろうか?
もしあるとすれば…
来たる卒業式の日に身ぐるみを剥がされないか心配になった。
―――全女性陣に告ぐ。
わたしはいま失神寸前であります。
今日はお兄様の誕生日を目前に控えた休日。
王都で1番のテーラーショップに来て、
お兄様の誕生日と卒業式の準備に付き添っているのですが……
『うちの兄がかっこよすぎる!!』
スラリと背が高く、男性らしい体つき…
手足が長く小さいお顔に均等のとれた神スタイル…色素の薄い繊細かつ神々しい髪と瞳。
頼んでいた誕生日用の正装服は、
裾や袖が銀糸の刺繍で彩られたボルドーのジャケットに白いシャツ。淡いグレーのパンツに濃茶のブーツ。
卒業式用の正装服は、
裾や袖が金糸の刺繍で彩られた濃紺のジャケットに白いシャツ。グレーのパンツに黒のブーツ。
どちらも最高に似合っていたし、
前髪あげたらワイルド!
前髪おろしたら王子様!
若い頃のお父様はきっとこうだったに違いない!
もうどっちでもいいよ…
「キャーッ」と叫べたらどんなに楽だろう。
しかし、
もうすぐ卒業を迎える立派な青年な訳だし。
普段は前髪を下ろしているのだから…
「せっかくの場なので、いつもと違う雰囲気で前髪をあげてみるのはいかがでしょうか?大人の魅力が増してとても素敵です!」
鼻血がでそうなのを堪えつつそう言うと、
お兄様はニコリと笑って「ではそうするよ!」と試着室へと戻って行った。
テーラーショップのみなさん、
非常にグッジョブですよ……
別で報奨金でもお渡ししたいくらいだよ。
テーラーショップの皆さんも蕩けそうな眼差しでウットリとお兄様を見つめていて、
わたしもその気持ちが痛いほど分かった。
―――これは後日談。
お兄様の誕生日パーティーに招かれた皆さんは、益々大人の男性に近づき美丈夫さを増したお兄様を見て「王国の美男神」と称した。
招かれていた婚約者のミラ様も、
改めて見惚れていたようで「物語に出てくるエルフの王子様のようですわ…」と感嘆しまくっていた。
新たにワイルドな魅力も見せつけたお兄様は、わたしのお手製のマロンタルトに夢中だったのか、口の端に少しクリームをつけていて萌え度100%なギャップも披露されていましたよ。
天然無自覚な兄がいるというのは
心臓に悪いですね本当に……
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第2ボタンをもらうというイベントなどはないのだろうか?
もしあるとすれば…
来たる卒業式の日に身ぐるみを剥がされないか心配になった。
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