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回想
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ここは緑豊かな町、都会の喧騒を忘れて一息つける魂のベットタウン
そんな奇妙な謳い文句で人を引き入れようとしているがどうあがいても田舎。繰り返す、田舎である。
町なんて大層なこと言ってるがどっちかといえば大きめの村だ
俺はこの田舎で働く事が小さな頃から嫌だった
別に村が嫌いなわけでは無い
心優しい両親と身体に優しくない妹
山菜を取るのだって
罠を仕掛けるのだって苦にならない
爺婆に可愛がられているのも知っている
娯楽もこのご時世ネットがあればそれなりに遊べる
ちょっと足を伸ばせば洒落た店の並んだ都市もある
だけどどうしても、大人になった時に田舎で仕事をしたくなかった
△▼△▼△▼△▼
「俺は首都へ行く」
高校時代からの友人であるユウジ
「修二だ!!」
シュウジ(仮)に将来について聞かれたのでそう答えると
「いや、俺らどーーーお考えてもモブでしょ。栄治…もしかして『俺はこんな所で燻ってて良い人間じゃない!』とか思ってるタイプ?ぷぷぷwww」
思いっきり煽られた、シユウジのクセに
「おい!もう怪しいぞ!!」
喧しい奴め、大人しくしていろユージーン
「そうか、そうか、君はそういう奴だったのか…ってオーイ!目の前!シュウジイズユアフロント!オープンザアイズ!!」
カッ!と目を開くとエーミール…もといユジンの大袈裟に驚く姿が映った
やけに煩いと思ったら声が漏れていたようだ
相変わらずとっ散らかった顔をしているなぁ
と眺めていると
「冬ソナ!冬ソナのヒロイン!!あっぶね、一瞬思い出せなかったわ」
一体何に危機感を覚えているんだ?
会話を繋げないと不安になる病気かなんかじゃなかろうか
拾って繋げてまた拾って…
会話のバレーボールと言う競技がもしあったらコイツはきっとリベロとして良いとこまで行けると思う
「俺、修二はモブじゃないってふと思う瞬間が物凄く稀にあったりなかったりするよ。」
「なんだその揃ってないルービックキューブみたいな感想」
…例えは下手だな五輪は諦めろ
「んで?自称大物の?轟 栄治センセイは首都まで行って何するのさ??」
「仕事をする!」
「はぁ?」
「だから仕事だ、田舎では出来ない…俺の仕事」
「漠然としてんなぁ!」
そう鼻息荒く言われたのだが、その前に自分が出した答えが妙に歩に落ちた
そうだ、俺は田舎が嫌いなわけではない
むしろ好きだ
恐らく歳を重ねて衰えると田舎に戻り、田舎仕事をして生涯を綴じるのであろう
そんな確信めいた予感がある
だからこそ今は、田舎ではできない事をやりに行く!首都だとか経済的な中心地だとかは関係なかったのだ
「やっぱり俺、修二はすごい奴だって思うよ。モブなんかじゃない」
微笑みながらそう言うと
「お前もな!」
綺麗にまとまった笑顔が返ってきた
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