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第一章 世界樹で野良猫生活
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ケモッセオの街での取引から二週間は経っただろうか。
あれから、生活には特に変化はない。
ケモッセオの街でお金を手に入れて、そこで塩などの調味料を買って帰ってきた。
次やろうと思ってことは家を建てることだったんだけど、まだ何もしていない。
今は馬車の中でゴロゴロしながら考え事をしている。
「うーん、だめだ!
全然うかんでこない!」
そう、どういう家にするかをまだ悩んでいるのだ。
雨露をしのぐだけなら別に馬車で十分だし、どうせ家を建てるのならちゃんとした家を建てたい。
でも俺は猫なので、家を建てるなら絶対に手伝ってもらう必要がある。
とりあえず適当に建てて、しばらくしてまた新しいのを建てる、なんてことをするわけにはいかない。
「ほんといつまで考えてんだし。
一体何に悩んでるんだし」
「自分でもわかんないんだわ。
わかんないんだけど、考えても考えてもしっくりこないんだよ。
どうしたらいいんだ……」
「知らんし。
そんなこだわんなくていいっしょ。
あっしはあっしの部屋がちゃんとあればそれでいいし」
「え、ジズーちゃんその人と同棲するの~?」
「いやいや、同棲とかそんなんじゃ――ん?誰?」
声のした方を見ると、馬車の中を覗き込む三人の顔があった。
「やっほー、雫で~す」
「澪でーす」
「薫子でーす」
「――は!?」
「ん?ジズーどした――んん!?」
あっれー、おかしいぞ。
薫子さんはともかく、いるはずのない人がいるんだけど!
「えぇー!?
どどど、どうしたの!?
地球への転移うまくいかなかったの!?
てか薫子さん、来るの遅いよー!」
「あ、うん。
説明するから落ち着いて?」
「か、管理者様!
お目にかかれて光栄だし!
えっと、今はサボってたんじゃなくてジズーの――」
「あなたもちょっと落ち着いて下さいね!」
落ち着けと落ち着けるわけもなく、俺はしばらく混乱していた。
「コホン。
では改めて、まずは私から。
ジズー、久しぶりだね。
ここに居続けてくれてよかった。
私を待っててくれたんだよね?」
「うん、待ってたよ。
ここにいればたまには会えるのかと思って」
「ありがとうジズー……」
「薫子さん……」
「「はいそこまでー!」」
見つめ合っていると澪と雫が割って入ってきた。
「はいはい、そういうのは後でねー!」
「ジズーちゃ~ん、私たちもいるんだよ~?」
「「すみません」」
「じゃあ次は私たちだね。
私たちは――」
と澪が話を始めたその瞬間。
「おおーい、ジズー!
ショーギするのだー!」
バハムルが今や日課となっている将棋をしに来た。
「おおお!
ミオとシズクがいるのだ!
久しぶりだぞ!
どうしたのだ?異世界から遊びに来たのか?」
「キャー!バハムルちゃ~ん!
会いたかったよ~!」
「バハムルくん!
久しぶりだね!覚えてくれてて嬉しいよー!」
澪と雫がバハムルを抱きしめる。
バハムルがぬいぐるみのようだ。
「むぎゅっ、ちょ……落ち着くのだ二人とも!
ビックリしたのだ!」
「ごめんね~、バハムルちゃん見たら嬉しくなっちゃって~」
「バハムルくん見たら、あぁガイアだなーって思ったよ」
「二人とも来てくれて嬉しいのだ!
今はもう大丈夫だけど、二人が異世界に帰ってから一週間くらい、ジズーは無気力になって死んじゃうかもって思ったのだ!
ジズー!ミオとシズクが遊びに来てくれてよかったな!」
「あ、うん……。
できればそういうすっごい恥ずかしいことは本人の前では言わないで頂けると……」
「へぇー、ジズーって私たちいなくてそこまで寂しかったんだ?」
澪がニヤニヤしながらからかってくる。
「ジズーちゃん!
私も泣くほど寂しかったから嬉しいよ~!」
雫に抱き上げられる。
くっそー、照れる!
話を進めてごまかそう!
「え、えっと!
とりあえず二人はどうしてここにいるの?
地球には帰れたの?」
「まず結論として、私たちは地球に帰った後、自分たちの意志でガイアに戻ってきたの」
「えぇ!?そんなことできるの?」
「地球に一度戻った後、再びガイアに戻る。
それが二人の望みだったのよ」
「あー、そういえば……。
最後に何か望みがあればどうこうって言ってたっけ……」
「そそ。
ダメ元で言ってみたんだけど、さすが女神様だよねー」
「もしかして、二人をガイアに連れてくるってのがあったから薫子さんが戻るの遅くなったの?」
「うん、転移は神気すっごく使うからね」
「そうだったのかー……。
なにはともあれ、薫子さんおかえり!
無事でよかったよ。
澪と雫も久しぶりだね。
遊びに来てくれて嬉しいよ!
どのくらいこっちにいられるの?」
「えっと、私たち遊びに来たんじゃないよ~?」
「え?」
「引越しで~す」
「は?」
「ジズー、とりあえず馬車を出て世界樹を御覧下さいな」
とりあえず言われた通りにして馬車から出る。
世界樹を見ると、世界樹の根本辺りがいろんな物であふれかえっていた。
「え、なにあれ……?」
「「引越しの荷物です!」」
いや、ハモられても……。
すごいいろいろあるなー、どれもこれも懐かしさ溢れる地球の物。
うわパソコンとかあるし、こっちじゃ使えないけどどうすんだろう。
「なんか、めっちゃいろいろあるね」
「これでも必要な物をかなり厳選したんだよー」
「え、これで!?」
「まぁ、これ全部なくても生きてはいけると思うけどね。
でもガイアでも楽しく快適に文化的な生活を送りたい!
そのために必要な物です!」
「なるほど……?
でもこんなの持ってどこで暮らすの?
田舎でも都会でも確実に目立つよ?
少なくとも、人間の国だとすぐに王様にバレちゃうんじゃないかな」
「ここで皆でジズーちゃんと暮らすよ?」
「へぁ?
え、そうなの?」
「薫子さんは不安だったみたいだけど、私たちはジズーは絶対にここに留まってるって思ってたからね。
ここならどんな暮らしをしても問題なし!
ジズー、ここで私たちと一緒に四人で暮らそうよ!」
「四人って、え?
もしかして薫子さんも?」
「なんで驚くの?
もしかして嫌なの?」
薫子さんが泣きそうな顔をする。
「嫌とかそんなわけないし!
ただ、薫子さんは基本は上にいないといけないと思ってたからビックリして……」
「世界樹なら問題ないよ。
上とはいつでも自由に行き来できるからね」
「そっか……、なるほど」
「じゃあ一緒に暮らすってことでOK?」
「あ、うん。それはもちろん!」
とその時、今まで空気を読んで黙っていた天使が口を開く。
「――ちょっと待つし」
「ん?」
「ついさっきまでジズーは家をどうするか考えてたっしょ。
その家にはあっしの部屋も用意される予定だったし」
「あ、うん、そうだね」
「だから、四人で暮らすじゃなくて、あっしも含めて五人になるし。
そこんとこだけよろしくするわ」
「……ジズーちゃん、最初の疑問に戻るけどこの人ってジズーちゃんの彼女さん?」
「いや、そんなんじゃなくて……」
「てかどう見ても天使だよね。
まさか猫が天使に手を出すとは……」
「いや澪違うから……」
ええい、面倒だ!
とりあえずフランがいる経緯を一気に説明した。
「なるほど、じゃあジズーがここに居続けられたのはフランさんのおかげでもあるんだね。
ありがとうフランさん、ミカエルを説得してくれて感謝します」
「いやいやいや!あっしとしては当然のことしただけだし!」
さすがのフランも薫子さんにはまだ畏まってるようだ。
「なるほど……、これはフランさんは味方につけるのがベストだね」
「うん、私もそう思うよ~」
澪と雫がなにやらボソボソと黒い会話をしてる。
「なあなあ!ボクは?
ボクもジズーと一緒に暮らしたいぞ!」
「私たちもバハムルちゃんなら大歓迎だよ~!」
「でもバハムル。
こっちで暮らすならやることあるよね、わかる?」
「えーっと……、うーんと……、あっ!
父ちゃんと母ちゃんの許可をもらうことなのだな?」
「その通り!
許可がもらえたら俺たちは歓迎するから、バハムートさんたちと話しておいで」
「わかったのだ!
じゃあ今日はもう帰って説得するぞー!」
そう言って大急ぎで飛んでいった。
すごい急展開だ。
バハムルも一緒に暮らすことになったら一気に六人暮らしになる。
家は建てなくて正解だったわ。
「そうだジズー、お願いというかなんというかわかんないんだけど、管理者様も一緒に暮らすってことなら家は「管理者様の家」ってことにしてほしいし」
「よくわかんないけど別にいいよ。
でもどゆこと?」
「例えば家を建てるにあたって天使から手を借りたいとするし。
で、あっしが天使族の連中に、ジズーの家作るから手伝ってくれしって言っても手伝ってもらえないっしょ。
でもこれが管理者様の家ってことなら全然違うじゃん?
管理者様の家を作るから手伝ってくれしって言ったら、天使族総出で手伝ってくれるレベルになるし」
「あー、なるほど」
「他にもいろいろ融通がきくようになることがあるはずっしょ。
だからそういう風にしといてくれるとあっしもやりやすいし」
「おっけーだよ、じゃあ家主は薫子さんってことで」
「「「さんせーい!」」」
「あと、こんなこと言うの、めっちゃ恥ずかしい気もするけど……。
えーっと、薫子さんの家ってことにするなら、俺は薫子さん家の飼い猫ってポジションに収まりたいと思います!」
「ジズー飼い猫願望まだあったんだ……」
「やっぱり飼い主は薫子さんか~」
「飼い猫でもいいけど、友達でもあるからね!
そこは譲れないよ?」
「うん、それはもちろん」
「ならおっけー!」
「ありがとう!」
薫子さんが戻ってきたり澪と雫が引越してきたりと今日はすごい日だ。
これからはここで皆と暮らすことができる。
とても楽しい生活になりそうだ。
どさくさに紛れて薫子さんの飼い猫になることもできたし、最高だ!
これからはのんびりした飼い猫生活を楽しむぞ!
さらば、野良生活!
「あ、そうだジズー。
ロナウドがユーヴェに移籍してたよ」
「……。
ええええぇぇぇ!?」
今日一番驚いた。
あれから、生活には特に変化はない。
ケモッセオの街でお金を手に入れて、そこで塩などの調味料を買って帰ってきた。
次やろうと思ってことは家を建てることだったんだけど、まだ何もしていない。
今は馬車の中でゴロゴロしながら考え事をしている。
「うーん、だめだ!
全然うかんでこない!」
そう、どういう家にするかをまだ悩んでいるのだ。
雨露をしのぐだけなら別に馬車で十分だし、どうせ家を建てるのならちゃんとした家を建てたい。
でも俺は猫なので、家を建てるなら絶対に手伝ってもらう必要がある。
とりあえず適当に建てて、しばらくしてまた新しいのを建てる、なんてことをするわけにはいかない。
「ほんといつまで考えてんだし。
一体何に悩んでるんだし」
「自分でもわかんないんだわ。
わかんないんだけど、考えても考えてもしっくりこないんだよ。
どうしたらいいんだ……」
「知らんし。
そんなこだわんなくていいっしょ。
あっしはあっしの部屋がちゃんとあればそれでいいし」
「え、ジズーちゃんその人と同棲するの~?」
「いやいや、同棲とかそんなんじゃ――ん?誰?」
声のした方を見ると、馬車の中を覗き込む三人の顔があった。
「やっほー、雫で~す」
「澪でーす」
「薫子でーす」
「――は!?」
「ん?ジズーどした――んん!?」
あっれー、おかしいぞ。
薫子さんはともかく、いるはずのない人がいるんだけど!
「えぇー!?
どどど、どうしたの!?
地球への転移うまくいかなかったの!?
てか薫子さん、来るの遅いよー!」
「あ、うん。
説明するから落ち着いて?」
「か、管理者様!
お目にかかれて光栄だし!
えっと、今はサボってたんじゃなくてジズーの――」
「あなたもちょっと落ち着いて下さいね!」
落ち着けと落ち着けるわけもなく、俺はしばらく混乱していた。
「コホン。
では改めて、まずは私から。
ジズー、久しぶりだね。
ここに居続けてくれてよかった。
私を待っててくれたんだよね?」
「うん、待ってたよ。
ここにいればたまには会えるのかと思って」
「ありがとうジズー……」
「薫子さん……」
「「はいそこまでー!」」
見つめ合っていると澪と雫が割って入ってきた。
「はいはい、そういうのは後でねー!」
「ジズーちゃ~ん、私たちもいるんだよ~?」
「「すみません」」
「じゃあ次は私たちだね。
私たちは――」
と澪が話を始めたその瞬間。
「おおーい、ジズー!
ショーギするのだー!」
バハムルが今や日課となっている将棋をしに来た。
「おおお!
ミオとシズクがいるのだ!
久しぶりだぞ!
どうしたのだ?異世界から遊びに来たのか?」
「キャー!バハムルちゃ~ん!
会いたかったよ~!」
「バハムルくん!
久しぶりだね!覚えてくれてて嬉しいよー!」
澪と雫がバハムルを抱きしめる。
バハムルがぬいぐるみのようだ。
「むぎゅっ、ちょ……落ち着くのだ二人とも!
ビックリしたのだ!」
「ごめんね~、バハムルちゃん見たら嬉しくなっちゃって~」
「バハムルくん見たら、あぁガイアだなーって思ったよ」
「二人とも来てくれて嬉しいのだ!
今はもう大丈夫だけど、二人が異世界に帰ってから一週間くらい、ジズーは無気力になって死んじゃうかもって思ったのだ!
ジズー!ミオとシズクが遊びに来てくれてよかったな!」
「あ、うん……。
できればそういうすっごい恥ずかしいことは本人の前では言わないで頂けると……」
「へぇー、ジズーって私たちいなくてそこまで寂しかったんだ?」
澪がニヤニヤしながらからかってくる。
「ジズーちゃん!
私も泣くほど寂しかったから嬉しいよ~!」
雫に抱き上げられる。
くっそー、照れる!
話を進めてごまかそう!
「え、えっと!
とりあえず二人はどうしてここにいるの?
地球には帰れたの?」
「まず結論として、私たちは地球に帰った後、自分たちの意志でガイアに戻ってきたの」
「えぇ!?そんなことできるの?」
「地球に一度戻った後、再びガイアに戻る。
それが二人の望みだったのよ」
「あー、そういえば……。
最後に何か望みがあればどうこうって言ってたっけ……」
「そそ。
ダメ元で言ってみたんだけど、さすが女神様だよねー」
「もしかして、二人をガイアに連れてくるってのがあったから薫子さんが戻るの遅くなったの?」
「うん、転移は神気すっごく使うからね」
「そうだったのかー……。
なにはともあれ、薫子さんおかえり!
無事でよかったよ。
澪と雫も久しぶりだね。
遊びに来てくれて嬉しいよ!
どのくらいこっちにいられるの?」
「えっと、私たち遊びに来たんじゃないよ~?」
「え?」
「引越しで~す」
「は?」
「ジズー、とりあえず馬車を出て世界樹を御覧下さいな」
とりあえず言われた通りにして馬車から出る。
世界樹を見ると、世界樹の根本辺りがいろんな物であふれかえっていた。
「え、なにあれ……?」
「「引越しの荷物です!」」
いや、ハモられても……。
すごいいろいろあるなー、どれもこれも懐かしさ溢れる地球の物。
うわパソコンとかあるし、こっちじゃ使えないけどどうすんだろう。
「なんか、めっちゃいろいろあるね」
「これでも必要な物をかなり厳選したんだよー」
「え、これで!?」
「まぁ、これ全部なくても生きてはいけると思うけどね。
でもガイアでも楽しく快適に文化的な生活を送りたい!
そのために必要な物です!」
「なるほど……?
でもこんなの持ってどこで暮らすの?
田舎でも都会でも確実に目立つよ?
少なくとも、人間の国だとすぐに王様にバレちゃうんじゃないかな」
「ここで皆でジズーちゃんと暮らすよ?」
「へぁ?
え、そうなの?」
「薫子さんは不安だったみたいだけど、私たちはジズーは絶対にここに留まってるって思ってたからね。
ここならどんな暮らしをしても問題なし!
ジズー、ここで私たちと一緒に四人で暮らそうよ!」
「四人って、え?
もしかして薫子さんも?」
「なんで驚くの?
もしかして嫌なの?」
薫子さんが泣きそうな顔をする。
「嫌とかそんなわけないし!
ただ、薫子さんは基本は上にいないといけないと思ってたからビックリして……」
「世界樹なら問題ないよ。
上とはいつでも自由に行き来できるからね」
「そっか……、なるほど」
「じゃあ一緒に暮らすってことでOK?」
「あ、うん。それはもちろん!」
とその時、今まで空気を読んで黙っていた天使が口を開く。
「――ちょっと待つし」
「ん?」
「ついさっきまでジズーは家をどうするか考えてたっしょ。
その家にはあっしの部屋も用意される予定だったし」
「あ、うん、そうだね」
「だから、四人で暮らすじゃなくて、あっしも含めて五人になるし。
そこんとこだけよろしくするわ」
「……ジズーちゃん、最初の疑問に戻るけどこの人ってジズーちゃんの彼女さん?」
「いや、そんなんじゃなくて……」
「てかどう見ても天使だよね。
まさか猫が天使に手を出すとは……」
「いや澪違うから……」
ええい、面倒だ!
とりあえずフランがいる経緯を一気に説明した。
「なるほど、じゃあジズーがここに居続けられたのはフランさんのおかげでもあるんだね。
ありがとうフランさん、ミカエルを説得してくれて感謝します」
「いやいやいや!あっしとしては当然のことしただけだし!」
さすがのフランも薫子さんにはまだ畏まってるようだ。
「なるほど……、これはフランさんは味方につけるのがベストだね」
「うん、私もそう思うよ~」
澪と雫がなにやらボソボソと黒い会話をしてる。
「なあなあ!ボクは?
ボクもジズーと一緒に暮らしたいぞ!」
「私たちもバハムルちゃんなら大歓迎だよ~!」
「でもバハムル。
こっちで暮らすならやることあるよね、わかる?」
「えーっと……、うーんと……、あっ!
父ちゃんと母ちゃんの許可をもらうことなのだな?」
「その通り!
許可がもらえたら俺たちは歓迎するから、バハムートさんたちと話しておいで」
「わかったのだ!
じゃあ今日はもう帰って説得するぞー!」
そう言って大急ぎで飛んでいった。
すごい急展開だ。
バハムルも一緒に暮らすことになったら一気に六人暮らしになる。
家は建てなくて正解だったわ。
「そうだジズー、お願いというかなんというかわかんないんだけど、管理者様も一緒に暮らすってことなら家は「管理者様の家」ってことにしてほしいし」
「よくわかんないけど別にいいよ。
でもどゆこと?」
「例えば家を建てるにあたって天使から手を借りたいとするし。
で、あっしが天使族の連中に、ジズーの家作るから手伝ってくれしって言っても手伝ってもらえないっしょ。
でもこれが管理者様の家ってことなら全然違うじゃん?
管理者様の家を作るから手伝ってくれしって言ったら、天使族総出で手伝ってくれるレベルになるし」
「あー、なるほど」
「他にもいろいろ融通がきくようになることがあるはずっしょ。
だからそういう風にしといてくれるとあっしもやりやすいし」
「おっけーだよ、じゃあ家主は薫子さんってことで」
「「「さんせーい!」」」
「あと、こんなこと言うの、めっちゃ恥ずかしい気もするけど……。
えーっと、薫子さんの家ってことにするなら、俺は薫子さん家の飼い猫ってポジションに収まりたいと思います!」
「ジズー飼い猫願望まだあったんだ……」
「やっぱり飼い主は薫子さんか~」
「飼い猫でもいいけど、友達でもあるからね!
そこは譲れないよ?」
「うん、それはもちろん」
「ならおっけー!」
「ありがとう!」
薫子さんが戻ってきたり澪と雫が引越してきたりと今日はすごい日だ。
これからはここで皆と暮らすことができる。
とても楽しい生活になりそうだ。
どさくさに紛れて薫子さんの飼い猫になることもできたし、最高だ!
これからはのんびりした飼い猫生活を楽しむぞ!
さらば、野良生活!
「あ、そうだジズー。
ロナウドがユーヴェに移籍してたよ」
「……。
ええええぇぇぇ!?」
今日一番驚いた。
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