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第四章 ラスボスにしたって、これは無いだろ!
第四十六話
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ああ、思い出すだけで、怖気が止まらない。
起きている間は、脳みそをみじん切りにされているかのような頭痛を恐れ、眠りにつけば、吐き気を催すほどの悪夢に苛まれる、進んでも進んでも袋小路だったあの日々。
あの母親の、毒と狂気の束縛。
余裕などひとひらもなかったあの日々を思い返すと、彼女へのとめどない恐怖と、強いられた理不尽への怒り、尊厳を奪われ続けたことへの憎悪、そして、何より……一体何が彼女を駆り立てるのか、そんな不可解に思いを馳せざるを得ない。
彼女は、俺を王にすることに、凄絶なまでの執着を持っていた。転生したばかりの俺は、裏で王国を牛耳るという目的があるからだとして、それ以上この違和感について深く考えていなかった(考える余裕が無かった)が、彼女の狂気にさんざん晒されて来た当事者として、あの日々を振り返ってみると、何となく、違うような気がしてならないのだ。
なんと言えばいいか、彼女の目的は、俺を王座に据えた先にあるものではなく、俺を王にすること自体にある、ような。うまく説明が出来ない。
でも、話に聞く、俺が自殺未遂の末昏睡に陥り、自身の悪事が露呈した時の彼女の態度は、あまりにあっさりしていた。もし、自分が実権を握って、王国の権益で私欲の限りを尽くすことに拘っていたのなら、そう簡単に自分の罪を認めやしないと思うのだ。
当時の王宮の勢力図を殆ど掌握していると言っても過言ではなかったあの母親の権謀術数なら、俺が昏睡して、毒を盛った疑惑があったとしても、いくらでも言い逃れ出来たはず。
彼女の目的は、本当に、実権を握って私欲の限りを尽くすことだったのか? そんな、人間の発想と欲望の範疇から出ないような、くだらない願望で、理性すら感じるほどの狂気を揮うことができるのだろうか。
そう、思えてならないのである。
+++
「いやあ、終わった終わった。正直、目的が同じだったから仕方なく従ってただけで、教会とはトコトン反りが合わなかったからね。清々、清々」
中庭のガゼボで、オリヴィアさんに淹れてもらった紅茶片手に魔導書を読みつつ、思索にふけっていたところ、突如どこからか転移して、俺の向かいの椅子に着席したミュルダール。
俺に許しも得ず、ケーキスタンドに残っていたサンドイッチをひょいとつまんで一口頬張りながら、不届き者は肩を竦めた。俺のこと散々図々しいだのなんだの言っておいて、完全にブーメランじゃねえか。
「教会も、アンタみたいなのと手を組まなきゃならなかったなんて、よっぽど人手不足なんだな」
「ハハ、まあ、少なくとも、辛うじて王太子殿下に手出しできる、僕レベルの魔術師はもういないよね。しばらくは木っ端のような三流魔術師がちょっかいかけてくるだろうけど、どうあがいても僕らに手出しなんか出来るはずもないし。政治的圧力はあるだろうけど、それもまあ、僕じゃなくて国王陛下や王太子殿下の領分だ。僕たちが気にすることじゃないさ」
こっち側に寝返って早々、ジルラッドの政治的権力にしっかり頼り、教会との契約を白紙にしてもらっておきながら、この言い草である。俺はもう突っ込む気にすらならず、再び意識を魔導書の方に戻した。やっぱりコイツのことこっちに引き込んだの失敗だったかな。
「それで? 宝箱の君は何を御思案でいらっしゃるのかな? そうだな、当てて見せようか……ズバリ、僕のスリーサイズとか!」
「路傍の石より興味が湧かないものなんて初めてでビビるわ。てか何、その『宝箱の君』って」
「ああ、王宮内の人間は君のことを概ねそう呼ぶのさ。ジルラッド王太子殿下謹製の箱庭に、後生大事に秘され、守られる、眠りの聖者へ、畏敬と軽蔑を込めて、ね」
「ヤバ、柄じゃなさ過ぎて鳥肌立った」
畏敬と軽蔑を込めて、だって? せめてどっちかにしとけよ。
まあ、いまの俺の立場、早い話、王家にとっては厄介者も良いところだからな……軽蔑ってのは重々理解できるよ。
母親が不貞の末国外追放された毒婦の元王妃で、教会に身元を狙われている聖者とか言うやつで、挙句、そんな存在なのに、完璧無比な王太子殿下の関心をとりわけ買っているときた。
ウルラッド父さ……いや、陛下はよくぞこんな俺を王家の末席に置いてくれているよ。
一体誰なんだよ、あんな厄ネタと不貞を働いたとか言う物好きはよ。あんなんでも王妃だぞ、王妃。恥知らず&命知らずにも程があるだろ。
「マ、そんな話は置いておいてさ。聞きたいんだけど、あの女の悪意に晒されて幼少を過ごした君なら、心当たり無いかな、あの女が潜伏してそうな場所とか」
「……そう言えば、国外追放って言っても、あの母親が死ぬまでは、どこまでも監視がつきそうなもんだけど、そうじゃないのか?」
「ああ、そんなのは、国境を跨いで一週間もしないうちに、連絡が途絶えたよ。あの女は闇魔法の使い手で、執行対象にあたるから、教会執行部も独自に追ってはいるんだけど、全然行方が掴めないんだな、これが。どこぞでくたばっててくれるならまだいいが、あの女のことだから、どうせ生きてるんだよね。そのくせ五年も全くモーションを起こさないから、不気味で仕方ないったら」
「教会って、光魔法もとい聖魔法の使い手だけじゃなくて、闇魔法の使い手までコレクションするのか? 趣味悪いな」
「ハッ、まあ、趣味悪いのは否定しないけど。闇魔法の使い手に対する執行については、光魔法の使い手を保護監察しているからこそ、なんだな」
「どういうことだ」
「あれ? さては全然知らないか。良いよ、この僕が教えてしんぜよう」
妙に生き生きと目をかっぴらきながら、何がそのように愉快か、朗々とミュルダールは語った。
悪意によって、人心を惑わし、煽動し、心身に悪影響をもたらす、光魔法の対極、闇魔法。
その実、闇魔法の使い手は、光魔法の適性者が、自身の裡に抱える悪意や強欲に飲まれ、堕ちた姿なのだという。
光魔法の適性者は希少だ。その上、生育如何によっては、容易く失われてしまう……教会が、光魔法の使い手を手厚く保護監察し、教育する理由は、どうやらそれだけではなかったらしい。
一般には明かされていない事実らしいが、光魔法の使い手が、その御業を失うどころか、勢い余って堕ちてしまわないよう、幼少の数年間にわたって、数度の洗礼で禊ぎ、楔を刻み、その身柄を秘密裏に管理する必要があるというのだ。
万が一、堕ちた者があった場合は、すぐさま教会が手を打てるように。
人の世を悪意によって惑わす、忌まわしき闇魔法の使い手を、決して野放しにしないために。
「まあ、教会の数百年の歴史で積み重ねたはずのノウハウより、あの女のワザマエの方が上手だったみたいで、このザマだよね。普通に野放しになっちゃってさ。この国は、5年前から、いつ爆発するか分からない、所在不明の不発弾をずっと抱えてて、各方面が血眼で探し続けてるって状態。まあ、でも、ね。君が目を覚まして、五年間なにも変わらなかったこの事態が、ようやく動き始めたわけだし。きっとあの女も、何か手を打ってくるに違いないと睨んでるわけだけど」
「手を打たれてからじゃ遅いから、あの母親の根城をいち早く突き止めたいってワケね」
ミュルダールは、行儀悪くヒョイと一口に放り込んだスコーンに、口の中の水分をほとんど持っていかれたようで、モゴモゴと口ごもりながら、「ほふほほ~(そゆこと~)」などと俺の方を指さしながら言った。俺のために用意してもらったはずのペストリーの半分以上がコイツの胃の中に納まっていっているのだが、訴えたら勝てるんじゃなかろうか。
「げふ、ゴホっ……うん、マ、何にしろ、昔ならいざ知らず、今のあの女は完全に孤立無援だ。実はね、王太子殿下と僕で、対闇魔法の特殊洗礼術式を共同開発したんだよ。あの女の魔力サンプルなら潤沢にあったから、あの女が消息を絶ってから、そう間もなく完成させることが出来たんだよね。今は国民全員がその特殊洗礼を受けることを義務化して久しいし、あの女の闇魔法で、無辜の民草がむやみに煽動されるようなことにはならないはずさ」
「それならまあ……いや、待て」
「え? 何?」
「俺の記憶が正しければ……闇魔法って、魔獣を操ることもできたはずだよな」
「ああ、そうだね」
小説でのジルラッドは、確かこの年のころ、父王があの母親に暗殺され、ベルラッドが国王に即位するにあたり、彼もまた、魔獣蔓延る辺境の地に追放同然に追いやられた。
復讐を誓ったジルラッドは、とても人の住める地ではないその魔獣の巣窟で、日々夥しい数の魑魅魍魎を狩り続けながら、最強の力を磨き上げていき、一匹残らず魔獣を根絶やしにするまでに至ったのだ。
しかし、もうこの世界は、そんなシナリオなどあって無いようなもので、全く違う道を進んでいる。何せ、追放されたのはジルラッドではなく、あの母親の方なのだから。
それなら、小説ではジルラッドが狩り尽くすはずだった辺境の魔獣たちはどうなった?
少なくとも、ガラリア王国に住まう国民に、彼女の闇魔法はもう通用しないらしい。
なら、今は孤立無援のあの母親が、自身の手勢とするのは……!
「ミュル叔父、ディザリオレラかもしれない。東の辺境、魔獣の巣窟と化し、建国当初から何重にも封印が施されている禁足地……孤立無援なのだとしたら、あの母親が使えるのは魔獣しかないだろう」
起きている間は、脳みそをみじん切りにされているかのような頭痛を恐れ、眠りにつけば、吐き気を催すほどの悪夢に苛まれる、進んでも進んでも袋小路だったあの日々。
あの母親の、毒と狂気の束縛。
余裕などひとひらもなかったあの日々を思い返すと、彼女へのとめどない恐怖と、強いられた理不尽への怒り、尊厳を奪われ続けたことへの憎悪、そして、何より……一体何が彼女を駆り立てるのか、そんな不可解に思いを馳せざるを得ない。
彼女は、俺を王にすることに、凄絶なまでの執着を持っていた。転生したばかりの俺は、裏で王国を牛耳るという目的があるからだとして、それ以上この違和感について深く考えていなかった(考える余裕が無かった)が、彼女の狂気にさんざん晒されて来た当事者として、あの日々を振り返ってみると、何となく、違うような気がしてならないのだ。
なんと言えばいいか、彼女の目的は、俺を王座に据えた先にあるものではなく、俺を王にすること自体にある、ような。うまく説明が出来ない。
でも、話に聞く、俺が自殺未遂の末昏睡に陥り、自身の悪事が露呈した時の彼女の態度は、あまりにあっさりしていた。もし、自分が実権を握って、王国の権益で私欲の限りを尽くすことに拘っていたのなら、そう簡単に自分の罪を認めやしないと思うのだ。
当時の王宮の勢力図を殆ど掌握していると言っても過言ではなかったあの母親の権謀術数なら、俺が昏睡して、毒を盛った疑惑があったとしても、いくらでも言い逃れ出来たはず。
彼女の目的は、本当に、実権を握って私欲の限りを尽くすことだったのか? そんな、人間の発想と欲望の範疇から出ないような、くだらない願望で、理性すら感じるほどの狂気を揮うことができるのだろうか。
そう、思えてならないのである。
+++
「いやあ、終わった終わった。正直、目的が同じだったから仕方なく従ってただけで、教会とはトコトン反りが合わなかったからね。清々、清々」
中庭のガゼボで、オリヴィアさんに淹れてもらった紅茶片手に魔導書を読みつつ、思索にふけっていたところ、突如どこからか転移して、俺の向かいの椅子に着席したミュルダール。
俺に許しも得ず、ケーキスタンドに残っていたサンドイッチをひょいとつまんで一口頬張りながら、不届き者は肩を竦めた。俺のこと散々図々しいだのなんだの言っておいて、完全にブーメランじゃねえか。
「教会も、アンタみたいなのと手を組まなきゃならなかったなんて、よっぽど人手不足なんだな」
「ハハ、まあ、少なくとも、辛うじて王太子殿下に手出しできる、僕レベルの魔術師はもういないよね。しばらくは木っ端のような三流魔術師がちょっかいかけてくるだろうけど、どうあがいても僕らに手出しなんか出来るはずもないし。政治的圧力はあるだろうけど、それもまあ、僕じゃなくて国王陛下や王太子殿下の領分だ。僕たちが気にすることじゃないさ」
こっち側に寝返って早々、ジルラッドの政治的権力にしっかり頼り、教会との契約を白紙にしてもらっておきながら、この言い草である。俺はもう突っ込む気にすらならず、再び意識を魔導書の方に戻した。やっぱりコイツのことこっちに引き込んだの失敗だったかな。
「それで? 宝箱の君は何を御思案でいらっしゃるのかな? そうだな、当てて見せようか……ズバリ、僕のスリーサイズとか!」
「路傍の石より興味が湧かないものなんて初めてでビビるわ。てか何、その『宝箱の君』って」
「ああ、王宮内の人間は君のことを概ねそう呼ぶのさ。ジルラッド王太子殿下謹製の箱庭に、後生大事に秘され、守られる、眠りの聖者へ、畏敬と軽蔑を込めて、ね」
「ヤバ、柄じゃなさ過ぎて鳥肌立った」
畏敬と軽蔑を込めて、だって? せめてどっちかにしとけよ。
まあ、いまの俺の立場、早い話、王家にとっては厄介者も良いところだからな……軽蔑ってのは重々理解できるよ。
母親が不貞の末国外追放された毒婦の元王妃で、教会に身元を狙われている聖者とか言うやつで、挙句、そんな存在なのに、完璧無比な王太子殿下の関心をとりわけ買っているときた。
ウルラッド父さ……いや、陛下はよくぞこんな俺を王家の末席に置いてくれているよ。
一体誰なんだよ、あんな厄ネタと不貞を働いたとか言う物好きはよ。あんなんでも王妃だぞ、王妃。恥知らず&命知らずにも程があるだろ。
「マ、そんな話は置いておいてさ。聞きたいんだけど、あの女の悪意に晒されて幼少を過ごした君なら、心当たり無いかな、あの女が潜伏してそうな場所とか」
「……そう言えば、国外追放って言っても、あの母親が死ぬまでは、どこまでも監視がつきそうなもんだけど、そうじゃないのか?」
「ああ、そんなのは、国境を跨いで一週間もしないうちに、連絡が途絶えたよ。あの女は闇魔法の使い手で、執行対象にあたるから、教会執行部も独自に追ってはいるんだけど、全然行方が掴めないんだな、これが。どこぞでくたばっててくれるならまだいいが、あの女のことだから、どうせ生きてるんだよね。そのくせ五年も全くモーションを起こさないから、不気味で仕方ないったら」
「教会って、光魔法もとい聖魔法の使い手だけじゃなくて、闇魔法の使い手までコレクションするのか? 趣味悪いな」
「ハッ、まあ、趣味悪いのは否定しないけど。闇魔法の使い手に対する執行については、光魔法の使い手を保護監察しているからこそ、なんだな」
「どういうことだ」
「あれ? さては全然知らないか。良いよ、この僕が教えてしんぜよう」
妙に生き生きと目をかっぴらきながら、何がそのように愉快か、朗々とミュルダールは語った。
悪意によって、人心を惑わし、煽動し、心身に悪影響をもたらす、光魔法の対極、闇魔法。
その実、闇魔法の使い手は、光魔法の適性者が、自身の裡に抱える悪意や強欲に飲まれ、堕ちた姿なのだという。
光魔法の適性者は希少だ。その上、生育如何によっては、容易く失われてしまう……教会が、光魔法の使い手を手厚く保護監察し、教育する理由は、どうやらそれだけではなかったらしい。
一般には明かされていない事実らしいが、光魔法の使い手が、その御業を失うどころか、勢い余って堕ちてしまわないよう、幼少の数年間にわたって、数度の洗礼で禊ぎ、楔を刻み、その身柄を秘密裏に管理する必要があるというのだ。
万が一、堕ちた者があった場合は、すぐさま教会が手を打てるように。
人の世を悪意によって惑わす、忌まわしき闇魔法の使い手を、決して野放しにしないために。
「まあ、教会の数百年の歴史で積み重ねたはずのノウハウより、あの女のワザマエの方が上手だったみたいで、このザマだよね。普通に野放しになっちゃってさ。この国は、5年前から、いつ爆発するか分からない、所在不明の不発弾をずっと抱えてて、各方面が血眼で探し続けてるって状態。まあ、でも、ね。君が目を覚まして、五年間なにも変わらなかったこの事態が、ようやく動き始めたわけだし。きっとあの女も、何か手を打ってくるに違いないと睨んでるわけだけど」
「手を打たれてからじゃ遅いから、あの母親の根城をいち早く突き止めたいってワケね」
ミュルダールは、行儀悪くヒョイと一口に放り込んだスコーンに、口の中の水分をほとんど持っていかれたようで、モゴモゴと口ごもりながら、「ほふほほ~(そゆこと~)」などと俺の方を指さしながら言った。俺のために用意してもらったはずのペストリーの半分以上がコイツの胃の中に納まっていっているのだが、訴えたら勝てるんじゃなかろうか。
「げふ、ゴホっ……うん、マ、何にしろ、昔ならいざ知らず、今のあの女は完全に孤立無援だ。実はね、王太子殿下と僕で、対闇魔法の特殊洗礼術式を共同開発したんだよ。あの女の魔力サンプルなら潤沢にあったから、あの女が消息を絶ってから、そう間もなく完成させることが出来たんだよね。今は国民全員がその特殊洗礼を受けることを義務化して久しいし、あの女の闇魔法で、無辜の民草がむやみに煽動されるようなことにはならないはずさ」
「それならまあ……いや、待て」
「え? 何?」
「俺の記憶が正しければ……闇魔法って、魔獣を操ることもできたはずだよな」
「ああ、そうだね」
小説でのジルラッドは、確かこの年のころ、父王があの母親に暗殺され、ベルラッドが国王に即位するにあたり、彼もまた、魔獣蔓延る辺境の地に追放同然に追いやられた。
復讐を誓ったジルラッドは、とても人の住める地ではないその魔獣の巣窟で、日々夥しい数の魑魅魍魎を狩り続けながら、最強の力を磨き上げていき、一匹残らず魔獣を根絶やしにするまでに至ったのだ。
しかし、もうこの世界は、そんなシナリオなどあって無いようなもので、全く違う道を進んでいる。何せ、追放されたのはジルラッドではなく、あの母親の方なのだから。
それなら、小説ではジルラッドが狩り尽くすはずだった辺境の魔獣たちはどうなった?
少なくとも、ガラリア王国に住まう国民に、彼女の闇魔法はもう通用しないらしい。
なら、今は孤立無援のあの母親が、自身の手勢とするのは……!
「ミュル叔父、ディザリオレラかもしれない。東の辺境、魔獣の巣窟と化し、建国当初から何重にも封印が施されている禁足地……孤立無援なのだとしたら、あの母親が使えるのは魔獣しかないだろう」
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