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第四章 ラスボスにしたって、これは無いだろ!
第五十五話
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ウルラヌスは、シレーヌの手引きによって、後宮の一室に人知れず監禁されることになった。彼女をこうさせてしまったという負い目と罪悪感によって、彼女を目の前にすると、彼には抵抗という抵抗ができなかったのだ。
純真無垢に、何も疑わず、人々の痛みを癒すために、惜しみなく力を揮う聖女として、名を馳せたころの面影はもう、どこにも無く。
変わり果てた彼女は、その強大な光魔法の力を、周囲の人間を意のままに操るために使っていた。
ゆえに、ウルラヌスが周囲の人間にどんなに訴えかけても、孤立が深まるばかりで。
「王妃殿下、おやめを、どうか、お考え直しください」
遂には、一糸まとわぬ姿のシレーヌが、ウルラヌスの横たわる寝台に上がってくるまでになってしまった。シレーヌの魔法によって身動きの取れない状態にありながら、ウルラヌスは朦朧とする意識をそれでもつなぎとめ、かたくなにシレーヌを拒絶した。
「ねえ、シレーヌと呼んでくださらないの? ウルラヌス、何も心配はいらなくてよ。貴方が心配することは何もない。今は不自由させてしまうけれど、少しの辛抱だから、ね」
シレーヌは言い聞かせるように語った。王子を産み、王妃としての地位を盤石にした暁には、ウルラッド王を説得して、王位から退いてもらうのだと。そうして、幼い我が子を王位につけ、ウルラヌスを枢機卿の地位につかせ、自分は国母として、二人で手を取り合いこの国の政治を営むのだと。
「そんな夢物語を、どうして叶えられましょうか、王妃殿下」
「いいえ、信じて、ウルラヌス。私なら出来るの。こうなってしまったからには、これが私の妥協点。私のことを思うなら、どうか信じてちょうだい」
「殿下のそんな思惑で、何も知らぬまま、貴方と夫婦の営みをする羽目になる国王陛下のことも、何より、生まれてくる嬰児にも、どれほど辛い思いをさせることか」
「どうして、陛下の御子を私が産むと思うの? 私が産むのは、貴方との子だけよ」
ウルラヌスは絶望した。自らの愚かしい選択のせいで、彼女は取り返しのつかない過ちを犯そうとしている。
彼女には、一度自身を裏切った自分の言葉など、届きやしないのだと。
その晩、ウルラヌスは、自らの精神に干渉せんとする彼女の魔法に、決して屈さなかった。夜が明けるまで、自らの罪と向き合うことを選んだのだ。
そして、次の日。シレーヌが去り、彼一人となった部屋の中で。
今度こそ、彼女の夢物語を挫くべく。
ウルラヌスは舌を噛み切り、自らの命を絶った。
+++
犯した罪が大きすぎたのか。抱える悔いが深すぎたか。
ウルラヌスの魂は、天に召されることなく、シレーヌの傍に留まることとなった。
そして、彼は、自らの死体の傍らで、彼女の魔力が、決定的に変質する様を目の当たりにした。
光魔法の使い手が闇に堕ちる時。それは、どんな沼よりも深い憎悪に飲まれた瞬間でも、世界を呪った時でもない。
「誰かを殺した」と、そう、自らを定義した瞬間なのである。
「ふふ、うふふふふ、ねえ、ウルラヌス、貴方ってば、おかしい人。これくらいで、私が挫けるとでも思っていて? 逃げるなんて許さなくてよ。私、絶対に、貴方を王にしてみせるのだから」
彼女の涙が、彼女の愛が、闇の魔力として、ウルラヌスの死体に流れ込む。彼は、余計、自身の魂が彼女の傍に縛り付けられるのを感じた。
まるで、魂が歪み、引き裂かれ、人格が分裂していくような、その感覚。
自分の死如きでは、彼女の暴走を止める事が出来なかった。それどころか、むしろ。自身の死がきっかけで、決定的に、道を踏み外させることになってしまったのだ。
大きな挫折感と悔恨が、肉体を失ったはずの肩に重くのしかかる。
彼女の闇魔法によって、もう自分の死体というモノからもすっかり乖離していったナニカを、彼女はウルラヌスと呼び、夜ごと愛憎を囁いた。
たった一夜の過ちによって、哀れな嬰児の命を宿し、日に日に大きくなっていくお腹を抱えながら、毎晩欠かさず、自分の死体だったナニカに語り掛けるのである。
「ねえ、ウルラヌス。私、貴方との子を王にするの。それでね、機が熟したら、魂の器と魂を入れ替えるのよ。そうすれば、貴方を王座につかせることができるでしょう。この子は貴方の血を継いだ子。その器なら、貴方の魂にも適応できる……いいえ、適応させる。してみせる。待っていて、貴方が目覚める時は、そう遠くないわ」
「しまったわ……そうよね、この子は私と貴方の子ですもの。光魔法の適性があって当たり前。ああ、忌々しい、駄目よ、教会に預けて、貴方のように、王位継承権を失くしてしまったら、大変なこと。何とか手を打って、適性のことは隠し通すとして……ああ、そうよ、この子に光魔法の適性があっても、光魔法が発現しないように育てることはできるわ。そうね、そうしましょう」
「なんてことをしてくれたの、あの愚王!! まさか、側妃との間に王子をもうけるなんて……! まずいわ、あの愚王はベルラッドの出生に疑いを持っている……頃合いを見て、愚王も、その息子も、排除しましょう。邪魔者には容赦しない、貴方と私の幸せのために」
「あの子、ベルラッド……どうしてしまったの、あの子ってば、私の言うことをよく聞いてくれるいい子に育っていた筈よ。それなのに、最近様子がおかしいの。どうしてしまったのかしら。余計な自我を持ってもらうと困るわ……」
「私、何を間違ってしまったの……? やっぱり、最近のベルラッドはおかしいわ。あの子が私の意に沿わないなんて……早急に手を打たないと……そうね、もう、人格を壊してしまう方が早いかしら」
「あの子の自我、意外としぶといのよね……でも、もうすぐよ。きっと、もうすぐ、昔よりもずっと、いい子になってくれるわ」
「私の毒が効かないなんて、全くの想定外。思っていたより、光魔法の適性が強すぎたのかもしれない。忌々しい……そう、そうよね、ええ、もう、貴方との子だからって容赦なんてしていられないわ。最初からこうすべきだったのよ。どうせ、貴方の魂が入る器に過ぎないのだから、人格なんて最初から必要なかったのだわ」
無力という名の、罰。
最愛の女性が、自分の愚かしい過ちのせいで、罪のない自分たちの子の尊厳を蹂躙するさまを、最愛の女性が、彼女によく似た我が子を苦しめるさまを、ただ見ているしかなかった。
主は、彼が涙を流すことも許さない。ウルラヌスは、それが妥当だとすら思った。
「ふ、ふっ、ふふふ、うふ、あははっ……いやだわ、何も、私を追い詰めようってときばかり、似なくたっていいじゃない……誰も彼も、そんなことじゃ、私は諦めないって、どうしてわからないのかしら。今更、立ち止まったりなんか、するものですか。ねえ、ウルラヌス」
シレーヌは、国外追放の罰を、敢えて受け入れた。そして、国境を跨いだ瞬間、監視役を殺害、東の忌み地、ディザリオレラに赴く。
長い年月をかけ、彼女の闇魔法に骨の髄まで冒された、ウルラヌスの死体だったナニカを携えて。
彼女は、自身の闇魔法を行使し、弱い個体から一匹ずつ、自らの支配下に置いた。そして、すっかり彼女の随意に動くようになったウルラヌスの死体に、従えた魔獣を捕食、吸収させていったのだ。
魔獣を捕食させた次の瞬間には、彼女はその死体と***した。なるべくして変容していくウルラヌスだったものと、彼女は幾度となく行為を繰り返した。
5年もの間だ。ディザリオレラに生息していた魔獣を、彼女がウルラヌスと呼ぶナニカが、全て吸収しきるまで、それは絶えず続いた。そのころには、彼女はそのナニカと融合するまでに成り果てていた。彼女自身、もう、人としての肉体を捨て、バケモノの一部になってしまったのだ。
「ふふふ、そう、そうなのね、あの子が、ベルラッドが、目覚めた……! ようやくよ、ようやく、その時が来たの……! 王国を、全てを無に帰して、一から、新しい、私たちの国を始めるのよ! ええ、私たちなら、きっと、素晴らしい国を作れるわ!」
ああ、どうすれば、彼女は立ち止まってくれるのだろう。どうすれば、彼女に言葉が届けられよう。
彼女は、ただ、ウルラヌスを殺めてしまったという、彼女の中で確立してしまった事象を否定するために、ここまで来たのだ。あとには引けぬと、彼女自身、よく分かっていた。だからこそ、立ち止まることをしなかったのである。
どうして、彼女がこうなったかなど、火を見るよりも明らかであった。
ウルラヌスが、自らの幸福を捨てたから、彼女もまた、自らの幸せを、捨てるしかなかったのだ。
純真無垢に、何も疑わず、人々の痛みを癒すために、惜しみなく力を揮う聖女として、名を馳せたころの面影はもう、どこにも無く。
変わり果てた彼女は、その強大な光魔法の力を、周囲の人間を意のままに操るために使っていた。
ゆえに、ウルラヌスが周囲の人間にどんなに訴えかけても、孤立が深まるばかりで。
「王妃殿下、おやめを、どうか、お考え直しください」
遂には、一糸まとわぬ姿のシレーヌが、ウルラヌスの横たわる寝台に上がってくるまでになってしまった。シレーヌの魔法によって身動きの取れない状態にありながら、ウルラヌスは朦朧とする意識をそれでもつなぎとめ、かたくなにシレーヌを拒絶した。
「ねえ、シレーヌと呼んでくださらないの? ウルラヌス、何も心配はいらなくてよ。貴方が心配することは何もない。今は不自由させてしまうけれど、少しの辛抱だから、ね」
シレーヌは言い聞かせるように語った。王子を産み、王妃としての地位を盤石にした暁には、ウルラッド王を説得して、王位から退いてもらうのだと。そうして、幼い我が子を王位につけ、ウルラヌスを枢機卿の地位につかせ、自分は国母として、二人で手を取り合いこの国の政治を営むのだと。
「そんな夢物語を、どうして叶えられましょうか、王妃殿下」
「いいえ、信じて、ウルラヌス。私なら出来るの。こうなってしまったからには、これが私の妥協点。私のことを思うなら、どうか信じてちょうだい」
「殿下のそんな思惑で、何も知らぬまま、貴方と夫婦の営みをする羽目になる国王陛下のことも、何より、生まれてくる嬰児にも、どれほど辛い思いをさせることか」
「どうして、陛下の御子を私が産むと思うの? 私が産むのは、貴方との子だけよ」
ウルラヌスは絶望した。自らの愚かしい選択のせいで、彼女は取り返しのつかない過ちを犯そうとしている。
彼女には、一度自身を裏切った自分の言葉など、届きやしないのだと。
その晩、ウルラヌスは、自らの精神に干渉せんとする彼女の魔法に、決して屈さなかった。夜が明けるまで、自らの罪と向き合うことを選んだのだ。
そして、次の日。シレーヌが去り、彼一人となった部屋の中で。
今度こそ、彼女の夢物語を挫くべく。
ウルラヌスは舌を噛み切り、自らの命を絶った。
+++
犯した罪が大きすぎたのか。抱える悔いが深すぎたか。
ウルラヌスの魂は、天に召されることなく、シレーヌの傍に留まることとなった。
そして、彼は、自らの死体の傍らで、彼女の魔力が、決定的に変質する様を目の当たりにした。
光魔法の使い手が闇に堕ちる時。それは、どんな沼よりも深い憎悪に飲まれた瞬間でも、世界を呪った時でもない。
「誰かを殺した」と、そう、自らを定義した瞬間なのである。
「ふふ、うふふふふ、ねえ、ウルラヌス、貴方ってば、おかしい人。これくらいで、私が挫けるとでも思っていて? 逃げるなんて許さなくてよ。私、絶対に、貴方を王にしてみせるのだから」
彼女の涙が、彼女の愛が、闇の魔力として、ウルラヌスの死体に流れ込む。彼は、余計、自身の魂が彼女の傍に縛り付けられるのを感じた。
まるで、魂が歪み、引き裂かれ、人格が分裂していくような、その感覚。
自分の死如きでは、彼女の暴走を止める事が出来なかった。それどころか、むしろ。自身の死がきっかけで、決定的に、道を踏み外させることになってしまったのだ。
大きな挫折感と悔恨が、肉体を失ったはずの肩に重くのしかかる。
彼女の闇魔法によって、もう自分の死体というモノからもすっかり乖離していったナニカを、彼女はウルラヌスと呼び、夜ごと愛憎を囁いた。
たった一夜の過ちによって、哀れな嬰児の命を宿し、日に日に大きくなっていくお腹を抱えながら、毎晩欠かさず、自分の死体だったナニカに語り掛けるのである。
「ねえ、ウルラヌス。私、貴方との子を王にするの。それでね、機が熟したら、魂の器と魂を入れ替えるのよ。そうすれば、貴方を王座につかせることができるでしょう。この子は貴方の血を継いだ子。その器なら、貴方の魂にも適応できる……いいえ、適応させる。してみせる。待っていて、貴方が目覚める時は、そう遠くないわ」
「しまったわ……そうよね、この子は私と貴方の子ですもの。光魔法の適性があって当たり前。ああ、忌々しい、駄目よ、教会に預けて、貴方のように、王位継承権を失くしてしまったら、大変なこと。何とか手を打って、適性のことは隠し通すとして……ああ、そうよ、この子に光魔法の適性があっても、光魔法が発現しないように育てることはできるわ。そうね、そうしましょう」
「なんてことをしてくれたの、あの愚王!! まさか、側妃との間に王子をもうけるなんて……! まずいわ、あの愚王はベルラッドの出生に疑いを持っている……頃合いを見て、愚王も、その息子も、排除しましょう。邪魔者には容赦しない、貴方と私の幸せのために」
「あの子、ベルラッド……どうしてしまったの、あの子ってば、私の言うことをよく聞いてくれるいい子に育っていた筈よ。それなのに、最近様子がおかしいの。どうしてしまったのかしら。余計な自我を持ってもらうと困るわ……」
「私、何を間違ってしまったの……? やっぱり、最近のベルラッドはおかしいわ。あの子が私の意に沿わないなんて……早急に手を打たないと……そうね、もう、人格を壊してしまう方が早いかしら」
「あの子の自我、意外としぶといのよね……でも、もうすぐよ。きっと、もうすぐ、昔よりもずっと、いい子になってくれるわ」
「私の毒が効かないなんて、全くの想定外。思っていたより、光魔法の適性が強すぎたのかもしれない。忌々しい……そう、そうよね、ええ、もう、貴方との子だからって容赦なんてしていられないわ。最初からこうすべきだったのよ。どうせ、貴方の魂が入る器に過ぎないのだから、人格なんて最初から必要なかったのだわ」
無力という名の、罰。
最愛の女性が、自分の愚かしい過ちのせいで、罪のない自分たちの子の尊厳を蹂躙するさまを、最愛の女性が、彼女によく似た我が子を苦しめるさまを、ただ見ているしかなかった。
主は、彼が涙を流すことも許さない。ウルラヌスは、それが妥当だとすら思った。
「ふ、ふっ、ふふふ、うふ、あははっ……いやだわ、何も、私を追い詰めようってときばかり、似なくたっていいじゃない……誰も彼も、そんなことじゃ、私は諦めないって、どうしてわからないのかしら。今更、立ち止まったりなんか、するものですか。ねえ、ウルラヌス」
シレーヌは、国外追放の罰を、敢えて受け入れた。そして、国境を跨いだ瞬間、監視役を殺害、東の忌み地、ディザリオレラに赴く。
長い年月をかけ、彼女の闇魔法に骨の髄まで冒された、ウルラヌスの死体だったナニカを携えて。
彼女は、自身の闇魔法を行使し、弱い個体から一匹ずつ、自らの支配下に置いた。そして、すっかり彼女の随意に動くようになったウルラヌスの死体に、従えた魔獣を捕食、吸収させていったのだ。
魔獣を捕食させた次の瞬間には、彼女はその死体と***した。なるべくして変容していくウルラヌスだったものと、彼女は幾度となく行為を繰り返した。
5年もの間だ。ディザリオレラに生息していた魔獣を、彼女がウルラヌスと呼ぶナニカが、全て吸収しきるまで、それは絶えず続いた。そのころには、彼女はそのナニカと融合するまでに成り果てていた。彼女自身、もう、人としての肉体を捨て、バケモノの一部になってしまったのだ。
「ふふふ、そう、そうなのね、あの子が、ベルラッドが、目覚めた……! ようやくよ、ようやく、その時が来たの……! 王国を、全てを無に帰して、一から、新しい、私たちの国を始めるのよ! ええ、私たちなら、きっと、素晴らしい国を作れるわ!」
ああ、どうすれば、彼女は立ち止まってくれるのだろう。どうすれば、彼女に言葉が届けられよう。
彼女は、ただ、ウルラヌスを殺めてしまったという、彼女の中で確立してしまった事象を否定するために、ここまで来たのだ。あとには引けぬと、彼女自身、よく分かっていた。だからこそ、立ち止まることをしなかったのである。
どうして、彼女がこうなったかなど、火を見るよりも明らかであった。
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