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07-2

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 寝室の扉が閉まった途端、天音の唇をハインツの唇が塞いだ。すぐにキスは深いものに変わり、二人の舌が甘く絡み合う。

 ハインツはキスをしながら天音をベッドの上に横たわらせた。すぐに自分もベッドに上がり、天音の体に圧し掛かるような体勢になる。そしてまた二人の唇を重ね合わせると、天音の舌を強く吸いあげた。

「あ、んん……ハインツ……」

 舌を絡め合うキスはとても気持ちよくて、天音はいつの間にかハインツの首に腕を絡めていた。
 誰からも教わっていないのに自然に顔を傾けて、更に深いキスをハインツにねだる。

「ん……ハインツ、好き……好き……」
「はあ、アマネ……少なくとも後二、三年は待つつもりでいたのに、まさか既に成人してたとは……」

 キスの合間にハインツの声が聞こえるが、甘い快楽に思考を鈍らせた天音の頭では、その言葉の意味を理解できない。

 やがてハインツが天音の服の中に手を忍ばせた。
 胸の尖りをきゅっと指で摘まれた途端、天音の体がビクンと跳ねる。

「あ……そこ……なん……あっ」
「今からおまえを抱く。嫌か?」

 一瞬だけ目を見開いた後、天音は首を横に振った。

「……い、嫌じゃない。それでころか俺、恥ずかしくて言えなかったけど、いつまでたってもハインツが手をだしてくれないのを、ずっと不安に思ってた。やっぱり俺が醜いから嫌なのかなって……」
「バカな、おまえほど美しい者は他にいないというのに」
「お世辞でも、ハインツがそう言ってくれて嬉しい」

 そう言って愛らしい笑みを浮かべる天音に、たまらずハインツが力強く抱きしめた。

「アマネ、愛している」
「俺もだよ。俺もハインツを愛してる」
「おまえを抱きたいとずっと思っていたが、今まで我慢していた。でも、もう無理だ。今からおまえのすべてをわたしのものにする。いいな」

 頬を染めた天音が小さく頷く。
 そして、恥ずかしそうに言った。

「俺もハインツのものになりたい。ただ、さっきも言ったけど、俺はこういうこと本当に初めてだから、少し怖くて……。や、優しくしてくれる?」

 かわいらしくく頬を染める天音を前に、ハインツが一瞬、ぴたり、と動きを止めた。かと思うと、喉奥を犯すような深く激しいキスを天音に仕掛けた。

「ん、んん?!」
「はあ、アマネ、優しくするつもりだったが、こんなにかわいく煽られると……」

 ハインツの大きな手が天音の肌の上を流れるように動く。
 気が付くと天音の服はすべて剥ぎとられていて、シミ一つない美しい裸体をハインツに晒していた。

「綺麗だ……見ているだけでたかぶってくる」

 ハインツの唇が天音の乳首をじゅっと吸い上げた。

 ピリッとした刺激に天音の体がビクンと跳ねる。

「あっ……んうん……あっ、ああっ、やぁ……そこ、気持ちぃ……」
「敏感でかわいい体だ」

 尖り始めた天音の乳首を、ハインツが舐めまわしては唇で吸う。

 天音は堪らず身を捩らせた。ハインツの舌が自分の乳首を舐めしゃぶるたび、ペニスが勝手にびくびく震えるほど気持ちがいい。鈴口からはいやらしい汁が流れ落ちる。

 あまりにも淫らなその姿に、ハインツは夢中になって天音の乳首を舌先で転がしては強く吸い上げた。善がる天音の声が耳に入るたび、ハインツの気持ちが昂りを増していく。
 もっと嬌声を上げさせたくて、ハインツは天音のペニスを手で扱いた。

「はぁ……あっ、あ……やああっ、もっ、ダメ!」

 天音がそのしなやかな肢体をのけ反らせ、あっけなくも激しく射精した。

 呼吸を大きく乱しながら、天音は戸惑っていた。これまで生きてきて、こんなにも射精で強い快感を得たのは初めてだったからだ。
 なのにもの足りなくて、股間がじくりと熱く疼く。

 そもそも天音は性欲が強い方ではない。定期的に出さないと身体に悪いという噂を聞いて、面倒だと思いながらも仕方なしに自慰をしていたくらいだ。
 しかし、そうまでして射精したところでたいして気持ち良くもないし、変な罪悪感に苛まれて嫌な気持ちになったりもする。
 だから天音はあまり自慰が好きではない。しないですむならそうしたいとずっと思っていた。

 そんな天音だから、異世界に来てからは自慰を一度もしていなかった。
 知らない世界に突然落とされて気持ちに余裕がなかったし、煌びやかな城のトイレや風呂場を、自分の精液で汚す気になどとてもなれなかったからだ。

 だからこそ、ハインツに少し刺激されただけですぐに達してしまった。
 あまりにも早すぎて恥ずかしい半面、知ってしまった強い快感がまた欲しくて堪らず、天音は全身を火照らせながらハインツにねだった。

「ハインツ……もっと……もっとして。お願い、俺のこともっと気持ちよくしてよ……」
「ああ、すぐによくしてやる」

 言うが早いか、ハインツは天音の両足を大きく広げた。手早く腰の下にクッションを滑り込ませると、唾液を纏わせた己の指を天音のアナルにぐいと埋め込んだ。

 驚いたのは天音である。された行為にというよりは、あまりにもすんなりとハインツの指を飲み込む自分の後孔に驚いたのだ。

「え、なんで?! まったく痛くない」
「一度達した後だからな、体が受け入れ態勢になるのは当然だろう?」
「でも俺、男同士の性交は慣れるまではかなり痛いって聞いたことがあって……」
「こちらの世界ではそんなことはないぞ。それにほら」

 アナルの中のハインツの指の腹が、天音の前立腺をぐりっと刺激した。

「えっ、あああっ?!」
「ここが男が感じるところだ。ここを刺激されると、男は奥から愛液を分泌させる。入口周辺の筋肉も少しゆるむから、アマネの小さくてかわいい穴でも、わたしのモノを受け入れられるようになる」

 言いながらハインツは容赦なく前立腺を刺激する。
 初めて知る尻穴での快感に、天音は我慢できずに喘ぎ声を上げ続けた。

「はぁっ……そこ、なにっ……そこ変っ、お尻の中、おかしい……うあっ…ああっ!」

 天音の嬌声にぐちゅぐちゅと淫靡な水音が混じりだす。

「いい感じに濡れてきたな。入口も柔らかく解れたし、もう大丈夫だろう」

 天音のヒクつく後孔を欲望にまみれた熱い目で見つめながら、ハインツが下着の中から猛るペニスを取り出した。

 そのあまりの剛直さに、天音は少し怯んでしまう。
 しかしそれよりも、天音には気になることがあった。

「俺はこの世界の人間じゃないのに、どうしてお尻が濡れたりするんだろう。おかしいよ。だって俺の世界の男は中を触られても濡れたりしないし、イったってそこが弛んだりしないはずなのに」
「マンフリートの調べによれば、界渡り人の肉体は落ちた先の世界の人間に準じたものに作り変わるらしい」

 雄種が妊娠できない世界からやってきた界渡り人の男性が、この世界で出産したとの記録も残っているという。

「ってことは俺も妊娠できるってこと? ハインツの子供を産める?」
「おそらく大丈夫だろう」
「!!」

 嬉しさのあまり、天音は体を起こしてハインツに抱きついた。

「どうしよう、すごく嬉しい! ハインツは皇帝で、だから絶対に跡継ぎが必要なのに俺には子供を産めないから。だからいつかは別れないといけないって思ってた」

 少なくとも、誰か他の人にハインツの子供を産んでもらう必要があるだろうと、天音はそう思っていた。
 けれど、自分が愛人になるのもハインツが他に愛人を囲うことも嫌だった。

 どうしたらいいか分からずに苦しかった。

 けれど、自分が妊娠出産できることを知った。

 天音の悩みは一気に消え失せた。

「俺……俺がハインツの子供を産むよ。だから、これからはもう他の人を抱いたりしないで。俺だけにしてよ、俺だけを好きでいて。お願いだよ、ハインツ」

 そんなかわいいおねだりを涙目でしてくる天音に、ハインツの中に愛しさが込み上げた。

「……アマネ、おまえ……ああくそっ、これ以上我慢などできるか!」

 ぐちゅり、と卑猥な音が天音の耳に届いた。
 ハインツの亀頭が愛液に濡れる天音のアナルにめり込んだ音だった。

「んう、ああっ?!」
「はぁ……アマネのかわいい穴が美味そうにわたしを飲み込んでいく」
「う……うう、あ……入って……あっ……やあ!」
「痛みはないな?」

 こくこくと頷く天音を見て、ハインツがぐっと腰を推し進めた。

 天音の体内の肉が押し広げられていく。自分の中にハインツのペニスが分け入っていく感覚に、天音はぶるりと体を震わせた。

 少し苦しいけれど痛くはない。それどころかハインツが奥へと進むたび、甘やかな快感と喜びで全身が満たされていく。

 やがて最奥にハインツの先端が届いた。小刻みに腰を揺らされるたび、硬い亀頭が天音のイイところをコンコンとつついた。

「あっ……あ、ああ……ああっ!」
「奥が好きか? だったら少し強めに突いてやろう」

 グラインドを大きくして、下から上に突きあげるようにハインツが腰を打ち付けた。
 休みなく何度も突かれるたびに、奥から身を震わせるほどの快感が沸き上がる。天音はあまりの気持ち良さに腰を浮かせながら喘ぎ声を上げた。

「ああ、それいいっ……すごい、ハインツのが当たって……ああっ、いい、そこっ!」
「もっと欲しいか」
「欲しい、う……んんっ、もっと欲しいっ」

 セックスがこんなに気持ちのいいものだなんて、天音は考えたこともなかった。
 そして、自分に快感を与えているのがハインツのペニスだと思うと、それだけで天音の直腸が濡れてきゅんきゅん締まった。

「はあ……アマネ、そんなに締めるな。気持ち良すぎて出てしまいそうだ」

 色っぽいハインツの声に、天音の体が悦びに震えたその瞬間。頭が真っ白になって天音は白濁を吹き出した。
 無意識に体が強張る。それが腰にも伝わってハインツのペニスを締め付けた。

 その締め付けを感じながら、ハインツはペニスの抽挿を繰り返す。そしていよいよ達するという時、思いっきり最奥を目指して腰を突き上げた。

「ぐっ」

 ぎゅううと天音の尻穴が締まった。
 あまりの快感に堪えきれず、ハインツは欲望のすべて一滴残らず天音の中に吐き出したのだった。

 中に受けた熱い刺激に、天音は今度は中イキしてしまう。

「あああ……どうしよう、気持ちい、すごく気持ちいよぉ!」

 ボロボロと涙を零す天音の口から吐き出される息は蕩けるほど甘く、体は達した後もびくびくと痙攣を続けていた。

 そんな天音にハインツが口付ける。
 口の中に入ってきたハインツの優しい舌に、天音はそっと自らの舌を絡ませた。

「ハインツ、好き、大好き」
「ああ、わたしもだ。アマネ、おまえが愛しい」

 快感の余韻が全身を包む中、天音が自分の腹を手でさすった。

「赤ちゃん……ハインツと俺の赤ちゃん、できたかな、できたと思う?」

 そんなことを問うてくる天音がかわいくて堪らず、ハインツは天音の顔中にキスの雨を降らせる。

「一度で孕むのは難しいだろうな」

 汗ばんだ天音の前髪を、ハインツが愛し気に指で梳いた。

 気持ち良さそうに目を細めた天音が、甘えるように言う。

「だったら……ハインツの赤ちゃんができるまで何度でもしたい。だめ?」
「したいのは子を孕みたいからだけか?」

 天音が少し照れたように首を振った。

「だって、また気持ちよくなりたいから。それに、ハインツが気持ち良くなってくれたのも嬉しかった。ハインツには俺でいっぱい気持ちよくなって欲しい」

 そう言った後、なにかを思い出すかのような顔を天音はした。黒い瞳がとろりと蕩ける。

「俺、セックスがあんなに気持ちいなんて知らなかった。ハインツのおちんちんでお尻の奥を突かれたら、他のことなにも考えれなくなるくらい気持ちよくて、頭がおかしくなりそうだった。はぁ、また気持ちよくして欲しい。俺のお尻の奥をハインツのおちんちんでいっぱいまた突きあげて欲しい。ああ、どうしよう、想像したらお腹の奥がじくじくしてきた……ああっ!!」

 ずぷんっ、とハインツがいきり立つペニスで天音のアナルを貫いた。
 天音が声も出せずに目を見開いていると、そんな天音の両方の乳首をハインツが指で強く摘まみ上げた。

「ふあああっっ!!!」

 びゅくっと天音のペニスから粘りの少ない汁が飛び散った。
 ハインツの腰が前後に動かされるごとに、天音の快感が大きくなっていく。

「やぁ、ハインツ、気持ちいぃっ、すごい気持ちいよぉ……お尻の中がおちんちんで擦られて……ああ……いいっ、すごいっ……じんじんする! お尻が気持ちいいっ」

 天音の両足がハインツの体にからみ付いた。
 離れたくない、もっと奥まできて欲しいという意思表示だ。

「そんなにいいか」

 ハインツが腰を動かしながら乳首を吸っては舐める。

 天音は喘ぎながら体を快感に震わせ、口端から淫らに涎を垂らした。

「あ……すごいぃ、奥すごいよぉ……乳首が……乳首が気持ちい……奥も……ハインツも……ハインツも気持ちいい?」
「はぁ、はぁ、もちろんだ。いいに決まっている」
「ハインツ、好き……好き。ああ……ちんちん擦って! もっと強く擦ってよぉ」

 ねだられるままに、ハインツが強めに天音のペニスを扱いた。

 全身を火照らせてビクビクと体を震わせる天音は言葉にできないほど卑猥で、それがハインツには愛しくてたまらない。

「アマネ、愛している」
「俺もっ、俺も愛してる……んあっ!」

 震える天音のペニスの先端を、ハインツが親指の腹で円を描くようにぐりぐりと擦った。

「あっ……あ、ああっ!!」

 途端に天音の体が反り返る。

 浮いた天音の腰にハインツが下から抉るように腰を打ち付けると、張ったカリが前立腺をゴリゴリ擦って、天音はもう気が狂わんばかりに喘ぎまくった。

「いやぁっ! もうだめ、ちんちんがイくっ、イくっ!」
「アマネの感じる顔を見るだけで、ああ……もうわたしも達しそうだ」
「もうだめっ、イくっ、イくぅっ……んああああっ!!!」
「!!」

 二人はほぼ同時に達し、ハインツは天音の奥に、天音はハインツの腹筋に白濁を吐き出した。

 疲れ果てた二人は、そのまま寄り添って眠りについた。



 天音にとって最高に満足できる素晴らしい初体験の記憶となったのだった。


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