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第1章 追放冒険者編

15.危険度Sランクの魔物

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「もう良いじゃろ…これ以上は情報は貰えないようじゃ」


さすがエリスお嬢様。

俺の魂胆を理解している。

『マナドレイン』を最初に受けてから…。








1分経過。





闇魔法『マナドレイン』。
ラーニングにより習得。





「リザードたちよ!  
すぐにこのガキを殺しなさい!!!!」


リザードたちが俺たちに向かって一斉に飛びつく。


そして、俺たちはリザードたちに押しつぶされる。


かのように見えたが?


「闇魔法『マナドレイン』」


俺は俺たちを押しつぶそうとしたリザードたちの魔力を吸収した。

そしたら、リザードたちはバタバタ倒れていった。


「な、まだそんなに動けるのですか!?」


どうやら俺がマナドレインを使ったこと、はまだ気づいていないようだ。


「もっとあなたの魔力を吸い取って殺してしまいましょう!  揺らぎいる闇の…」


「闇魔法『マナドレイン』」


メイデンが詠唱を始めるとほぼ同時に
俺は無詠唱で『マナドレイン』を使った。


「うぐ!  ば、バカな!  あなたも『マナドレイン』を使えるのですか!?  しかも無詠唱で!!」


メイデンは魔力を吸い取られてヒザを折り
しゃがみこんだ。


そして、俺の方は…。


「うぐぅ!  気持ち悪い…!」


俺もしゃがみ込んだ。

魔力切れもそうだが、魔力の摂りすぎも身体に悪いのだろう。
さっきリザードたちで結構回復したからな。

あと、こいつの魔力はそれなりに高い。

例えるなら空腹は力が出ないが、食べ過ぎたら気持ち悪くなるような感じだ。

なるほど、だからアイツはすぐに取り込まないで、リザードを量産したのか。

うん、勉強になる。


それなら、


「炎魔法『フレイムバースト』
雷魔法『サンダーボルト』
氷魔法『コールドランス』
風魔法『ヴィントゥアロー』
毒魔法『ヴェノム』
光魔法『フォトンショット』
闇魔法『ダークショット』」


7つの属性の魔法を一気に放つ!!


ドカーン!!!!
ドカーン!!!!
ちゅどーん!!!!!!!!



「ふー…スッキリしたぁ!」


お腹に溜まっていた食べ物を全部出した爽快感。

飲みすぎでゲ〇を吐いたのと同じ感覚だ。


「な、なんなんですか!?  その力は!?
何者ですか!?  あなたは!?」


「俺はお前と違ってペラペラと喋ないよ!
べーっだ!」


あれ?  なんか子供っぽい行動取ってしまった。
アッカンベーなんて、いつぶりだろうか。
身体が子供になると心も子供になるってなんかのアニメで見たことがあるな。

多分そのせいだろう。

しかし、闇魔法『マナドレイン』か…。

これは超便利だ!!!!


俺は中級魔法をぶっぱなしまくった。


そして、魔力切れが来たら闇魔法『マナドレイン』でリザードの魔力を吸い取る。

そして、また中級魔法をぶっぱなしまくる。


「え、ちょ!?」


メイデンが何か言う前に暴れまくる俺。

なんやかんやで繰り返していると、
今までの合計で500体倒した。
残り半分!

闇魔法『マナドレイン』。

超便利だ!!!!!!!!


「待ちなさい!!」


振り向くとメイデンがフードを取ってすごい形相でこちらを睨みつけていた。

素顔は病人みたいに、やせ細った顔をしたおっちゃんだった。


「よくも私の計画に支障を!!!!
許すまじ!!!!!!!!」


するとリザードたちが黒い煙になってメイデンの身体に向かって消えていった。

そうか、このリザードたちは元々こいつの魔力で作られたもの。

ノーリスクで魔力を戻して回復できるのか。


「闇魔法『マナメイク』の真の恐ろしさを味わうがいい!!!!」


すると300体のリザードたちが黒い煙となってメイデンを包み込んだ。


あぁ…このパターンはまさか…。


「ふっふっふ…300体のリザードと私の魔力を融合すれば、このような魔物になれるんですよ!」


いわゆる合体だ。


「闇魔法『マナメイク』グリーンドラゴン!!」


え?  無詠唱できんの!?


するとメイデンは緑色のドラゴンに変身した。


「無詠唱は魔力操作というテクニックで習得できれば、膨大な魔力でも習得できるんですよ。
私の切り札をこんなガキに使うことになるとは…。
ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!
神よ!!!!  お許しを!!!!!!!!」


なるほど、無詠唱を扱うには二つの方法があるらしい。
魔力のコントロールが上手いか、膨大な魔力を持っていることか。

しかし、ドラゴンか…。

ドラゴン系は弱くても危険度Sランクだから手強いな…。

俺でも倒せるか?

とりあえず…。


「闇魔法『マナドレイン』」


魔力を吸って弱体化だ!


………あれ?  何も起きない?


「魔法が使えても知識はないのですね。
闇魔法『マナドレイン』は生命力の高い生き物には通用しないのですよ!
危険度Cランクの魔物以下、竜族や魔族以外の人間が限定なのです!  もちろん例外もいますが!」


マジか…以外と使えないなぁ。


「さぁ、死になさい!」


するとグリーンドラゴンは火を吹いた!

やべぇ!  避けないと!


すると避けた先にグリーンドラゴンが接近し


「しまった!」


爪で引き裂かれようとしたその時


「光魔法『シールド』!!」


ガキーン!!


エリスお嬢様の結界だ!
しかし


ピシピシ


バリーン!!



「ぐっ!  やはり無詠唱だと効果は落ちるのじゃ」


無詠唱の弱点の一つ。
完全詠唱と比べたら威力や効果が劣ってしまうということだ。


ドカッ!


俺とエリスお嬢様は光魔法『シールド』では防ぎきれず、吹き飛ばされて木にぶつかった。


「いてて…大丈夫ですか!?  エリスお嬢様!」


「心配無用じゃ!  このくらい!
光魔法『ヒール』」


エリスお嬢様と俺は光魔法『ヒール』で回復した。


「ふっふっふ…無駄ですよ!
あなたごときにドラゴンは倒せません!」


確かに格上の魔物だけあって厄介だ。
さて、どうしたものかな…。
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