上 下
72 / 112
第4章 ブルガンリルム王国編

71.危険度Sランクの魔物討伐

しおりを挟む

危険度Sランクのジェネラルベヒーモスが
3体も現れてピンチかと思われたが、ウェルとレオンが一体ずつ撃破。

そして。


「八極気功拳『超発勁』!!!」


「二刀流「十字斬』!!」


ズドーン!!!!!!!!

ズハバーン!!!!!!!!

再びテンテンとキーファの同時攻撃。


「グオオオオオオオオオオ……」


彼らを中心にA級冒険者数十人で、もう1体のジェネラルベヒーモスを倒すことに成功した。

3体のジェネラルベヒーモスを倒したら、次々と魔物が撤退していき討伐が完了した。


「勝った…勝ったんだ!!」


うおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!


「やったアル!!」


冒険者たちが歓喜の叫びを上げる。


「ふぅ…」


ドサッ


俺は気が抜けて、地面に座り込む。


「立てるかい?」


そんな俺に手を差し伸べるレオンさん。


「ははは…ありがとうございます」


気が抜けたところを見られて少しむず痒い。
レオンさんの手を取り立ち上がるのだった。


「凄かったよ。ウェルくん。
君は本当にA+2(エープラスツー)の冒険者なのかい?」


一瞬とはいえ危険度Sランクの魔物を圧倒した。
本来、ランクがA+2の冒険者なら到底できる芸当じゃない。


「俺の技なんですよ。
一時的に強化できるんですが
すぐにバテてしまって…」


『魔導気』は魔力と気を擦り合わせて一つの力にする俺のオリジナル戦闘スタイルだ。

ラーニングをベースにしているからこそ扱えるのだが、それでも魔力と気の消費が半端なく魔力と気の消耗が激しいという。

使い果たさなくても消耗スピードが早いので
身体がついてこなかったのだ。

それで一瞬だけ膝をついてしまった。


「強化魔法の一種か…。
それでも強化レベルと消耗は激しそうだね」


すぐに『魔導気』の弱点を見抜くレオンさん。
魔力と気はかなり別物なので『魔霊力』より
両方扱うのが難しい。


「ははは…そうなんですよね…。
もっと強くならないと!」


もっと強くならないとエリスお嬢様を守れないので、俺はより一層引き締める。


「焦らなくても大丈夫だよ。
その年齢でその実力ならあっという間に
S級冒険者を越えられるよ。
いや、それ以上もありうる」


「え?  それ以上?」


俺がレオンさんの言葉に疑問に思った瞬間。


ドドドドドドドド!!!!!!!!


「ウェルーーーーーー!!!!!!」


テンちゃんが俺にダイビングした。


「ぐえ!?」


「やったアル!!
アタシ!  危険度Sランクの魔物倒したアル!!」


危険度Sランクの魔物を倒せたことを喜ぶテンちゃん。

ヒュドラ戦では時間稼ぎがやっとだったのだが、今回は数十人のA級冒険者と一緒とはいえ、トドメを刺すことができたのだ。

確実に成長しているテンちゃん。


そして、俺がそれよりも思っているのは


うおおおおおおおおおおおお!!!!
テンちゃんの控えめのオッパイが頬に!!

このラッキースケベ!!!!!

悪くない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

むしろ今までの中で
一番のご褒美!!!!!!!!!!!!


という感じで堪能。



「レオンさん!!!
俺たちもやりました!!!
危険度Sランクのジェネラルベヒーモス!!
討伐完了だ!!!!」


キーファたちも俺とレオンの元にやってきた。


「素晴らしい成果だよキーファくん。
他のみんなもよくやった」


S級冒険者直々の礼に。


「いやーレオンさんにそんなこと
言って貰えるなんて光栄すぎですぜ!」


照れるキーファ。
キーファはレオンさんに憧れて冒険者になったので
かなり嬉しい様子だ。


「さて、倒した魔物たちはギルドに戻って換金しようか」


喜んでばかりはいられない。
まだ仕事が残っている。

倒した魔物をギルドに持っていって換金してもらわないとタダ働きになるからだ。

そして、全部持っていけないので
魔物の一部を持っていったり解体する作業が
必要となる。


「か~!  解体が一番ダリィぜ!」


キーファだけでなく冒険者はみんなこう思っている。


「まぁ、しょうがないよう~。
タダ働きは嫌だし!」


テリーサはめんどくさい解体作業よりも
タダ働きの方が天秤にかけると解体を選ぶという。

というか誰もがそれを解体を選ぶ。


「ははは!  私もS級冒険者になったが解体作業は
好きにはなれないね。
ほら、ブツブツ文句ばっかり言っていると
夕食が遅くなるぞ!」


レオンさんはレオンさんでめんどくさいのはわかっているし、他の冒険者の気持ちもわかる。

とはいえやらないと進めないのでやるしかない。


「あ、それなら俺が全部引き受けます!」


すると俺が一言いうと、全員が俺に注目した。


「…ありがたい申し出だけど
これだけ倒した魔物たちをウェルくん一人に任せる訳にはいかないよ。
300体以上はいるよ」


いくらなんでも全部任せる訳にはいかないというレオンさん。


「『アイテムボックス』」


俺は『アイテムボックス』で異空間を開いて魔物を
1体ずつ放り込み出した。



「えーーーーーーーーーーーーー!?!?!?!?!?!?!?!?」


テンちゃんを除く冒険者全員が驚く。
もちろんレオンさんも。


「俺には『アイテムボックス』があるので
解体しなくても運べるんです!」


超便利な魔法『アイテムボックス』。
冒険者なら誰もがほしがるレアな固有魔法だ。


「よっしゃーー!!!!」


「これで解体せずにすんだ!!」


「う、羨ましいぞ!!!」


ブレイブハートの冒険者たちが喜び羨ましがる。


「…私もほしい…」


ずっとクールな貴公子だったレオンが、誰にも聞こえないような声で、かつ真顔でポロリと漏らす。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

神の末裔は褥に微睡む。

BL / 完結 24h.ポイント:113pt お気に入り:2,361

勇者は発情中

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:241pt お気に入り:57

愛され美少年で悪役令嬢の弟の僕、前世はヒロインやってました

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:21pt お気に入り:64

【R18】渾沌の七竅

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:85pt お気に入り:183

サフォネリアの咲く頃

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:5

悪役王女の跡継ぎはバッドエンドですか?

BL / 連載中 24h.ポイント:241pt お気に入り:78

異世界の剣聖女子

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:153

処理中です...