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第6章 ギルドバトル編

98.闇が動き出す

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俺の新技『魔導霊気』によってブルガンリルム王国最強の冒険者『レオン・スティーブ』を圧倒するが。


「ウェル! しっかりしてくださいませ!」


「大丈夫アルか!?」


「お、おい!」


リーズ、テンちゃん、ビリーが俺に話しかける。

勝利した俺はあったが指一本動かせない状態であった。

トットットッ


そこへルミネスゲートのギルドマスター
『ゲルド・ダスティン』がやってきた。


「ウェルくん! 大丈夫か!?」


そして、ゲルドさんの肩にはエリスお嬢様が乗っていてすぐに俺のところへ飛んだ。


「ウェル! しっかりするのじゃ!」


エリスお嬢様は俺に駆け寄って話しかける。


「またこんな無茶しおって…」


俺は今まで何かある度に無茶をして倒れる。
ドンドン強くなるが身体の疲弊が心配になる様子だ。


「とにかくマジックポーションだ!」


ユルゲンはすぐさま俺に魔力が回復する薬『マジックポーション』を飲ませる。


ごくごく


魔力はそこそこ回復して少し喋れるようになった。


「う…身体がだるい…」


しかし、それでもほとんど身体を動かすことができない。


「たぶん、『気』を大幅に消費したから体力が
回復してないアル」


『気』の消費は体力の消費というテンちゃん。


「霊力もなくなれば脱力感に襲われますわ!」


リーズ曰く、霊力も魔力同様に枯渇すると力が入らなくなるという。


「…とりあえずベッドに寝かせないとな…。
次の試合では戦えないだろう」


ゲルドさんは会場の治療室に俺を連れて行くことにした。


「妾も一緒に行くぞ!」


エリスお嬢様も付き添う。


トットットッ


ゲルドさんとエリスお嬢様は俺を連れて治療室に連れていった。


「…ウェル…心配アル」


「…あいつがそう簡単にくたばるわけわねぇ!
俺たちは試合に集中だ!」


ウェルは心配だ。
しかし、今は次に繋げてくれたウェルのためにも
試合に勝つことに目を向けようと周りに言うビリー。


「…そうですわね。
優勝してウェルを驚かせて差し上げますわ!」


次にウェルに会った時、優勝の報告をする。
その想いを胸に試合に集中することにした一同。



一方、ブレイブハートの方では。


かなり魔力を消費して座り込んでいるレオン。


「レオンさんが負けるなんて…!」


ブレイブハート一同はS級冒険者レオンの敗北に
驚愕し、事実を受け止めきれないでいる。


トットットッ。


そこへブレイブハートのギルドマスター
『デューイ・スターク』がやってきた。


「ギルドマスター!」


「…相手は我々にとって十分強敵でした。
よく頑張りました」


敗北はしたが賞賛に値すると労うデューイ。


「それにあまり悔しそうじゃありませんね?」


デューイはレオンの表情を見てそう言った。


「…そう…ですね…」


敗北はしたが悔しさはない。

レオンはジェネラルベヒーモスの時からウェルに
注目していた。

彼は将来、S級冒険者の更に先を行って
英雄と呼ばれるようになると。


2時間後。


「さぁ! お待たせしました!
氷を溶かすのに時間がかかってしまいましたが試合を開始したいと思います!!
次の試合は『アイアンタートル』VS『アトモスロード』!!」


レオンの魔法で凍った会場を整備に時間がかかったが問題なく試合が開始されるようだ。


「誰がビリっけつのカメだとーーー!?!?!?」


「いや、言ってねぇよ!!!」


『アイアンタートル』の大将で冒険者のランクがA+2(エープラスツー)の『シルト・クレーテ』の空耳に対して、すぐさま他の冒険者に突っ込まれる。


それとは対照的に黙りの『アトモスロード』。


「さぁ一体どっちが勝つのか!?」


実況者ロムも観客もどっちがわからないとのこと。
しかし、10分後。


「なーーーんと!?!?!?
『アトモスロード』は今回も圧勝だ!!!
先鋒だけで大将まで戦うことになったぞ!!」


『アトモスロード』の先鋒は今回も一歩も動かず
次々と冒険者を倒した。


そして、大将シルトが挑む!


「どんな魔法か知らないが俺の固有魔法
『ゲーゲンアングリフ』の敵じゃないぜ!!」


固有魔法『ゲーゲンアングリフ』。
強力な結界を張る防御系の魔法。
結界を攻撃されると倍の衝撃で返すカウンターを
する能力がある。

物理攻撃はもちろん、ステータス異常系の魔法や呪いも例外ではない。

しかし、


「が!?!?」


シルトも他の冒険者同様に倒れた。
そして、そのまま動けなくなる。


「なーーんと!!!
今回も先鋒だけで勝利を収めた『アトモスロード』!!
『ルミネスゲート』に勝ち目はあのか!?!?」


全ての試合を先鋒だけで勝利した『アトモスロード』。

次の試合で『ルミネスゲート』と激突する。


一方、こちらは会場の倉庫。


「ふー、これで終わりか」


「そうだな、早く試合が見たいぜ!」


職員たちが荷物の整備をしていた。


「しっかしこんな荷物なんて予定にあったか?」


「さぁ? 開けて確認するか?
怪しい荷物は確認するよう言われていたし」


「だな!」


職員2人は予定にない荷物を空けて確認する。



「な! なんじゃこりゃ!?
人間が入っていたぞ!!」


箱を開けると異臭を放ち
血まみれの人間が入っていた。


「し、しかも死んでる!!
緊急事態だ!!
直ぐに上に知らせよう!!!」


「ま、待て!! 俺、この人知ってるぞ!
『アトモスロード』のエース『ジョスエ・マルクッツオ』だ!!
なんでこんなところに!?!?」


「おい!
他にも予定がない荷物がないか調べるぞ!」


案の定予定がない荷物は他にもあり
その全てが『アトモスロード』に所属する冒険者の死体だった。


「じゃぁ…今試合しているのは誰なんだ!?」
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